2026年1月24日(土曜日)にベルサール八重洲にて次世代PET研究会2026を開催しました。研究会では、PET(陽電子断層撮像法)の高度化と普及に向けた研究開発における2025年の成果の概要を報告しました。また、特別講演として上智大学の藤浪 真紀 特任教授より、陽電子の性質や、それを利用した物質科学研究についてお話いただきました。最後のパネル討論では、核医学専門医の立場から京都大学の中本 裕士 教授に、医療機器メーカーの立場からキャノンメディカルシステム(株)の瀧口 登志夫 代表取締役社長に、行政・政策に関わられた立場から(株)AZE NEXTの畦元 将吾 代表取締役社長(元 衆議院議員、元 厚生労働大臣政務官)に登壇いただき、それぞれの視点からPETの高度化、普及には、AIのような関連技術の導入や、RI治療の普及および、それを進める体制整備が必要であるなどのご意見をいただきました。
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研究成果報告会場 |
特別講演 |
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パネル討論 |
ポスター発表 |
QSTの研究成果報告 概要
量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部 イメージング物理研究グループ 山谷 泰賀 グループリーダーからトピックスとして、株式会社アトックスと製品化した頭部専用PET装置Vrain TMを用いて実施中の臨床試験や、さらなる高度化に向けた研究開発について紹介しました。臨床試験については、認知機能低下の自覚がある軽度認知障害(MCI)が疑われる方を対象に、Vrain TMと、QSTに設置されている最先端の市販装置でアミロイドPETを行った事例を紹介しました。その事例では、厚さわずか数mmの大脳皮質におけるPET薬剤の集積を捉えたVrain TMではアミロイドβ蓄積が陽性判定となったのに対し、市販装置ではアミロイドβの蓄積が陰性判定という結果でした。この結果から、さらなる高分解能化はアミロイドβ蓄積の早期判別に有用と考え、体積でいうと10倍細かく見られる新たな検出器を開発し、それを搭載した頭部専用PET装置のプロトタイプを作製したことを報告しました。
ポスター発表では、次世代の医療技術として研究開発している全ガンマ線イメージング(WGI)の最新試作機を用いた二核種同時撮像試験や、神経変性疾患に関する創薬研究での活用に向けて空間分解能をさらに高めたマウス脳専用PET、外科治療で術中リンパ節転移診断をするための鉗子型装置などの開発状況について、それぞれを担当する研究員が報告しました。
