量子技術基盤拠点長ごあいさつ
QSTでは、これまでに培ってきた電子ビームやイオンビームといった量子ビーム技術を活用して、高性能な固体量子ビット(ダイヤモンドNVセンターに代表される量子マテリアル)を高効率に形成する技術で世界をリードしています。これらを基盤として、国の量子戦略である量子未来社会ビジョン(2022年4月)の中で「量子機能創製拠点」として位置付けられ、高性能な量子機能を発揮する量子マテリアルの研究開発・供給基盤の整備や安定的な供給を担っています。さらに、2023年4月に策定された量子未来産業創出戦略に基づき、量子マテリアルやこれを活用した量子センシング等の量子技術の利用を促進し、新産業創出、生産性向上、社会課題解決等の新たな価値の創出を支援するため、「量子機能創製拠点」を強化し「量子技術基盤拠点」としての活動を開始しました。
「量子技術基盤拠点」では、高性能な量子マテリアルの安定供給に加え、量子マテリアル・量子センシング等を産業界が利用・試験・評価できる環境(テストベッド構築や利用・技術支援体制)の整備を進めます。さらにQSTの強みであるレーザーや放射光などの光科学技術を駆使した量子状態の観測、制御技術や高度な量子機能を実現するデバイス開発、量子コンピュータや量子中継への応用が期待される量子ビット形成等、豊かで持続可能な未来社会を支える量子技術の基盤となる研究開発に取り組みます。
量子技術基盤拠点長 河内哲哉