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六ヶ所フュージョンエネルギー研究所

権 セロム 主任研究員が核融合エネルギーフォーラム第13回全体会合にて「吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞」を受賞いたしました

掲載日:2021年3月10日更新
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核融合炉材料研究開発部 核融合中性子源設計グループ 権セロム 主任研究員が、令和3年3月9日に開催された核融合エネルギーフォーラム第13回全体会合にて「吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞」(*)を受賞いたしました。

(*)ITERやBAなどに代表される核融合エネルギーの実現に寄与しうる国内外の研究・技術開発活動、調査活動、社会連携・貢献活動等の中で、若手人材による優れた成果を顕彰することを目的とした賞。2018年度より「吉川允二核融合エネルギー奨励賞」から「吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞」改称。

 

受賞件名

核融合炉核設計のための核データライブラリ検証研究

 

受賞内容

核融合DT中性子源FNSを用いた核データライブラリーの検証実験からの経験を生かし、QST/TIARAの遮蔽実験結果(40MeV及び65MeVの準単色中性子入射)を用いて、幅広い分野で使われている既存の核データライブラリENDF/B-VIIIb4及びTENDL-2017において20MeV以上の中性子入射に対する鉄等のデータに不備があることを明らかにし、これらのライブラリ改訂に貢献したものです。さらに、核融合炉用核データライブラリのFENDL-3.1dについては、鉄を含む全180核種中7割以上の核種で20MeV付近の残留核生成収率データに誤りがあり、DPAが過小評価されている問題を指摘し、その修正法を提案しました。

これらの成果は、日本が計画中の核融合中性子源A-FNSの設計への寄与が期待され、これらの研究成果と核データライブラリの検証に地道に取り組んできた姿勢が選考委員会で高く評価されました。

 

受賞者コメント

この度は名誉ある吉川允二記念核融合エネルギー奨励賞をいただき大変嬉しく思っております。たまたまですが、今回の授賞式の日が、私の誕生日でもあるので、すごく良いプレゼントをいただけたと思っております。この場をお借りして、これまで本研究を遂行できるように、ご支援ご指導していただいた方々にお礼を申し上げます。

私の認識が足りないだけかもしれませんが、特に核融合分野で、核データの精度検証に関わっている研究者の数は少ない気がします。もちろんそのような背景もあり、私はここ数年間、今回受賞対象でもある「中性子入射核データの検証」をほぼひどり舞台状態で行うことができました。今回の受賞でこれまでの成果が評価されて嬉しい反面、実はこれをきっかけに、このような研究に興味を持っていただける他の研究者とのつながりもほしいと思っている次第です。

現在、私は六ヶ所核融合研究所にて、核融合中性子源A-FNSの設計に関する研究開発を行っており、それをきっかけとして、今まで注目してきた「中性子入射核データ」から、少し視野を広げ「重陽子入射核データの検証」にも取り組んでいます。今後も引き続き、核融合炉の実現に貢献できるよう、地道に邁進してまいりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

権セロム 主任研究員

【受賞した権セロム 主任研究員】