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先進プラズマ研究開発

第45回ヨーロッパ物理学会プラズマ物理に関する国際会議 PPCF Dendy Europe-Asia Pacific Prize 浦野創

掲載日:2018年12月26日更新
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核融合エネルギー研究開発部門の浦野創上席研究員が第45回ヨーロッパ物理学会プラズマ物理に関する国際会議にてPPCF Dendy Europe-Asia Pacific Prizeを共同受賞しました

 2018年7月2日から6日にプラハで開催された第45回ヨーロッパ物理学会プラズマ物理に関する国際会議にて、核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部 先進プラズマ統合解析グループ 浦野 創(上席研究員)がPPCF Dendy Europe-Asia Pacific PrizeをC. Maggi(英国カラム核融合研究センター)、O. Kwon(韓国大邱大学)、S. Saarelma(英国カラム核融合研究センター)と共同受賞しました。

PPCF Dendy Europe-Asia Pacific Prize受賞、浦野創
核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所 先進プラズマ研究部 先進プラズマ統合解析グループ
浦野 創(上席研究員)(左から2番目)

( 業績内容と個人コメント )

 トカマク型核融合実験装置である、量研のJT-60装置及び英国カラム核融合研究センターのJET装置を用いた共同研究において、有限個のトロイダル磁場コイルによって発生する磁場リップルと呼ばれる3次元磁場構造が高エネルギー閉じ込めモードにおける境界輸送障壁(プラズマ境界で、エネルギーの流出を防ぐ壁のような領域)の構造に及ぼす影響を解明しました。JT-60装置では強磁性体であるフェライト鋼を導入することで磁場リップルを低減し、一方JET装置では各トロイダル磁場コイルに流れる電流値を変化させることで磁場リップルを増減させる実験を実施しました。その結果、磁場リップルが増加すると、境界輸送障壁部のプラズマ回転をプラズマ電流と反対方向に回すトルクが増加するとともに、境界輸送障壁部の圧力が低下することを明らかにしました。また本共同研究では、現在多くのトカマク装置において境界輸送障壁の幅は周辺プラズマの規格化圧力の平方根に比例することが知られていますが、異なるプラズマ断面形状を有するJT-60装置とJET装置の実験結果の比較から、この比例定数はプラズマ断面形状によって変化することも明らかにしました。

 私は英国カラム核融合研究センターと10年以上にわたって、高閉じ込めモードにおける境界輸送障壁の構造とその物理に関する国際共同研究を継続してきました。この共同研究によって、上述のように単一の装置での実験では容易に示すことができなかった境界輸送障壁の構造とその物理解明に貢献することができました。この成果をPPCF Dendy Europe-Asia Pacific Prizeの受賞という形で評価されたことを大変光栄に思います。今回の受賞を励みに、引き続きクオリティーの高い国際的な共同研究を継続していきたいと存じます。

参考サイト:
PPCF Dendy Europe-Asia Pacific Award

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