令和2年度(2020年度)にJFRS-1を利用するプロジェクト枠として採択された研究課題を対象として厳正な評価を行い、以下の研究課題の成果に核融合大型計算機利用研究優秀賞を授与することを決定しました。
Electromagnetic gyrokinetic numerical experiment of tokamak
- 研究代表者 石澤 明宏
- 研究協力者 中村 祐司、岸本 泰明、今寺 賢志
(選考理由)
本研究課題は、炉心プラズマ全体を取り扱う大域的な電磁的ジャイロ運動論コードを開発し、燃焼プラズマで重要と考えられる高エネルギー粒子駆動MHD不安定性と微視的乱流との間の相互作用や、反転磁気シアプラズマにおける電磁的不安定性の非線形飽和機構を明らかにするなど顕著な成果を上げている。研究成果は第28回IAEA核融合エネルギー会議の口頭発表に選ばれ国際的なインパクトも大きく優秀賞の授与対象にふさわしいと考えられる。
Gyro- & drift-kinetic simulations for multi-species plasma transport in tokamak and helical plasmas
- 研究代表者 沼波 政倫
- 研究協力者 佐竹 真介、藤田 慶二、松岡 清吉、仲田 資季、中山 智成
(選考理由)
本研究課題は、様々な運動論シミュレーションを行い、不純物を含む多成分プラズマの輸送特性とその物理機構の理解を目指したものである。大域的な新古典輸送シミュレーションによりLHD実験で観測された不純物ホールの形成メカニズム解明に近づく成果を上げた他、複数粒子種プラズマの乱流輸送シミュレーションのためのモデル衝突項の実装と検証、データ科学に基づく乱流輸送モデルの構築などでも進展が見られ評価に値する。
写真右より、中山 智成(研究協力者)、藤田 慶二(研究協力者)、沼波 政倫(研究代表者)、佐竹 真介(研究協力者)、仲田 資季(研究協力者)、松岡 清吉(左上)(研究協力者)