Vol.27 女性科学者の吉田麻衣子研究員にインタビューしました!
こんにちは、カナです。
今日は、先日日本女性科学者の会奨励賞を受賞された、計測開発グループの吉田麻衣子研究員へ受賞記念インタビューをお願いしました。その時の様子をご紹介します。
女性の科学者さんって初めてお会いするんだけど、どんな方なんだろう? とちょっとドキドキしながらお邪魔しました。
研究の内容を簡単に言うとどんなふうになりますか？
「研究の内容は『プラズマの回転と運動量輸送に関する研究』と言います。「回転」ていうと、回転寿司とか浮かぶと思いますが、実はプラズマも回転するとお得なんです。
核融合炉のプラズマってドーナツ型してるんですけど、これを流れるプールみたいに回転させますと、性能が良くなるんです。じゃあ、その回転がどういう風に決まっているのか、回転をどうしたら制御できるのか、という研究をやりました」
プラズマってこんな形してるんですよ、と言ってこんなカラフルな模型を見せてくださいました。
受賞した感想をお聞かせください。
「まさか自分が受賞するとは思わなかったんですよ。びっくりしたのと、評価いただいて良かったな嬉しいな、って言う気持ちがありましたね。女性の研究者にはその昔、女性が不利な社会の中で何十年も頑張って活躍してきた方がたくさんいらっしゃるんです。そういう方々に肩を叩かれて『頑張ってね』って言われて、心強さを感じました」
今後の目標や夢は？
「私が賞を取れた最大の理由というのは、やはりJT-60Uっていう素晴らしい装置と、それを作った方々と、一緒に実験や議論してきた研究チームがあったからこそだと思ってるんで、JT-60SAもそういう風に素晴らしい装置にしたいなと思っています。
『Kawaii（可愛い）』っていう言葉が世界で通じるみたいに、『Fusion』じゃなくて『Kakuyugo(核融合)』って言葉が先に認識されるくらい、日本がリードできたらなって。ものづくりニッポンじゃないけど核融合ニッポンみたいな感じで。核融合分野で初めてノーベル賞取れるくらいになりたいですね」
受賞記念講演での吉田研究員。
科学者になろうと思ったきっかけは?
「小学生の時のある理科の先生が面白い方で、授業ごとに教室にいないで野外観察と称して外に連れて行っちゃうんですよ。今だったら多分PTAから苦情とかきますよね。でもそこでいろんなことを体験して、ああ自然って面白いなってそこから科学の世界に入っていった感じがします」
学校の先生の影響って大きいですよね。
「核融合の研究をやりたいなと思ったのは高校3年生くらいなんですけど、大学院1年生の頃だったか、学会の原研の発表がすごかったんですよ、ここまで行った！これ分かった！って、それにもう目がハートになってしまいまして。それからずっと原研に入りたかったんです」
もし原研に入ってなかったら何をしてたと思いますか?
「実は私、小さい頃恐竜博士になりたかったんです。今でも、核融合の研究が完成してやることがなくなっちゃったら、引退して化石の発掘に行きたいなあって夢があります。恐竜の化石って、見つけた人の名前付けられる事があるんで、是非自分の名前を付けてみたいです。マイコザウルスとか（笑）」
自分で見つけたものに自分の名前を付けるって、科学者ならではの夢ですね。ぜひ実現してほしいです。
研究以外の吉田さんについてお伺いしたいのですが、趣味は何ですか？
「テニスはずっと趣味でやってて、あとはたまに恐竜とかを見に博物館行ったり、絵を観にいったり音楽ホールに行ったりですね。落語も聞きに行きます。私は忘れっぽいのですが、やはりインパクトのあるものは後にのこります。」
最後にHPを見てくださっている方にメッセージを、特にこれから進路を決める中高生に向けて、お願いします。
「社会人になるにしても科学者になるにしても必要なのは、トラブルに遭った時どう対応するかだと思うんです。問題解いてる時はわかんなくなったら教科書の後ろの方見たり、先生が教えてくれるけど、自分で何とかしなくちゃいけないのが社会人で、特に科学者なんかそうですよね。私もまだまだ出来てないのだけど、何か困難があったらそれでああもう嫌だな、とか思うんじゃなくて、逆にこれはチャンスだと思って、それを乗り越えられるように、トレーニングだと思って、気楽に立ち向かえばいいんじゃないですかね」
有難うございました。これからも頑張ってください！
吉田研究員、お忙しい中本当に有難うございました！ マイコザウルス発掘したら、是非カナにも教えてくださいね。