IFERC-CSCスーパーコンピュータシステムの公募案内(2025年度)
1. 概要
量子科学技術研究開発機構(以下「QST」という。)六ヶ所フュージョンエネルギー研究所にある国際核融合エネルギー研究センター(International Fusion Energy Research Centre : IFERC)の計算機シミュレーションセンター(Computational Simulation Centre: CSC)では、ITER、BA事業(JT-60SA、IFMIF/EVEDA、IFERC)、原型炉、中性子源開発などのフュージョンエネルギーに関する研究開発を効率的に推進することを目的として、平成30(2018)年6月からスーパーコンピュータシステムJapan Fusion Reactor Simulator 1(JFRS-1、愛称:六ちゃん-II)を運用しています。JFRS-1は令和7年3月で運用を終了し、令和7年7月から大学共同利用機関法人自然科学研究機構核融合科学研究所(以下「核融合研」という。)と共同で導入する新システムの運用を開始する予定です。
新システムの主要性能は以下のとおりです。
総理論演算性能:40.4 PFLOPS
- サブシステムA(CPUノード)
- 理論演算性能:5.89PF
- 総主記憶容量:270TiB
- サブシステムB(APUノード)
- 理論演算性能:34.32PF
- 総主記憶容量:35TiB
- サブシステムC(大容量メモリCPUノード)
- 理論演算性能:0.17PF
- 総主記憶容量:72TiB
外部記憶装置:40 PB(HDD)、2.2PB(SSD)
(詳細は「3.新システムの主要性能」を参照)
本公募では2025年度に新システムを利用する研究課題を募集します。研究課題の評価及びそれに基づく計算機資源の配分は、QSTの核融合大型計算機検討・利用委員会が行います。(各サブシステムの利用枠はQSTと核融合研で等分します。核融合研の利用枠の配分等は核融合研が決定します。)
2. 応募対象となる研究分野及び応募資格
2-1. 対象とする研究課題
ITER、BA事業(JT-60SA、IFMIF/EVEDA、IFERC)、原型炉開発のためのアクションプランの推進など、日本における核融合原型炉の研究・開発に貢献する研究課題を計算機資源の配分対象とします。
2-2. 計算機利用期間
2025年7月~2026年3月
2-3. 応募資格
(1) 研究代表者
- 日本国内の大学、研究機関等の組織に所属し、所属組織から当該研究課題への参加の承認を得ることができる研究者が研究代表者となる資格を持ちます。
- 研究代表者が所属する組織のIFERC-CSCスーパーコンピュータシステムの利用に対する適格性は、QSTが審査、承認を行います。
- 研究代表者は、当該研究課題を提案し、その研究課題の遂行に対して責任を負うとともに、研究代表者本人及び研究チーム員の規則、法令等の遵守に対して責任を負います。
(2) 研究チーム員
- 日本国内の大学、研究機関、企業等の組織に所属し、所属組織から当該研究課題への参加の承認を得ることができる研究者、学生(大学生、大学院生等)、技術者が研究チーム員となる資格を持ちます。
- 研究チーム員が所属する組織のIFERC-CSCスーパーコンピュータシステムの利用に対する適格性は、QSTが審査、承認を行います。
- 研究チーム員は、研究代表者が提案する研究課題に参加し、その課題を遂行するためにIFERC-CSCスーパーコンピュータシステムを利用することができます。
(3) 上記(1),(2)に該当する研究代表者、研究チーム員であっても、以下のような場合は応募、利用を原則として認めません。また、以下の項目に関しては、QSTの決定により改定、追加されることがあります。
- 日本における法令、規則に反する場合
- 営利目的の利用と見なされる場合(別途、知的財産に関する協議を行い利用の可否を決定します)
計算機資源配分後であっても、上記の項目に反する事が判明した場合は、即刻、利用資格を停止します。その場合、関連する研究課題全体の利用資格を停止する場合があります。
3.新システムの主要性能
大規模並列演算部
サブシステムA(360ノード)
1ノード:Intel Xeon 6980P (2.0GHz, 128コア) × 2
(16.384 TFLOPS/ノード)
メモリ 768GiB
サブシステムB(70ノード)
1ノード:AMD MI300A × 4
(490.4 TFLOPS/ノード)
メモリ 512GiB(HBM3 128GiB/APU)
サブシステムC(48ノード)
1ノード:Intel Xeon Gold 6544Y (3.6GHz, 16コア) × 2
(3.6864 TFLOPS/ノード)
メモリ1536GiB
フロントシステム部(4ノード)
1ノード:Intel Xeon 6980P (2.0GHz, 128コア)× 2
(16.384 TFLOPS/ノード)
メモリ 768GiB
データ処理サーバ部(12ノード)
1ノード:Intel Xeon 6980P(2.0GHz, 128コア) × 2
(16.384 TFLOPS/ノード)
メモリ 2304GiB
NVIDIA L4 × 4 、121.2TFLOPS/ノード(※FP32性能)
(参考)JFRS-1の大規模並列演算部
1ノード:Intel Xeon Gold 6148 (2.4GHz, 20コア) × 2
(3.072 TFLOPS/ノード)
メモリ 192GiB
4. 応募枠の種類
応募枠には、以下の2種類があります。
プロジェクト枠 |
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一般利用枠 |
|
*)新システム運用開始当初の2025年7月~9月は各課題に計算資源の制約を課さない試用期間とする予定です。
**)利用状況により、追加募集、計算時間の追加などを実施する可能性があります。
5. 研究課題の評価・採択
プロジェクト枠で募集した研究課題は、QSTの委員会の一つである核融合大型計算機検討・利用委員会により、下記の採択基準に基づいて評価され、研究課題の採択及び計算資源の配分が決定されます。一般利用枠に関しては、下記の採択基準に合致する研究課題に対して、一律に規定された計算資源を配布します。
研究課題の採択において、以下の6項目を評価項目とします。
(各項目に関して加点方式で評価)
- ITER計画の遂行及びITER計画を加速する研究・開発への貢献
- BA事業(JT-60SA、IFMIF/EVEDA、IFERC)、核融合原型炉開発のためのアクションプランの推進に対する貢献
(アクションプラン https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/074/houkoku/1412800.htm) - 核融合原型炉研究・開発に資する学術的成果の創出
- 核融合原型炉研究・開発を効率的に推進するための計算科学的研究・技術開発への貢献
- 核融合原型炉研究・開発のための若手及び新規人材の育成、他分野との連携への貢献
- 継続課題の場合、前年度に割り当てられた計算資源の利用状況
注意:JT-60装置などQST施設の実験データ等(JT-60SAのプラズマ平衡等のデータも含む)を利用した研究課題を提案された場合、その研究課題が採択されても実験データ等の利用を許可するものではなく、あくまでIFERC-CSCの計算機の利用が許可されるだけですのでご注意ください。実験データ等の利用を希望される場合は、そのデータを管理する組織に別途お問い合わせ下さい。
6. 応募フォーム
7. 応募締切及び申込先
締切:令和7年1月31日(金)正午(プロジェクト枠)
※一般利用枠はこれ以降も随時受付
申込先:iferccsc@qst.go.jp
※本公募に関する質問等は申込先メールアドレスに送付願います。
8.利用報告
資源配分を受けた研究代表者には、研究課題の成果を取りまとめ、報告書の提出をお願いします。
英文での報告や成果のアピールのための素材提供をお願いする場合もあります。その際にはご協力をお願いします。
9.成果の発表に関して
本スーパーコンピュータシステムを利用した研究成果の発表に際しては、謝辞、acknowledgements等において、本スーパーコンピュータシステムを利用した成果である事を示してください。また、発表スライド等の資料には、関連個所にIFERC-CSCのロゴを入れてください。
(謝辞の例)
This work was carried out using the supercomputer system at Computational Simulation Centre of International Fusion Energy Research Centre (IFERC-CSC) in QST Rokkasho Institute for Fusion Energy (Aomori, Japan).
10.核融合大型計算機利用研究優秀賞
プロジェクト枠の研究課題の中でアクションプラン推進に対する貢献、ITER計画への貢献等について評価の高い課題を核融合大型計算機利用研究優秀賞として選定する予定です。