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RSS配信- 2023年8月25日更新
- 「第1回量子技術基盤拠点アドバイザリーボード」を開催しました。
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量子技術基盤拠点の目標と役割
量子科学技術研究開発機構(QST)では、国の量子技術イノベーション拠点の1つである「量子技術基盤拠点」として、高度な量子機能を発揮する量子マテリアルの開発・安定供給に加え、量子マテリアル・量子センシング等を産業界が利用・試験・評価できる環境(テストベッド構築や利用・技術支援体制)の整備を進めます。さらにQSTの強みであるレーザーや放射光などの光科学技術を駆使した量子状態の観測、制御技術や高度な量子機能を実現するデバイス開発、量子コンピュータや量子中継への応用が期待される量子ビット形成等、豊かで持続可能な未来社会を支える量子技術の基盤となる研究開発に取り組むとともに、産学官協創を通して量子マテリアルや量子技術等の産業応用・社会実装を推進します。
量子技術基盤拠点の概要についてはこちら [PDFファイル/860KB]
量子技術基盤拠点の研究開発課題
量子技術基盤拠点では、超スマート社会(Society5.0)の実現、生産性革命の促進、新産業の創出、国際競争力の持続・向上、安心・安全な社会の実現などに向けて以下の研究開発課題を解決します。
材料科学・量子ビーム科学を基盤とした量子機能材料・デバイスの創製(量子機能創製研究センター)
量子計測・センシング
環境ノイズ耐性量子センサ実現を目指し、クラスターイオンビーム等を駆使したマルチ量子ビットスピン欠陥形成・高精度制御技術等を開発します。
量子コンピュータ
誤り耐性型量子コンピュータ実現に向けた技術基盤の確立を目指し、量子ビットの高品質化・集積化を可能とするイオン量子状態制御技術や超微細リソグラフィ技術等を開発します。
量子材料理論プロジェクト |
スピンフォトニクス
超高速・超省電力で動作可能な次世代磁気メモリの創製を目指し、電子スピンやフォトン(光)を巧みに操り、更にそれらの相互作用を活用するスピンフォトニクス技術・デバイス創製等に係る研究を実施します。
二次元物質スピンフォトニクスプロジェクト |
光スピン量子制御プロジェクト |
高強度・高品質レーザーを活用した新たな量子機能創製(関西光量子科学研究所)
光制御による超高速量子デバイスの実現を目指し、極短パルスレーザーや量子状態計測・制御技術を開発します。
量子応用光学研究部 |
先進的硬・軟X線分光法による量子現象・電子状態の解明(関西光量子科学研究所・NanoTerasuセンター)
SPring-8やNanoTerasuから発生する高輝度放射光を活用し、量子機能材料やデバイスの量子現象・電子状態・ダイナミクス解析や新規計測技術を開発します。
放射光科学研究センター |
NanoTerasuセンター |
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量子技術基盤拠点の体制と産学連携
【拠点体制・分担と外部連携】
量子技術基盤拠点では、高崎量子技術基盤研究所に設置した量子機能創製研究センター(QUARC)を中核として、QSTの強みである材料科学や光科学に関する量子技術の有機的な融合を進めるとともに、産学協創オープンラボを活用し、QST内の量子生命拠点、イノベーション戦略部、外部の量子技術イノベーション拠点(QIH)や一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)と連携してオープンイノベーションを推進します。
量子技術基盤拠点構成サイト・施設:
・量子機能創製研究センター(高崎)
・関西光量子科学研究所(木津)
・関西光量子科学研究所・SPring-8(播磨)
・NanoTerasuセンター(仙台)
QST内部連携:
・量子生命拠点
外部連携:
・量子技術イノベーション拠点(QIH)
・一般社団法人量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)
産学協創オープンラボ
QSTの量子技術についてご関心・ご興味のある企業様向けに、産学協創オープンラボの開設を進めています。
量子科学の入門者には量子技術相談窓口へ、量子センサを見たい、体験したい、評価したい方にはテストベッド利用、自社で量子人材を育てたい方には人材育成プログラムでサポート、一緒に研究開発を進めたい方には産学連携へと各段階に応じてご相談ください。
量子センサ・テストベッド
QSTでは固体量子センサを評価するテストベッドを整備しています。
テストベッドでは、固体量子センサに関する素材、スピン注入、測定感度などの性能を評価することができます。
高崎量子技術基盤研究所の他に、東京工業大学および東北大学にも産学協創サテライトラボの設置を進めています。
問い合わせ
本webサイトのご利用について
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ご意見・ご質問等ございましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 第1研究企画室
〒370-1292 群馬県高崎市綿貫町1233
Tel: 027-346-9232
E-mail: fqtc=qst.go.jp
([=]を[@]にしてください)
用語解説
- ※1 量子技術イノベーション拠点
- 国の量子技術イノベーション戦略(2020年1月21日統合イノベーション戦略推進会議)に基づき、量子技術分野の国際競争力の確保と強化を目的として、2021年2月に発足。司令塔役を担う組織の下に国内10ヶ所の研究開発拠点を設け、基礎研究から技術実証、オープンイノベーション、知的財産管理、人材育成等に至るまで産学官で一気通貫に取り組む。[参照元へ戻る]
- ※2 量子マテリアル
- 電子やスピンの量子状態を人為的に制御することで新たな量子力学的機能を発現する物質・材料のこと。量子コンピュータ、量子センシング、量子ネットワークなどの量子デバイスを製造するために必要な量子機能を発揮するための基幹材料。[参照元へ戻る]
- ※3 量子センシング
- 量子効果を用いて磁場、電場、温度などの物理量を計測する手法の総称であり、量子そのものを計測するわけではない。従来の計測手法よりも量子効果を利用することにより高感度化が期待できる。[参照元へ戻る]
- ※4 テストベッド
- 新技術や新システムを開発する際に、実際に近い使用環境を再現できる試験用環境、または試験用プラットフォームの総称。[参照元へ戻る]
- ※5 放射光
- 放射光は光速近くまでエネルギー加速された荷電粒子(電子や陽電子)を磁石で曲げた際に進行方向に放射される電磁波であり、高輝度、かつ指向性が高く、偏向特性を自由に変えられるなどの優れた特徴をもつ。[参照元へ戻る]
- ※6 量子中継
- 遠距離の量子通信を実現するためには、従来の通信と同じように中継技術が不可欠であり、量子中継とはその技術を指す。方法としてテレポーテーションあるいは量子もつれ合いスワッピングを多段階に接続することにより実現する方法が提案されている。[参照元へ戻る]
- ※7 量子ビット
- 量子コンピュータで扱われる情報の最小単位。従来のコンピュータのビットは「0」か「1」のどちらかの状態をとりますが、量子ビットは「0」と「1」の「重ね合わせ状態」をとることができる。重ね合わせ状態は量子力学特有の状態で、量子コンピュータはこの重ね合わせ状態を活用して高速な計算が実現可能となる。[参照元へ戻る]
- ※8 超スマート社会(Society5.0)
- サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、 経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指す。[参照元へ戻る]