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高崎量子技術基盤研究所

放射線の基本的な性質

掲載日:2023年5月18日更新
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放射線の種類

 放射線には、放射性同位元素から放出されるもの人工的に作られるものがあります。

放射性同位元素(放射性物質)から放出される放射線

  • α(アルファ)線 ヘリウムの原子核。電離作用が強く、物質中の飛程が短いので空気中で数cmで止まり、紙なら一枚で止まります。
  • β(ベータ)線 電子。α線よりは電離作用は弱い。
  • γ(ガンマ)線 原子核から放出される電磁波。透過力が強い。
  • 中性子線 陽子とともに原子核を構成している素粒子のひとつで電気的に中性の粒子。

 放射性物質・放射能・放射線の間には、電球とそれから出る光のような関係があります。

人工的に放射線発生装置を使用して作られる放射線の画像

人工的に放射線発生装置を使用して作られる放射線

  • X(エックス)線 金属元素の標的に電子を当てたときに放出される電磁波。
  • 電子線 電子加速器を用いて装置外に取り出した電子。
  • イオンビーム 加速器などを用いて装置外に取り出したイオン。

放射線の特性

放射線は、人間の五感では感じませんが、物質を透過したり散乱する性質があり、また透過・散乱の途中で持っているエネルギーをほかに与えて分子・原子などを励起したり、電離したりします。表に放射線の特性と利用例を示します。

  • 透過・散乱特性 X線撮影、結晶解析など
  • 励起・蛍光特性 アイソトープ電池、夜光塗料など
  • 電離作用 写真、放射線治療、品種改良など
  • 原子核反応 シリコン半導体製造、放射化分析など