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量子エネルギー研究分野

副理事ご挨拶

掲載日:2025年4月2日更新
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竹永副理事近影
​国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
副理事(量子エネルギー研究分野担当)
竹永 秀信

 

量子エネルギー研究分野では、那珂フュージョン科学技術研究所と六ヶ所フュージョンエネルギー研究所を中核研究所として、太陽でおきている核融合反応を地上で実現しエネルギーとして利用するための研究開発を行っています。フュージョンエネルギーは、二酸化炭素を排出しないことから地球環境に調和し、安全性にも優れ、枯渇することのない、未来を切り開く新しいエネルギーとして期待が高まっています。

フュージョンエネルギーをめぐる状況は、近年国内外で大きく変化しています。パブリックセクターとプライベートセクターがそれぞれの開発戦略を掲げつつ、連携・協力しながらフュージョンエネルギーの実現に向けた取り組みを加速して推進する体制への移行が急速に進むなど、現在新たな展開を迎えていると考えています。我が国では、2024年6月に閣議決定されました「統合イノベーション戦略2024」において「世界に先駆けた2030年代の発電実証の達成に向けて、必要な国の取り組みを含めた工程表を作成するなど、フュージョンエネルギーの早期実現を目指す。」と記載されました。また、2025年には、2023年4月に策定されました「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」の改定も予定されています。QSTでは、発電実証を行う原型炉計画の加速案として、ITERサイズの原型炉を想定し、発電実証フェーズ、燃料増殖実証フェーズ、定常運転実証フェーズと3つの段階的な開発フェーズを提案しています。そこでは、ITER建設を通して獲得した製作技術や知見・経験・ノウハウを最大限活用するとともに、JT-60SAでの高性能プラズマの開発成果及び先進的なブランケット・ダイバータの開発成果等を取り込んでいく必要があります。

那珂研と六ヶ所研を横断するように設置したフュージョンエネルギー推進戦略室を中心に戦略的な研究開発の方針を明確化し、J-Fusionをはじめとした産業界との連携強化を図りつつ、分野一体となってフュージョンエネルギーの早期実現に向けた取り組みを推進してまいります。

今後とも、皆様のご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。