2026年8月27日
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)
このたび発生した施設浸水及び廃液流出事故につきまして、地域の皆様をはじめ関係各位に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。調査の結果、本件による公衆及び周辺環境への影響はないと判断しております。今回、事故が発生したことを重く受け止め、原因の究明と再発防止策の徹底、安全管理体制の一層の強化に取り組み、信頼回復に努めてまいります。
令和8年8月15日(土)に公表(https://www.qst.go.jp/site/press/20260815.html)した「放射性廃液の漏洩の可能性について」の続報として、原子力規制委員会に提出した報告書と共に、調査結果の概要、原因と今後の対応についてお知らせします。
原子力規制委員会への報告書の提出
本件に関する情報を改めて整理し、調査によって判明した事実、本件発生後に講じた措置、発生原因及び再発防止策を取りまとめ、令和8年8月24日(月)に原子力規制委員会に報告書を提出しました。下記に報告書の要約を示します。報告書全文についてはこちらをご覧ください。
本件に関する原子力規制委員会のHPはこちらです。
提出した報告書の要約
漏えいの実態及びその影響について
以下のことから、今回の事故による公衆及び周辺環境への影響はないものと判断しています。
(1)当初、漏えいの可能性があった放射性同位元素(RI)
- 炭素11(C-11、半減期:約20分)
- 銅64(Cu-64、半減期:約12.7時間)
前報では、C-11及びCu-64について、使用量及び半減期から事故発生時(8月13日夕方)にタンク内に存在した可能性のある最大量を算出した結果、法令で定める排水中濃度限度(C-11:40 Bq/cm³、Cu-64:7 Bq/cm³)を下回ると評価されたことから、環境への影響はないとお知らせしました。
その後の詳細な調査により、両RIは事故発生前の8月12日午前9時までに適切な処理を経てタンクから放流されていたことが確認されました。このため、事故発生時点においてタンク内にRIはほぼ存在しておらず、流出した廃液中にも放射性物質はほぼ含まれていなかったものと推定しています。
(2)滞留水の採取・測定の結果
タンク内の貯留水とタンク外の滞留水を採取し放射能濃度を測定した結果、法令で定める排水中濃度限度以下でした。
(3)空間線量率について
- 当該敷地境界に設置している放射線モニタリングポストの測定値は、いずれも自然放射線レベルの範囲内でした。
- 当該施設周辺における空間線量率測定の結果、自然放射線レベルであることを確認しました。
原因と今後の対応
(1) 原因
- 豪雨によりポジトロン棟周辺で最大25cm程度の冠水が発生し、廃液貯留室前の屋外地下部分へ雨水排水ポンプの排水能力を超える大量の雨水が流入した。
- 水没した金属製扉が水圧で破壊され、雨水が廃液貯留室内へ流入した。その結果、水没した一部のタンクの点検ハッチから廃液の漏えいが生じた。
(2) 現時点の対策と今後の対応
- ポジトロン棟の屋外地下部分への止水対策として、階段の延伸や壁の設置により雨水流入を防止します。
- 地階廃液貯留室出入口扉周辺の止水対策と雨水排水ポンプの能力向上について検討を進めます。
- 排水制御盤の復旧及び浸水防止対策の検討・実施が完了し、安全性が確認されるまでの間、ポジトロン棟における排水設備の使用を停止します。
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