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次世代放射光施設整備開発センター

「官民地域パートナーシップ」によるプロジェクトの推進

掲載日:2020年7月7日更新
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御挨拶

私たちの未来を拓く、次世代放射光

 私たちは、AIやビッグデータ、IoT等により、全ての人とモノがつながり、様々な知識と情報が共有され、新たな価値が生み出される社会、Society5.0の時代を迎えようとしています。そのSociety5.0を支え、未来を切り拓くイノベーションを創出し、研究開発の国際競争力を強化するため、“ナノで機能を見て、モノづくりを支援する巨大な顕微鏡”である次世代放射光施設の建設が、学術・産業界から強く求められてきました。

 これを受けて、量子科学技術研究開発機構(量研)は、「官民地域パートナーシップ」という新しい仕組みで、次世代放射光施設の整備・運営を推進することになりました。現在、量研とパートナー機関は次世代放射光施設の具体化を図るため、建屋・加速器・ビームライン等の具体的な設計検討を進めているところであります。

 私たちが目指す「次世代放射光」は、国内に既存の軟X線向け放射光施設の100倍の光源性能を持ち、ナノレベルの微細な領域で物質の機能を可視化することで、 学術研究と産業界の研究開発をつなぎ、革新的なイノベーションを起こすことができます。この次世代放射光プロジェクトを、量研がパートナー機関とともに、成功に導くよう全力を挙げて取り組んでまいります。皆さまのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
理事長 平野俊夫

新しい産学連携のスキーム、世界一の立地でリサーチコンプレックスの形成を加速

 民間・地域のパートナーとして、(一財)光科学イノベーションセンター(PhoSIC)、宮城県、仙台市、東北経済連合会、東北大学が選定され、学都仙台にある東北大学青葉山新キャンパスの地に、2023年度中の完成を目指して建設することが決定されました。光科学イノベーションセンターは、コウリション(有志連合)コンセプトという産学連携の新しい仕組みを創り、 2018年10月の段階で既に60社近い企業の参画と加入金の拠出をいただくことになりました。

 さらに多くの企業に、参画を御検討いただいており、産業界から大きな期待が寄せられています。宮城県、仙台市及び東北経済連合会は、地域として企業や研究機関の立地促進を進める政策を展開し、東北大学は、次世代放射光の利活用について他大学との連携を強化しつつ、アンダー・ワン・ルーフ型産学連携拠点の構築を検討しています。学術と産業界が課題を共有し、研究開発を加速する新たな連携スキームへの期待にしっかりと応えてまいります。

一般財団法人光科学イノベーションセンター
理事長 高田昌樹

パートナーとの協定の締結

 量研は、(一財)光科学イノベーションセンター(代表)、宮城県、仙台市、、国立大学法人東北大学、(一社)東北経済連合会(以下、パートナー)との間で、平成30年9月12日付で「次世代放射光施設(軟X線向け高輝度3GeV級放射光源)の整備・運用に係る詳細の具体化に関する連携協力協定」を締結しました。

 本協定の締結により、量研とパートナーとの連携・協力の枠組みをより強固に構築し、本施設の整備・運用に関する検討・調整を開始します。

協定書署名式

 写真は、本協定締結の署名式です。左から、東北経済連合会 向田副会長、東北大学 矢島理事、宮城県 村井知事、光科学イノベーションセンター 高田理事長、量子科学技術研究開発機構 平野理事長、文部科学省 山脇審議官、仙台市 高橋副市長。

パートナーとの役割分担

項目 内訳 試算額 役割分担
加速器 ライナック、蓄積リング、輸送系、制御・安全 約170億円
ビームライン 国:3本程度、パートナー:7本程度 国:20億円、パートナー:40億円 国及びパートナー
基本建屋 建物・附属設備 約110億円 パートナー
整備用地 用地取得・造成 約22億円 パートナー



官民地域パートナーシップの実現に至るまでの経緯

年月 国の動き パートナーの動き
2011   東北放射光施設検討会有志による放射光施設構想の趣意書
2014   東北放射光施設推進協議会(SLiT-J)設立
2016.11 文科省第1回「量子ビーム利用推進小委員会」が次世代放射光施設の検討を開始  
2016.12   一般財団法人光科学イノベーションセンター(PhoSIC)設立
2017.2 量子ビーム利用推進小委員会が「高輝度放射光源とその利用に関する中間的整理」を報告  
2017.4   建設地選定諮問委員会が「東北大学青葉山新キャンパス」を最適地であるとPhoSICに答申
2017.7 量研を「計画案の検討を行う主体候補」に認定  
2018.1 量子ビーム小委員会最終報告書「新たな軟X線向け高輝度3GeV級放射光源の整備等について」を報告  
上記報告に基づき、林文部科学大臣が「官民地域パートナーシップ」による同施設の具体化を進めることを発表  
量研が「整備・運用の検討を進める国の主体」に指名  
官民地域パートナーシップ具体化のためのパートナー提案募集開始 パートナー公募に応募
2018.7 PhoSIC(代表機関)、宮城県、仙台市、東北大学、東経連がパートナーとして選定
2018.9 量研とPhoSICが、「次世代放射光施設(軟X線向け高輝度3GeV級放射光源)の整備・運用等に係る詳細の具体化に関する連携協力協定」を締結
2018.11 量研とPhoSICの共同主催により「次世代放射光施設シンポジウム」を開催
2018.12 政府予算案に施設整備費計上
2019.3 東北大学青葉山新キャンパスにおける次世代放射光施設の敷地造成に着手
2020.4 基本建屋起工式
2020.12 放射光科学に関する東北大学と量研との連携協力協定を締結