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当プロジェクトでは、量子ビームを活用する『量子ビームグラフト重合法』を用いて、高分子素材に新しい機能を付与する研究開発を進めてきました。現在は、資源確保と環境保全を目的とし、温泉水や海水中の有用希少金属を捕集するための分離機能材料、及び、産業廃棄物中の有害金属を除去するための環境浄化材料の研究開発を進めています。また最近では、少ない線量で材料を作ることが可能な『新しいグラフト重合反応』の研究・開発を行うとともに、材料製造コストを低減するため、簡易グラフト重合技術を考案しました。また、技術の汎用化を目指し、誰でも簡単にグラフト重合ができる『簡易グラフト重合反応』の手法も開発しました。我々は量子ビームを活用するグラフト重合により、社会に役立つ材料開発を進めています。
近年、温室効果ガスであるCO2を資源としてとらえ、これを分離・回収してさまざまな製品や燃料に再利用することで、CO2の排出を抑制する「カーボンリサイクル」の取り組みが行われています。カーボンリサイクルを実現するためには、これまでのようにグラフト重合材料の機能性を追求するだけではなく、素材から機能化する化学反応まで、一つ一つの工程を考え直す必要があります。当プロジェクトでは、最新のＡＩによる反応予測を取り入れることで、製造にかかるCO2低減効果やコストを考慮した緻密な材料設計を行い、カーボンリサイクルに貢献する機能性材料の開発に取り組んでいます。
