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重粒子線治療とは

掲載日:2026年4月1日更新
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重粒子線治療の特徴

重粒子線治療では、陽子より12倍重い炭素粒子を用いているため、線量集中性と生物効果の両面において、がん治療に適した性質を有しています。

  1. 体内で高線量域(ブラッグピークという)を形成しますので、従来のX線よりもがん病巣に狙いを定めた照射が容易で、その分周囲の正常組織への影響が少なくなります(図1、2)。
  2. ピーク部分の生物効果(細胞致死作用)は、X線や陽子線より2~3倍大きいという性質がありますので、従来のX線に抵抗性を示すがんにも有効です(図3、4)。
  3. 上記の1と2はがん治療に適したかたちで表現されます。 つまり、重粒子線の生物効果(細部致死効果)は体表面近くでは小さく、深くなるほど大きくなりピーク部分で最大になるという特徴があります。従って、重粒子線のピーク部分を病巣の位置とサイズに合わせてやれば、病巣は周囲の正常組織より物理的にも生物学的にも大きな線量(影響)を与えることが可能になるわけです。

エックス線と重粒子線の体内における線量分布の模式図

図1 X線と重粒子線の線量分布の比較

エックス線と重粒子線の頭蓋底腫瘍における治療計画図

図2 X線と重粒子線の線量分布の比較(頭蓋底腫瘍)

照射により発生する二次粒子の分布は炭素線の方が陽子線より高密度になる

図3 照射により発生する2次粒子の分布

重粒子線の生体内における線量分布グラフ

図4 重粒子線の深部線量分布

適応となる疾患・照射期間の目安

🔵保険診療として治療されている疾患

疾患 照射期間の目安
骨・軟部肉腫(手術が困難なもの) 4週間
頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等) 4週間
頭頸部がん(涙腺がん) 4週間
前立腺がん 3週間
眼腫瘍(悪性黒色腫) 1週間
膵臓がん 3週間
大型の肝臓がん(4cm以上) 4日~1週間
肝内胆管がん 1週間以内
大腸がん(術後再発) 4週間
子宮頸がん(腺がん) 5週間
局所進行子宮頸部扁平上皮癌(6cm以上) 5週間
婦人科領域の悪性黒色腫 4週間
肺がん(1-2A期) 1日~4週間

 

🔵先進医療として治療されている疾患

疾患 照射期間の目安
肺がん(非小細胞型)(局所進行がん) 4週間
肺がん(非小細胞型)(保険適用以外の早期がん) 1日~3週間
気管・気管支がん(遠隔転移なし) 3週間~4週間
食道がん(1期) 3週間
小型の肝臓がん(4cm未満) 1週間以内
腎臓がん 3週間
少数転移性肺腫瘍(3個以下) 1日~4週間
少数転移性肝腫瘍(3個以下) 1週間以内
限局性リンパ節転移 3週間~4週間

 

🔵臨床試験として治療されている疾患

疾患 照射期間の目安
乳がん 1日~1週間
食道がん(内視鏡治療後 追加治療) 2週間
腎臓がん 1週間

(2026/4/1)