イオン照射研究施設(TIARA)の概要
材料科学やバイオ技術における研究開発には、水素イオンなどの軽いイオンから金イオンのようなとても重いイオンまで、たくさんの種類のイオンビームが用いられています。TIARAには、サイクロトロン、タンデム加速器、シングルエンド加速器、イオン注入装置の4種類のイオン加速器が備えられ、数万電子ボルトから数億電子ボルトまでの幅広いエネルギー範囲のイオンビームをつくり出すことができます。
TIARAは、材料科学やバイオ技術の先端をいく研究開発に最適なイオンビームを提供する世界でも唯一の研究施設です。
写 真 | |
サイクロトロン | |
サイクロトロン制御室 | |
イオン源室 | |
第1軽イオン室 | |
第1重イオン室 | |
第3軽イオン室 | |
第3重イオン室 | |
タンデム加速器 | |
シングルエンド加速器 | |
イオン注入装置 | |
静電加速器制御室 | |
第1ターゲット室 | |
第2ターゲット室 | |
第3ターゲット室 |
4種類の加速器で得られる主なビーム性能とビームエネルギー範囲
加速器 | 加速粒子 | エネルギー (MeV) |
|
サイクロトロン 詳細はこちら |
陽子 | 10~80 | |
ヘリウム | 20~107 | ||
アルゴン | 150~520 | ||
クリプトン | 322~520 | ||
キセノン | 450~560 | ||
オスミウム | 490 | ||
タンデム加速器 詳細はこちら |
陽子 | 0.8~6 | |
炭素 | 0.8~18 | ||
ニッケル | 0.8~18 | ||
金 | 0.8~ | ||
シングルエンド加速器 詳細はこちら |
陽子 | 0.4~3 | |
重陽子 | 0.4~3 | ||
ヘリウム | 0.4~3 | ||
電子 | 0.4~3 | ||
イオン注入装置 詳細はこちら |
陽子 | 0.02~0.38 | |
リン | 0.02~0.38 | ||
アルゴン | 0.02~0.38 |
現在、TIARA施設で、照射実験が行われている実験ポートおよび装置の一覧はこちらです。
そのうち、施設供用制度にて、ご利用可能な実験ポートおよび装置はこちらをご覧ください。
※施設供用制度とは、量研外部の研究者等が高崎研の放射線照射施設を利用するための制度です。詳細は、第1研究企画室の施設供用制度のページをご覧ください。
TIARAのあゆみ
1988年 | 建設開始 |
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1991年 | AVFサイクロトロン&3MVタンデム加速器完成 |
1993年 | 3MVシングルエンド加速器&400kVイオン注入装置完成 |
1996年 | サイクロトロンでカクテルビーム加速(M/Q=5)が完成 |
2000年 | サイクロトロンでシングルイオンヒットシステムが完成 |
2000年 | シングルエンドで大気マイクロPIXEシステム完成 |
2007年 | サイクロトロンの累積運転時間が5万時間に到達 |
2007年 | シングルエンド加速器の累積運転時間が3万時間に到達 |
2009年 | タンデム加速器の累積運転時間が3万時間に到達 |
2010年 | イオン注入装置の累積運転時間が3万時間に到達 |
2012年 | サイクロトロンでシングルパルスビーム提供開始 |
2015年 | シングルエンド加速器の累積運転時間が5万時間に到達 |
2019年 | タンデム加速器の累積運転時間が5万時間に到達 |
2023年 |
サイクロトロンの累積運転時間が9万時間に到達 イオン注入装置の累積運転時間が5万時間に到達 |