2021年11月22日-25日にオンライン開催で行われた第38回プラズマ・核融合学会年会にて若手学会発表賞を、六ヶ所研究所核融合炉システム研究開発部核融合炉システム研究グループの陳偉熙研究員が下記のタイトルで受賞しました。
受賞件名
核融合原型炉における保護リミタによるブランケット表面熱負荷の低減効果
受賞内容
本研究は核融合原型炉においてブランケットを過大な熱負荷から守るための保護リミタを提案するものである。定常運転時に磁力線に沿って第一壁のブランケットへと移動する荷電粒子は、ブランケットの除熱能力以上の熱エネルギーを与えてしまうため、これを遮蔽するために磁力線の軌跡の上流に保護リミタを設けた。保護リミタのプラズマ対向面には除熱性能に優れたタングステンモノブロック構造を適用し、これの除熱能力に対応可能な保護リミタの表面形状と占有面積(保護リミタの増設によって三重水素増殖能力が減少する)を鑑みた設計デザインウィンドウを取得した。本発表はプラズマ・核融合学会が関与する学術分野の発展に貢献する優秀な発表として評価され、若手学会発表賞を受賞した。
受賞者コメント
この度、プラズマ・核融合学会の若手学会発表賞を受賞できたことはとても光栄で嬉しく感じております。今回の学会発表に至るまでは、共著者の皆さんから様々な助言と協力をいただいたおかげであり、この場を借りてお礼を申し上げます。また、今回の発表の質疑応答の時間で多くの先生方からコメントをいただいたことは、自らにこの研究課題の重要さを再認識させることができたとともに大きな励みとなりました。原型炉における保護リミタの設計はまだ始まったばかりであり、これからプラズマのディスラプションなどの過渡変化にも耐えられるように設計を考えていく必要がありますが、今後も引き続き全力で取り組んで行く所存です。
【若手学会発表賞を受賞した 陳 偉熙 研究員】