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那珂研究所

JT-60SAプラズマ運転開始―フュージョンエネルギー早期実現への大きな一歩

掲載日:2023年12月27日更新
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令和5年12月1日、世界最大のトカマク※1型超伝導プラズマ実験装置JT-60SA※2の完成及びプラズマ運転の開始を記念する式典を開催しました。

JT-60SAは、フュージョンエネルギーの早期実用化を目指し、イーター計画※3と並行して日欧が共同建設した実験装置であり、令和5年5月より統合試験運転※4を再開した後、令和5年10月23日にトカマクプラズマを生成することに初めて成功しました。

式典には、盛山正仁文部科学大臣と高市早苗科学技術担当大臣、欧州連合(EU)欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)が出席され、JT-60制御棟中央制御室に用意されたボタンを押して放電シークエンスを開始し、式典出席者159名が別会場で見守る中、JT-60SAのトカマクプラズマ生成を確認しました。

JT-60SAトカマクプラズマの生成が成功したことにより、各構成機器が連動してJT-60SAがシステムとして機能することを実証し、フュージョンエネルギーの早期実現へ向けて大きな一歩を踏み出しました。

さらに、盛山大臣とカドリ・シムソン委員は、フュージョンエネルギーに関する共同声明に署名し、JT-60SA の高度化を支援するとともに、将来の人材育成に向けた取組みを強化していく意思を表明されました。

今後、JT-60SAで得られた知見をイーター及び将来の原型炉※5に積極的に活かすとともに、フュージョンエネルギーの早期実用化に向けた中核的な拠点となることを目指していきます。

 

中央制御室でプラズマ発生ボタンを押すカドリ・シムソン委員(左)、盛山正仁文部科学大臣(中央)、高市早苗科学技術担当大臣(右)
中央制御室でプラズマ発生ボタンを押すカドリ・シムソン委員(左)、盛山正仁文部科学大臣(中央)、高市早苗科学技術担当大臣(右)

 

関連動画(youtube)

初プラズマ(2023年10月23日 17:30) (youtube.com)

JT-60SA 運転開始記念式典 - YouTube

JT-60SA Inauguration Ceremony - YouTube

 

用語解説

※1…トカマク
高温プラズマを磁場により閉じ込める方式の一つ。外部コイルによって作られる主たる磁場である周方向のトロイダル磁場と、プラズマ中に周方向の電流を流すことにより作られる径方向のポロイダル磁場を組み合わせ、高温プラズマを閉じ込めます。イーターもトカマク型の装置です。

※2…JT-60SA(JT-60 Super Advanced)
幅広いアプローチ(BA)活動として日欧共同で実施するサテライト・トカマク計画と我が国で検討を進めてきたトカマク国内重点化装置計画の合同計画として、茨城県那珂市のQST施設に建設された、現時点では世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置となります。その目的は、イーターの技術目標達成のための支援研究、原型炉に向けたイーターの補完研究、人材育成です。JT-60SAは、約-269℃(絶対温度約4K)に冷却された強力な超伝導コイルを使用して1億度にも達するプラズマを閉じ込めます。
URL:https://www.qst.go.jp/site/jt60/5150.html (日本語)

※3…イーター(ITER)計画
日本、欧州、ロシア、米国、中国、韓国、インドの7極の国際協力の下、その建設・運転を通じてフュージョンエネルギーの科学的・技術的実現可能性を実証する計画であり、加熱システムによる入力エネルギーの10倍のフュージョンエネルギー(Q≧10)を得ることが目標です。現在、サイトがあるフランスのサン・ポール・レ・デュランスにおいて、プロジェクト実施のための国際機関であるイーター機構を中心に運転開始に向けた建屋の建設や機器の組立が行われるとともに、各極において担当する様々なイーター構成機器の製作が進められています。
URL:https://www.fusion.qst.go.jp/ITER/ (日本語)

※4…統合試験運転
JT-60SAの動作を確認するために行う一連の運転。具体的には、JT-60SAの真空排気から始まり、超伝導コイルの冷却と通電試験、その後実際にプラズマを発生させ、その制御も含めて、JT-60SA全体の動作を確認する一連の運転を指します。

※5…原型炉
原型炉とは、JT-60SAやイーターの成果に基づいて建設される次期装置であり、フュージョンエネルギーによる発電と経済性を実証する装置です。現在、世界各国で原型炉の概念設計が進められています。