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高崎量子技術基盤研究所

令和5年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)授与式

掲載日:2023年6月8日更新
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令和​5年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)授与式

 このたび、令和5年度文部科学大臣表彰科学技術賞という名誉ある賞を三井 隆也 上席研究員(関西光量子科学研究所)と境 誠司 上席研究員 (高崎量子応用研究所)が共同で受賞しました。これを祝して、5月30日に播磨地区にて、小安理事長から賞状と盾の授与式を執り行いました。

 文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)は、我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は発明を行った個人又はグループに対して、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的としたものです。

  播磨地区での集合写真

播磨地区での集合写真

左から前川所長(高崎量子応用研究所)、河内部門長(量子技術基盤研究部門)、三井上席研究員、小安理事長、境上席研究員、綿貫副所長(関西光量子科学研究所)、田中所長(関西光量子科学研究所)

一原子層毎の磁性探査法を用いた鉄表面の特異な磁性の研究

 本受賞は、大型放射光施設SPring-8のQST専用ビームラインBL11XUにおいて、独自開発した放射光核モノクロメーターの開発と本装置で高輝度放射光から発生させたFe-57同位体に核共鳴するneVバンド幅の超単色X線を用いた金属薄膜の一原子層別の磁気構造解析技術の開発及びそれを応用して行った、鉄の表面数層の領域に生じる磁気フリーデル振動の実証研究を評価していただいたものです。

磁気フリーデル振動の模式図
​磁気フリーデル振動の模式図

受賞のコメント

<三井上席研究員コメント>

 この成果は、QSTの関西光量子科学研究所播磨地区、高崎量子応用研究所や大学の共同研究者の方々の多大なるサポートがあって初めて実現できたものです。素晴らしい同僚に恵まれたことに心から感謝を申し上げます。また、この開発研究を進めるにあたって、QSTの理事長ファンドや未来ラボに参加できたことも受賞に至る大きな要因になったと思います。このような所内連携研究の機会を与えて頂けたことに心から感謝いたします。

 今回の受賞を励みに、放射光メスバウアー分光法の高度化と応用の更なる発展に向けての努力を続けていく所存ですので、皆様の変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

 

<境上席研究員コメント>

 今回の受賞は、QSTがその発足から一貫して推し進めてきた研究拠点間の連携強化の取り組みが結実したものといえると思います。高崎量子応用研究所の私達と三井上席はじめ関西光量子科学研究所のメンバーは、現在では常日頃から一体として活動しておりますが、QSTが発足した7年前にはこのようなことは思いも寄らないことでした。理事長はじめ、今日に至るQSTの発展にご尽力いただき、このような機会を与えてくださった多くの方に心から感謝いたします。今後もQST初の放射光メスバウアー分光技術のさらなる高度化と新たな研究成果の創出に努め、我が国の科学技術の発展に貢献したいと考えています。

 

関連リンク:
令和5年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 - 量子科学技術研究開発機構 (qst.go.jp)
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