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六ヶ所核融合研究所

核融合エネルギーフォーラム第10回全体会合にて吉川允二核融合エネルギー奨励賞を受賞しました。

掲載日:2018年12月26日更新
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核融合炉システム研究開発部 プラズマ理論シミュレーショングループビアワーゲ・アンドレアス(Bierwage Andreas)主幹研究員が、平成29年2月24日に開催された核融合エネルギーフォーラム第10回全体会合にて吉川允二核融合エネルギー奨励賞(※1)を受賞しました。

(※1) ITER計画や幅広いアプローチ(BA)活動などに代表される未来の核融合エネルギーの実現に寄与しうる内外の研究・技術開発や調査研究の中で、若手人材による優れた成果かつ優れた成果が見込まれる活動を顕彰することを目的とした賞

ビアワーゲ・アンドレアス(Bierwage Andreas)主幹研究員の画像
核融合エネルギー研究開発部門 六ヶ所核融合研究所
核融合炉システム研究開発部 プラズマ理論シミュレーショングループ
ビアワーゲ・アンドレアス(Bierwage Andreas)主幹研究員

受賞件名

高エネルギー粒子による波と不安定性の効果を考慮したJT-60SA高ベータ実験シナリオ開発

受賞内容

Bierwage氏は、高エネルギー粒子とバルクプラズマ中の波(アルフベン波など)との相互作用に焦点を当て、汎用コードと解析手法を開発し、成果を上げてきました。この相互作用は、α加熱がキーポイントであるITER燃焼プラズマにおいて本質的な役割を果たします。開発したコードや手法を用いてJT-60Uのプラズマをシミュレーションした結果、高速イオンが駆動するシアアルフベン不安定性がイオン音波と結合することを発見しました。

アルフベン波のエネルギーがイオン音波に変換されると、ランダウダンピングを通して、バルクイオンの加熱に寄与する可能性があり,核燃焼プラズマを維持する上で重要な役割を果たすと期待されます。この成果が本賞受賞につながりました。

ITERとDEMOの橋渡しの役割を演ずるJT-60SAは、強力なNBIによって高ベータプラズマ(ITER以上のβN)を数10秒間生成する予定であり、本研究計画においてはビームイオンのプラズマ平衡、MHD不安定性、アルフベン不安定性に及ぼす影響を予め詳細に調べることにしています。これらの課題について、国内外の共同研究を通して従来にない信頼性をもって解析し、JT-60SAのシナリオ5(高β平衡)と呼ばれる研究計画を充実させることが可能となります。JT-60SA高βプラズマの生成・解明に大いに期待をもたせる研究計画であり、選考委員全員から高い評価を受けました。

受賞者コメント

I am very honored to be awarded the 2016 Masaji Yoshikawa Prize for Fusion Energy. First of all, I would like to take this opportunity to thank my teachers, supervisors and collaborators to which I am highly indebted for their patient guidance and support over many years. Moreover, I would like to acknowledge everyone involved in administering the Fusion Forum and the Yoshikawa Prize for their efforts in fostering, encouraging and rewarding advances in fusion science. The success of the international and domestic fusion program, including ITER and JT-60SA, still depends critically on new breakthroughs in basic plasma science and technology. These may sprout unexpectedly any moment, just like the results for which I am receiving this award. Such discoveries require time for free thinking and creativity. I myself am very lucky to still have that freedom. But around me, I see much scientific potential buried under administrative duties. My hope for the near future is that all scientists will be allowed to spend more time with creative research and less time with administration. This should amplify our productivity and increase our chances to discover whatever is necessary to make controlled fusion power plants a reality.

この度は、吉川允二核融合エネルギー奨励賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に思っております。まず、先生方、上司の方々、共に研究に取り組んでいる研究者が長年に亘って辛抱強くご指導、ご支援下さったことに深く感謝申し上げます。また、核融合エネルギーフォーラム及び吉川賞の管理に携わっている皆様の、核融合科学進展の育成、奨励、報奨に向けたご尽力に感謝の意を表したいと思います。
 ITER、JT-60SAをはじめとする国内外の核融合計画の成功のためには基礎プラズマ科学技術における新しい躍進を必要とする問題がまだまだ沢山残っています。その着想は、予期せぬ時に浮かんでくるものです。この賞を頂くに至った着想も、予期せぬ時に湧いてきました。このような発見に必要なのは自由な発想のための時間と創造力です。私自身、まだそのような自由な時間を使うことができたことは大変幸運なことです。しかしながら自分の周りには雑務に忙殺されて、科学的潜在能力が発揮できていない場合が多いように感じます。
 近い将来、科学者の皆様が、雑務に使う時間が少なくなって創造的な研究により多くの時間を使えるようになって欲しいと願います。そうなれば、我々の想像力がさらに高まり、核融合炉の実現に必要な、どのような発見でも育むような環境を強化することになるでしょう。

参考サイト:
核融合エネルギーフォーラム

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