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先進プラズマ研究開発

第35回プラズマ・核融合学会年会 若手学会発表賞 若月琢馬

掲載日:2019年1月16日更新
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核融合エネルギー研究開発部門の若月 琢馬研究員が 第35回プラズマ・核融合学会年会にて若手学会発表賞を受賞しました

 2018年12月3日から12月6日まで大阪大学コンベンションセンターで開催された第35回プラズマ・核融合学会年会にて、核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部 先進プラズマ実験グループ 若月 琢馬 (研究員) が若手学会発表賞を受賞しました。

核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部 先進プラズマ実験グループ 若月 琢馬(研究員)
核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部
先進プラズマ実験グループ 若月 琢馬(研究員)(右から2番目)

( 発表内容と個人コメント )

発表件名:強化学習を用いたプラズマ温度分布制御のJT-60U実験データを用いた検証

 定常運転を行うトカマク型核融合原型炉を実現するためには、内部輸送障壁(ITB)の形成を通じてプラズマ電流の大部分を自発電流で駆動する方式が有望ですが、ITBを持つプラズマでは局所的な圧力勾配が強くなりすぎてMHD不安定性を生じることがあるため、圧力勾配を制御する必要があります。プラズマの圧力はプラズマの温度と密度の積として表わされます。そこで、プラズマのイオン温度勾配を中性粒子ビーム入射(NBI)により制御するシステムを構築しました。ITBを持つプラズマではイオン温度の応答特性が実験条件のわずかな変化によって大きく異なったものになってしまう上に、実験で現れる応答特性を事前に完全に予測することは困難であるため、制御システムの設計が困難です。しかし、強化学習を用いたシステムでは、あらかじめ多様な応答特性を与えて学習させることで、各時刻におけるイオン温度の応答特性を推定し、その特性に適応した制御を行うことができるようになります。その結果、学習時に与えたプラズマが持つ応答特性に対してだけでなく、JT-60U実験で観測されたプラズマが持つ応答特性に対しても適切な制御が行えることを検証しました。本研究により、強化学習を用いて事前に多様な応答特性に対して学習を行うことで、実験で現れる様々な応答特性に適応してイオン温度勾配制御が行える可能性があることを示しました。

 この度は若手学会発表賞を受賞することができ、大変光栄です。本研究についてご指導やご意見を頂戴した皆様のおかげで、このような受賞の機会を頂くことができました。深く感謝いたします。今回の受賞を励みに、より一層研究に精進していきたいと存じます。

参考サイト:
第35回プラズマ・核融合学会年会

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