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六ヶ所研究所

核融合エネルギー研究開発部門の権セロム博士研究員が第11回核融合エネルギー連合講演会にて若手優秀発表賞を受賞しました。

掲載日:2018年12月26日更新
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 7月14日、15日に九州大学伊都キャンパスで開催された第11回核融合エネルギー連合講演会にて、核融合エネルギー研究開発部門 六ヶ所核融合研究所 核融合炉材料研究開発部 核融合中性子源設計グループ 権セロム(博士研究員)が若手優秀発表賞を受賞しました。

核融合中性子源設計グループ 権セロム(博士研究員)の画像
核融合エネルギー研究開発部門 六ヶ所核融合研究所 核融合炉材料研究開発部
核融合中性子源設計グループ 権セロム(博士研究員)

連合講演会の趣旨と賞の解説:連合講演会HPより

 日本原子力学会、プラズマ・核融合学会との合同開催による核融合エネルギー連合講演会は核融合発電に向けて加速する研究開発成果の発表・議論と共に、核融合研究の拡がりについて広範な議論を展開する貴重な機会とし、多様な学協会や産業界との連携活動の場であるとともに、核融合エネルギーの研究開発に対する国民各位のご理解をより確かなものにする場として、2年ごとに開催され、今回11回目の開催となりました。本講演会では大変優秀な発表を行った若手(博士の学位取得後5年以内、学部卒業後10年以内もしくは、学生の方が対象)の方々に、本講演会でのポスター発表者の中から若手優秀発表賞を授与します。今回は六ヶ所核融合研究所から核融合中性子源設計グループの権セロム博士研究員が下記のタイトルで受賞いたしました。

発表内容と個人コメント

 発表件名:核融合DT中性子源FNSを用いた銅ベンチマーク実験
 銅は磁場閉じ込め式の核融合炉の超伝導コイルの巻き線やIFMIFのような加速器型中性子源等の有力候補材料であり、銅で構成される機器等の核設計解析は高い信頼性が要求されます。そのためには銅の核反応断面積等のデータ(核データ)の評価が必要になります。銅については過去のDT中性子実験によって核データが評価されましたが、銅捕獲反応に係わる反応において計算値が実験値を大幅に過小評価する結果となり、その原因についても特定が困難でした。
 今回、その原因の一つと考えられるバックグランド中性子(実験室等のコンクリートより散乱された成分の中性子)の影響に着目し、その影響を排除するため、銅体系の周りに酸化リチウムブロックを囲み新たに銅核データベンチマーク実験を実施し、詳細な検討を実施した結果20年以上解決できなかった過小評価傾向の改善とともに銅核データの問題を指摘し、断面積修正の手法を提案することで、核融合炉に関連する施設設計に重要な、核データライブラリーの精度を向上することに成功しました。

 この度は大変光栄に思っております。この賞を受賞するにあたって多くの関係者の方からのご指導、御助言に深く感謝いたします。この賞を励みに、今後も核融合炉の実用化がただの夢ではないと信じて幅広い視野を持つ研究者になるように精進して参ります。

参考サイト:
核融合エネルギー連合講演会HP