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高崎量子技術基盤研究所

ザオ ユエ上席研究員らの研究論文が Advances In Engineering のウェブサイトで紹介されました

掲載日:2021年12月6日更新
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ザオ ユエ上席研究員らが発表した論文 “Three-Component Domains in the Fully Hydrated Nafion Membrane Characterized by Partial Scattering Function Analysis” が、工学的に特に意義のある論文として選ばれ、Advances In Engineering (AIE) のウェブサイトにて紹介されました。
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燃料電池等に広く利用されているNafion®の構造は、これまで中性子小角散乱 (SANS)などの解析から、4 nm径のイオン伝導チャンネルの存在が提案されているのみで、高いイオン伝導性や機械特性を説明するサブnmから数百nmスケールの階層構造の明確な証拠は示されていませんでした。今回、軽水と重水の比率を変えたコントラスト変調SANS測定データを基に、Nafion膜中の各成分の部分散乱関数を解析することで、Nafionの結晶相と非晶相が完全に相分離するのではなく、不均一に分布する構造が65 nm以上のスケールで存在することを見出しました。さらに、相関長11 nmのNafion結晶/非晶領域と4 nmのイオン伝導チャンネルから成る2つの両連続相構造(bicontinuous構造)が形成することを明らかにしました。[Y. Zhao, et al., Macromolecules, 54, 4128-4135 (2021)]