放射線の科学的根拠に基づいた行政施策を行うためには、常に世界中の最新の科学的知見に目を通し、その真偽を検証し続け、ときに先人の足跡を遡り、必要とあれば新たな知見を自ら創り出すことが求められます。
放射線規制科学研究部では、放射線医科学分野に必要な科学的知見を得るための研究を行うのと同時に、得られた科学的知見を規制や行政施策に活かすための橋渡しとなる科学を包括的に行っています。
主な研究テーマ
- 社会からのニーズに応えて放射線被ばくに関する正確な情報を発信する
- 世界中の放射線医科学分野の研究情報を収集・分析し国内関係者に提供する
- 国内の放射線医科学分野の最新研究成果を国際的専門組織に提供する
- 医療における患者被ばくや職業被ばくを調査し必要な防護施策を検討する
- 放射線による影響把握やリスク低減に必要な調査・解析を実施する
- 被ばく後の除染や被ばく治療技術の高度化を進める
- 放射線障害の分子機構を解明し細胞・生体応答の制御法を開発する
組織
部長 盛武 敬
- リスク評価グループ(喜多村 紘子)
- 組織再生治療研究グループ(盛武 敬)
- 体内除染研究グループ(小西 輝昭)
- 障害分子機構解析研究グループ(松本 謙一郎)
※()はグループリーダー
関連リンク
医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)
医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)は、医療被ばく研究情報を収集・共有し、国際機関への対応を協議・実践していくためのハブとして活動すること目的として設立されました。
放射線規制科学研究部ではJ-RIMEの事務局を務めています。
J-RIME HP
https://j-rime.qst.go.jp/
参考資料
・日本の診断参考レベル(2020年版)英語版
National Diagnostic Reference Levels in Japan (2020) - Japan DRLs 2020-
・最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定 説明資料
J-RIME事務局 連絡先
E-mail: ml-j-rime-inquiry@qst.go.jp
放射線影響・放射線防護ナレッジベース(Sirabe)
東電福島第一原発事故対応を契機に、放射線の影響に対する社会的な関心が高まりました。当研究部は、人と環境に対する放射線の影響や科学的根拠に立脚した放射線防護体系に関する正確な情報を、国、地方自治体、市民、専門家等、様々なステークホルダーに提供する役割を担っています。その一環として、放射線の現行規制や管理に関する諸制度と国際的な放射線防護等に関する知見等の関係を包括的に収録した「放射線影響・放射線防護ナレッジベース」を構築しています。このナレッジベースはウェブベースシステムとして公開し、今後の放射線防護の基準の作成等に活用されることも視野に入れ、放射線に関する理解増進や安心醸成に役立てるよう内容を充実させていきます。
放射線影響・放射線防護ナレッジベース(Sirabe)HP
https://sirabe.nirs.qst.go.jp/sirabe/