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関西光科学研究所 | 第2-1回KPSIセミナー レーザー航跡場加速電子源の開発とその応用

掲載日:2018年12月27日更新
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関西光科学研究所 >> KPSIセミナー >> レーザー航跡場加速電子源の開発とその応用

 

セミナー

第2-1回KPSIセミナー

レーザー航跡場加速電子源の開発とその応用

 

講演者 中新 信彦
(関西光科学研究所 高強度レーザー科学研究グループ)
職位 研究員
場所 関西光科学研究所 ITBL棟 G201号室
日時 5月11日(水曜日)13時00分~14時00分
使用言語 日本語

レーザー航跡場加速電子源の開発とその応用

中新信彦
(関西光科学研究所 高強度レーザー科学研究グループ)

概要

レーザー航跡場加速(LWFA)は超短パルス高強度レーザーによって励起される電子プラズマ波が持つ極めて高い加速勾配を利用した粒子加速法であり、次世代の超高エネルギー加速器の加速法として期待されている。さらにLWFAから発生する電子はフェムト秒オーダーという非常に短い時間幅であるため、この極短バンチ性を利用した物質の高速な過渡現象の観測やX線自由電子レーザーへの応用も期待されている。

近年、準単色ビームの発生やGeVを超える加速が実証され、更なるエネルギーフロンティアに向かって研究開発競争が加速している。しかしながら、ユーザーが利用可能な高い信頼性と制御性を持つレーザー航跡場加速器は未だに存在しておらず、高エネルギー加速器分野のみならず物性材料科学等の応用研究分野からもLWFAに期待が寄せられている今、その実現は急務である。

これまでの研究で高強度レーザーのプレパルスによって生成されるプレプラズマがメインパルスの伝播と集光を阻害し,電子ビームの安定性に大きく影響することが明らかにされていた[1]。私たちは磁場を用いてこのプレプラズマの挙動を制御することによって高強度レーザーパルスの伝播を制御し、非常に安定でかつ方向を自由自在に制御できる高品質な電子源を開発した[2,3]。

安定した電子源の確立によって複数の航跡場を並べて電子を加速する多段レーザー航跡場加速が実現可能となった。電子源からの熱的な電子を別のレーザーパルスで励起した後段の航跡場に入射することで、位相回転によるエネルギー拡がりの小さい準単色電子ビームの生成や、100MeVを超える追加速に成功した。

さらに電子ビームの安定性・制御性の向上によって従来加速器で使用される電磁石などのビーム輸送技術が使用可能となった。私たちは四極磁石で構成される電子線回折用の電子輸送系を構築、シングルショットでの金単結晶の電子線回折像の取得に成功し、物質の高速過渡現象の観測への可能性を示すことができた。講演では私が大阪大学でこれまで取り組んできたLWFA電子源の開発とその応用研究について紹介する。

 

参照:

[1] T. Hosokai et al., Phys. Rev. E. 73, (2006) 036407

[2] T. Hosokai et al., Phys. Rev. Lett. 97, 075004 (2006)

[3] N. Nakanii et al., Phys. Rev. ST Accel. Beams 18,021303 (2015) 

 

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