長パルス化改造
JT-60Uの放電時間の延長に対応して、正イオンNBIのうち接戦入射用4ユニット及び負イオンNBI装置の電源系・制御系・ビームライン系・イオン源を部分改造し、入射パルス幅の延長を図った。パルス幅延長運転では、ビームリミタの熱負荷増大や入射ポート部の再電離損失を監視しながら、徐々にパルスを伸長し、最終的にJT-60Uプラズマへ負イオンNBIは19秒、正イオンNBIについては30秒の入射に成功した。
イオン源の改良
JT-60U用負イオン源は、重水素又は水素プラズマから負イオンのみを加速してビームとして引き出すもので、セシウム添加型体積生成方式の負イオン生成部、電子を分離し負イオンのみを引き出す引出部、引出部からの負イオンを最終的エネルギーの500keVまで加速する加速部からなる。長パルス化に伴い、入射時の加速部電極(接地電極)の熱負荷軽減を目的に以下の改造を行った。
ビームリミタの改良
接地目的:NBIポート内壁の保護。内側からの脱ガスによるビーム閉塞防止
冷却方法:JT-60Uとの間に仕切板が無いため、強制冷却のリスクを回避し、慣性冷却
10秒運転時の入射結果から、30秒入射を想定した計算を行ったところ
700〜750℃に上昇 → Moの変態点(726℃)