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原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)で米倉義晴理事長が報告を行いました | 東日本大震災関連情報

掲載日:2024年3月27日更新
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平成23年7月13日
独立行政法人 放射線医学総合研究所

5月23~27日にオーストリア・ウィーンにあるウィーン国際センターで原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)第58 回会合が開催され、わが国からは放医研として米倉義晴理事長及び三枝新主任研究員を含むが7人が参加すると共に、原子力安全委員会から久住静代委員が特別招待講演者として出席しました。

UNSCEARは放射線のレベル、リスク、影響に関する最新の科学的情報と知見を加盟21ヶ国の専門家で時間をかけて検討し、国連総会に対して報告書を提出する役目を担っています。例年は加盟21ヶ国の代表ほか国際機関の関係者らおよそ100人が一同に会して議論を進めるのですが、今回は以下に紹介する「福島セッション」への注目度が高く140人が参加し、一部の方々は別室でモニターを見ながらの幕開けとなりました。

開催初日、開会総会の直後に、福島第一原子力発電所原子力災害に関する「福島セッション」が開催され、米倉理事長は今会合と次回会合の議長を務めるW.Weiss氏(ドイツ)と共同座長を務めました。原子力安全委員会の久住委員から事故の概要説明に引き続き、米倉理事長は放射線量のモニタリング結果をはじめとする影響について説明し、その後1時間余りにわたって多くの質疑応答がありました。

UNSCEARは、冷戦時代の大気圏内核実験による放射性物質による環境影響に対する危惧から1955年に設立されました。今回の原子力災害に対してもUNSCEAR加盟21ヶ国は大きな関心を寄せており、大震災の後、早い時期からUNSCEARによる報告書作成に取りかかる方針が示されました。今回の会合期間中も休憩時間などを利用して各国の科学者による打ち合わせ会合が繰り返され、そこで交わされた意見がさらに総会で検討されました。

最終的に4分野(データ収集、放射性核種の放出と拡散、ヒトとヒト以外における線量とリスク評価、作業者の被ばく線量と健康影響)についての専門家グループを立ち上げて検討を行い、来年の第59 回会合までに予備的なレポートを作成して、2年後の2013年にはより完成された報告書を提出することとなりました。

なお、米倉義晴理事長の発表資料は以下のとおりです。

UNSCEAR報告資料[PDFファイル/4.4MB]

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