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六ヶ所フュージョンエネルギー研究所

国際核融合材料照射施設の工学設計・工学実証活動

掲載日:2022年2月14日更新
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加速器

 核融合エネルギーの実用化には、1億℃以上の超高温プラズマにおいて重水素と三重水素の核融合反応で生じる高エネルギー中性子のエネルギーを、効率よく電力に変換することが必要です。
超高温プラズマを閉じ込めるための容器表面や受熱部の材料は、プラズマから発生する熱や、これまでに人類が経験したことが無い高くて強いエネルギーの中性子照射環境下にさらされます。高いエネルギーの中性子が材料にぶつかると材料が壊れてしまいます。そのため、あらかじめ高いエネルギーの中性子をぶつけて壊れないことを調べておく必要があります。核融合炉を今後進めていくためには、加速器を使った中性子発生装置が重要となります。
​それが世界の国々が協力して、これまで考えてきました国際核融合材料照射施設・IFMIF(イフミフ)です。
2007年から日本と欧州が協力して核融合の早期実現のためのプロジェクト(幅広いアプローチBA活動)が始まりました。この中のプロジェクトの1つにイフミフの工学設計と実証試験の活動(IFMIF/EVEDA)があります。
量子科学技術研究開発機構はこのプロジェクトの日本側の実施機関として、イフミフの加速器部分のプロトタイプを六ヶ所核融合研究所に設置し、欧州と一緒に開発及び試験しています。

公式サイト : IFMIF/EVEDA(英語)

六ヶ所で進めるイフミフ加速器部分のプロトタイプ

国際協力として日本と欧州各国(フランス、イタリア、スペイン、ベルギー)が協力してイフミフの加速器部分を設計製作し、六ヶ所の核融合研究所に持ち込んで組み立て、試験をしています。全長36m。2014年に入射器において初ビームの引き出しを行い、2018年に高周波四重極加速器での初ビーム加速試験を行いました。すべて完成するのは2023年頃になる見込みです。その後、プロジェクトの目標である重陽子を用いた統合ビーム試験9MeV/125mA/連続運転を目指します。

 

六ヶ所で進めるイフミフ加速器部分の試作の画像1

遠隔実験の様子

欧州各国の研究者や技術者がプロジェクトに参加しています。
一部の欧州からのメンバーは統合チームとして長期滞在するとともに、
欧州からは新しく構築した遠隔データ転送システムを用いて遠隔実験参加しています。
現在は高周波四重極加速器(RFQ)での定常ビーム加速を目指した調整をしています。