量子生命・医学部門 QST病院 放射線品質管理室の水野秀之 上席研究員が、令和4年度産業標準化事業表彰 経済産業大臣表彰を受賞しました。
この賞は、国際標準化機構(ISO)や国際電気標準会議(IEC)における国際標準策定、国内規格(JIS)策定や適合性評価活動といった、標準化活動に優れた功績を有する者、組織に贈られます。
長峯誠 経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官(左)から表彰状を授与された水野 上席研究員(右)
受賞対象となった功績の概要
ISO/TC85(原子力)/SC2(放射線防護)のエキスパートとして標準化活動に長年にわたり関与。特に国産の蛍光ガラス線量計を利用した放射線治療装置の線量評価法に関する国際規格案についてプロジェクトリーダーとして各国と粘り強く交渉を続け2019年のISO 22127(光子線治療の線量監査における蛍光ガラス線量計を用いた線量評価)発行を主導した。海外製品に席巻されている医学分野において我が国発の技術の産業標準化への貢献は大。また、内閣府主導のアジア原子力協力フォーラムの放射線治療グループの運営委員として、東南アジアをはじめとする各国の放射線治療装置に対して蛍光ガラス線量計を用いた線量監査を遂行し、当該地域のがん治療の品質向上に貢献。
水野秀之 上席研究員の喜びのひとこと
放射線治療の品質管理という、地味で目立たない分野の研究活動に従事してきましたが、このような形で表彰頂けたことは青天の霹靂でした。ISO規格作成時のみならず、日ごろから研究活動にご指導、ご支援いただいた方々に心より御礼申し上げます。国産の優れた技術を世界標準にし、それを世界で役立たせることはとても重要であり、その標準化の実現およびそれを利用した実際のアジア地域でのFNCA活動まで含めて評価頂けたことは何よりの喜びとなっております。今後とも国内外の放射線治療の質の向上のために尽力していきたいです。