(1)実験運転の組織
JT−60の実験運転は、設備を管理している核融合装置試験部及び炉心プラズマ研究部の両部10課室の横断的組織である実験運転チームを編成して実施する。図−1に実験運転チームの構成を示す。
- 実験運転責任者は、実験及び運転に関して現場を総括する。
- 当直長は、JT−60施設の運転のとりまとめを行う。
- 実験主任は、JT−60実験のとりまとめを行う。
- JT−60班は、本体設備、電源設備、制御設備の運転を実施する。
- NBI班は、中性粒子入射装置の運転を実施する。
- RF班は、高周波加熱装置の運転を実施する。
- 計測班は、計測装置及びデータ処理設備の運転を実施する。
- 実験チームは、装置の運転状況を勘案して、実験条件の作成、実験データの確認などを行う。
図−1 実験運転チームの構成
(2)実験運転の形態
実験運転は、月曜日をサイクル点検日とし火曜日から金曜日まで運転することを基本パターンとし、4週間1サイクルを基本としている。1日の運転は、図−2に示すように、早番が8時00分〜12時35分、遅番が12時30分〜18時30分の勤務で行う。実験運転チームは週単位で交代し、2班による時差勤務で実験運転を実施する。
図−2 JT−60の運転形態
(3)実験運転の進め方
実験運転の計画から実施までは図−3に示す手順で行われる。
- 基本計画
年間の実験運転計画・保守計画・開発整備計画を立案し、調整会議において議論・決定する - テーマ実験計画
基本計画をもとに、個々の実験テーマの進め方、スケジュールなどを立案し、テーマ班会議において議論・決定する。 - サイクル実験計画
テーマ実験計画をもとに、サイクル実験計画を立案し、実験部会において議論・決定する。 - サイクル運転計画
サイクル実験計画に基づき、JT−60施設の運転計画を立案し、運転部会において議論・決定する。 - 実験運転の実施
サイクル実験計画、サイクル運転計画に基づいて、実験運転チームにより実験運転を実施する。 - 実施結果のフィードバック
実験及び運転の実施結果は、テーマ班会議、実験部会、運転部会に報告され、実験及び運転へ適宜フィードバックする。
図−3 実験運転の進め方
(4)安全の確保
JT−60施設は、装置機器の運転保守管理を核融合装置試験部及び炉心プラズマ研究部の両部10課室にて実施している。JT−60施設へ電力を供給している中央変電所は別組織での管理となっている。JT−60での実験運転や設備機器の調整運転は多種多様であり、運転保守における安全の確保が重要である。図−4に示すような各種の要領を制定して、安全確保には万全を期している。
図−4 適用法令とJT−60施設関連要領との関係