放射光科学研究センター
量子物性情報計測プロジェクト
プロジェクトリーダー 岩澤 英明
NEWS
2024年9月23日 スピン・角度分解光電子分光の計測効率化に関する論文が出版されました。広島大学、ロシア科学アカデミーとの共同研究の成果です。(論文, プレスリリース)
2024年4月1日 量子物性情報計測プロジェクトが発足しました。
研究内容
スピン分解光電子分光と計測インフォマティクスを駆使した量子物性の研究
角度分解光電子分光を用いた量子機能性材料の研究
物質の電子状態を直接調べることが出来る角度分解光電子分光(ARPES)の装置開発とARPESによる量子機能性材料の研究の経験を活かし、次世代放射光施設ナノテラスにて、電子・スピン状態を顕微観測できる「ナノ・スピンARPES装置」の開発を進めています。また、ARPESと機械学習を活用した物性研究を展開しています。
自律的実験のための計測インフォマティクスの研究
データ駆動型研究が盛んな昨今、大量の実験データをいかに効率よく収集・解析できるかが鍵となっています。機械学習・人工知能技術を駆使して、X線吸収分光法、X線磁気円二色性分光法など様々な放射光実験手法の計測や解析を効率化・自動化・自律化する計測インフォマティクスの方法論を研究しています。
メンバー
岩澤 英明 | プロジェクトリーダー (関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター 上席研究員) | 仙台 |
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上野 哲朗 | 併任者 (関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター 主幹研究員) | 播磨 |
李 松田 | 併任者 (高崎量子技術基盤研究所 量子機能創製研究センター 主幹研究員) | 高崎 |
片山 芳則 | 併任者 (関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター 次長) | 播磨 |
プレスリリース
原著論文
- Hideaki Iwasawa, Tetsuro Ueno, Takuma Iwata, Kenta Kuroda, Konstantin A. Kokh, Oleg E. Tereshchenko, Koji Miyamoto, Akio Kimura, and Taichi Okuda, Efficiency improvement of spin-resolved ARPES experiments using Gaussian process regression, Scientific Reports 14, 20970 (2024).
- Takuma Iwata, T. Kousa, Y. Nishioka, K. Ohwada, K. Sumida, E. Annese, M. Kakoki, Kenta Kuroda, H. Iwasawa, M. Arita, S. Kumar, A. Kimura, K. Miyamoto and T. Okuda, Laser-based angle-resolved photoemission spectroscopy with micrometer spatial resolution and detection of three-dimensional spin vector, Scientific Reports 14, 127 (2024).
- Hideaki Iwasawa, Tetsuro Ueno, Yoshiyuki Yoshida, Hiroshi Eisaki, Yoshihiro Aiura, and Kenya Shimada, Quantitative measure of correlation strength among intertwined many-body interactions, Physical Review Research 5, 043266 (2023).
- Norihiro Oshime, Kenji Ohwada, Akihiko Machida, Nagise Fukushima, Kosuke Shirakawa, Shintaro Ueno, Ichiro Fujii, Satoshi Wada, Kento Sugawara, Ayumu Shimada, Tetsuro Ueno, Tetsu Watanuki, Kenji Ishii, Hidenori Toyokawa, Koichi Momma, Sangwook Kim, Shinya Tsukada, Yoshihiro Kuroiwa, Lattice strain visualization inside a 400 nm single grain of BaTiO3 in polycrystalline ceramics by Bragg coherent X-ray diffraction imaging, Japanese Journal of Applied Physics 62, SM1022 (2023).
- Hideaki Iwasawa, Kazuki Sumida, Shigeyuki Ishida, Patrick Le Fèvre, François Bertran, Yoshiyuki Yoshida, Hiroshi Eisaki, Andrés F. Santander-Syro, and Taichi Okuda, Exploring spin-polarization in Bi-based high-Tc cuprates, Scientific Reports 13, 13451 (2023).
解説記事
- Tetsuro Ueno and Hideaki Iwasawa, Measurement Informatics in Synchrotron Radiation X-ray Spectroscopy, Synchrotron Radiation News 35, 3 (2022).
- 山田拓洋, 鈴木雄太, 三俣千春, 小野寛太, 上野哲朗, 大林一平, 平岡裕章, 小嗣真人, パーシステントホモロジーを用いた迷路状磁区構造におけるトポロジカル欠陥の可視化, 表面と真空 62, 153 (2019).
- 上野哲朗, 日野英逸, 小野寛太, 機械学習によるX線スペクトル計測の効率化, 表面と真空 62, 147 (2019).
- 日野英逸, 田口優介, 上野哲朗, 小野寛太, 能動学習の基礎と材料工学への適用例, まてりあ 58, 7 (2019).
書籍
- 上野哲朗, 岩澤英明 (分担執筆), “機械学習によるスペクトル計測・解析の効率化・自動化”, 実験の自動化・自律化によるR&Dの効率化と運用方法 -AI、ロボット技術、ChatGPT、MI、ベイズ最適化、秘密計算など-, 技術情報協会 (2023).
- 上野哲朗, 小野寛太 (分担執筆), “適応型実験デザイン法によるX線スペクトル測定の効率化”, マテリアルズ・インフォマティクス開発事例最前線, エヌ・ティー・エス (2021).
装置
- 準備中
外部発表
- Hideaki Iwasawa, Spin- and angle-resolved photoemission spectroscopy on Bi-based high-temperature cuprate superconductors, Conference on Laser and Synchrotron Radiation Combination Experiment 2024 (LSC2024), Invited talk
外部資金
- 防衛装備庁 令和6年度安全保障技術研究推進制度 小規模研究課題(タイプC), 研究課題名:スピンオービトロニクスへ向けた高感度軌道流検出法の開発, 研究代表者:上野哲朗, 研究期間:2024年10月1日–2027年3月31日
- 科学技術振興機構 2023年度 戦略的創造研究推進事業(さきがけ), 研究領域:計測・解析プロセス革新のための基盤の構築(研究統括:田中功), 研究課題名:磁場印加スピン分解顕微光電子分光の開発, 研究代表者:岩澤英明, 研究期間:2023年10月1日~2027年3月31日
- 防衛装備庁 令和5年度安全保障技術研究推進制度 小規模研究課題(タイプC), 研究課題名:スピン偏極電子の磁場応答の可視化, 研究代表者:岩澤英明, 研究期間:2023年10月1日~2026年3月31日
- 科研費 基盤研究(C), 研究課題名:データ駆動型探索で迫る巨視的スピン模型のダイナミクス, 研究代表者:上野哲朗, 研究期間:2022年4月1日~2025年3月31日
その他研究資金
- QST令和5年度萌芽研究, クロスモーダル計測で探る液液相分離・相転移のメカニズム, 研究代表者:岩澤英明, 研究期間:2024年1月~
所在地
仙台拠点 〒980-8577 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究棟 (SRIS棟)
播磨拠点 〒679-5148 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター
(大型放射光施設SPring-8キャンパス内)
高崎拠点 〒370-1292 群馬県高崎市綿貫町1233
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 高崎量子技術基盤研究所 量子機能創製研究センター