2023年11月27日-30日にアイーナ・いわて県民情報交流センター(盛岡市)で行われた第40回プラズマ・核融合学会年会にて若手学会発表賞(学生会員部門)を、京都大学大学院エネルギー科学研究科博士後期課程1年の奥田修平さんが下記の件名で受賞しました。本研究は六ヶ所研究所核融合炉システム研究開発部プラズマ理論シミュレーショングループとのオンサイトラボ共同研究の成果に基づくものです。
受賞件名
トカマク周辺プラズマを対象とした大域的ジャイロ運動論コードの開発
受賞内容
本研究は国内では初となるトカマク周辺プラズマを対象とした大域的ジャイロ運動論コードGKNET-Xの開発状況を報告するものである。このコードには沿磁力線座標系を用いることで、周辺領域の高ポロイダルモード数の不安定性を効率よく解像することに成功した。さらに、GKNET-Xによるイオン温度勾配不安定性の線形計算では、コア領域に駆動源がある場合では従来のコア領域のみが対象のコードと結果が一致し、周辺領域に駆動源があるケースではコア領域とSOL領域に跨るような不安定性の構造が見られた。これらのことからGKNET-Xの正当性が検証されたと結論付けた。本発表は原型炉設計に向けた重要課題への適用が期待され、若手学会発表賞(学生会員部門)を受賞した。
受賞者コメント
この度は、輝かしい賞を頂戴し光栄に思います。ご指導いただいた共著者の皆様には心より感謝申し上げます。学会での発表の時点でコードはまだ開発段階であり、ようやく基本的なシミュレーションができるようになったところでしたが、ポスター発表を聞きに来られた方からはコードが完成したらどのような研究ができるかなどの期待や応援のコメントを頂きました。それに応えられるよう、今後も研究に尽力します。
【若手学会発表賞(学生会員部門)を受賞した 奥田修平さん(京都大学)】