サマリー表2
発表者 | 題目 | ユニークな点 | 対象とするプラズマ | 空間スケール | 時間スケール | 駆動力 | 安定化機構・制御法 |
アプローチ法 |
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1 | 砂原 | レーザー核融合における流体不安定性 | 流体に電子熱伝導、輻射輸送等のエネルギー輸送が結合している。電子熱伝導は運動論的に評価する必要がある。 | レーザー核融合プラズマ(比較的高密度)電子密度で10e21~10e25(cm-3)程度 | µmスケール~ 1mm | ps~ns | レーザー吸収によるアブレーション圧力、PdVwork. | レーザーの高精度均一化 X線先行加熱による擾乱成分抑制(擾乱の種の抑制)比較的高エネルギーの電子による先行加熱による密度、温度分布制御(成長率制御)超高強度レーザーによる追加熱[高速点火] (流体不安定性の影響を回避する) | 流体+エネルギー輸送、電子運動論に基づく数値シミュレーション。 しかし、どちらかといえば、実験が先行している状況ではある。実験とシミュレーション、理論との比較の中から、何がどうなっているかを探っている状態 |
2 | 井、小野 | トーラスプラズマ合体実験による磁気リコネクション現象の解明 | トーラスプラズマの軸対称合体という手法により、単一のXポイントを持つ磁気リコネクション現象を、自律的に、かつ高い磁気レイノルズ数のもとで再現出来る点。 | 無衝突磁化プラズマ全般(核融合から天体まで) | イオンのラーマー半径/無衝突スキン長の1~数倍 (数cm) | 古典抵抗による拡散時間より1桁小さい時間スケール (数µs) | [磁気リコネクション一般としては]各種不安定性や外部駆動力による磁場構造の変化や揺動 [高速リコネクション機構のトリガは]粒子運動効果による異常抵抗 | 粒子運動効果の抑制?具体的には未検討 | 二次元磁気プローブアレイ(最小間隔1.5cm)による詳細な磁場分布の計測 |
3 | 福本 | JFT-2Mにおけるコンパクトトロイド入射研究 | コンパクトトロイド(CT)入射によるプラズマ中心領域への燃料補給と密度分布制御 | スフェロマック型CT 入射対象としては、トカマクプラズマ、ヘリカルプラズマ(現時点では、JFT-2MとLHD) | ~1m(JFT-2MにおけるCTのポロイダル断面のみの動きを考えた場合) | ~数ms | CTの加速機構==>ガン放電によるJ×Bのローレンツ力CT入射後にトカマクプラズマで生じる現象==>研究中 | CT入射後におこるディスラプションに関しては研究中 | アプローチ:CT入射装置(改良型磁化同軸プラズマガン)によるCT入射 測定法:干渉計による密度測定、軟X線によるCT入射•貫通位置、その他の観測等 |
4 | 鈴木 | コンパクトトーラス入射による炉心プラズマへの燃料供給の3次元シミュレーション研究 | コンパクトトーラス(CT)入射による燃料供給に対してMHDシミュレーションの立場からその可能性の示唆を試みている点。 | スフェロマック型CT 核融合プラズマ | トーラス内部の入射領域近傍(~1m) | 数µs | コンパクトトーラス入射 | 数値解析(MHD) | |
5 | 諫山 | JT-60U高性能放電におけるMHD不安定性 | [定常高ベータ放電の抵抗性不安定性] ブートストラップ電流により引き起こされる点。 [負磁気シア放電の不安定性] 電流分布がこれまで長年行ってきた正磁気シアプラズマと異なる点。JT-60Uの磁気シアプラズマで特有な点としては内部輸送障壁(ITB)のできる半径が大きい点。 | トカマクプラズマ | 磁気島やITBの構造を考えれば1cmのオーダー グローバルモードの場合は1mのオーダー | 定常高ベータ放電の抵抗性不安定性:成長時間は100ms~1sのオーダー(モードそのものは1~10kHzのオーダー)負磁気シア放電の不安定性:(発表した範囲では)1µs~100µsのオーダー | 定常高ベータ放電の抵抗性不安定性:ブートストラップ電流 負磁気シア放電の不安定性:(発表した範囲では)圧力勾配 | 定常高ベータ放電の抵抗性不安定性:電子サイクロトロン電流駆(ECCD)などによる安定化負磁気シア放電の不安定性:NB、LH、ECHなどによるITBの制御 | 測定:磁気プローブ、ECEなどによる高時間分解能測定+MSE(Motional Stark Effect)による電流分布の変化の測定 モデル:負磁気シアプラズマの理想MHD安定性限界。定常高ベータプラズマの抵抗性不安定性は新古典テアリングモード |
6 | 井戸村 | 負磁気シア配位におけるITGモード | ジャイロ運動論に基づき、従来の解析法では取扱が難しい急峻な密度・温度勾配のある負磁気シアー配位におけるIon Temperature Gradient(ITG)モードの線形グローバル解析を高次の有限ラーマー半径(FLR)効果等の運動論的効果を完全に含めて行なった。 | 高温無衝突プラズマ 負磁気シアトカマク | イオンラーマー半径(数mm)~ 密度・温度勾配のスケール長(数cm~数10cm) 計算を行っている空間スケール(1mm~15cm) | 反磁性ドリフト周波数程度 (~数100kHz) | イオン温度勾配 | 1.ペレット入射等による密度勾配の変化に伴うη_i(=dlnTi/dlnni)のコントロール。 2.シアーポロイダル流等の非線形効果が安定化に対して重要と思われるが、シアー流の生成機構等については線形解析の範疇を超えており、 今後の非線形シミュレーションによる解析が必要。 | ジャイロ運動論、解析的計算、数値計算(非線形シミュレーション) |
7 | 古川 | インターチェンジ不安定性の磁気シア分布と圧力分布に対する依存性 | 理解が進んでおり、安定化が実現されつつある理想MHDモードの次のステップとして抵抗性モードについて議論している点。 | 負磁気シアトカマクプラズマの負磁気シア領域 | 有理面近傍の狭い領域 JT-60Uのオーダーと考えた場合、1cmのオーダー | JT-60Uのオーダーと考えた場合、100µsのオーダー | 圧力勾配 | 安全係数分布の制御によるPfirsch-Schluter電流の低減 | 数値計算MHDの範囲内で圧力勾配駆動型の(局所)線形安定性の評価 |
8 | 龍野 | 低シアーステラレータにおける圧力駆動型MHD不安定性の特性 | 非共鳴的性質を示す理想モードについて、簡単な配位ではあるが、様々な平衡に対して詳しい議論を行ったこと。 | 低シアステラレータにおけるMHDプラズマ | 装置全領域(10~ 数10cm) | アルフベン時間(~数10µs) | 圧力勾配 | 有理面での圧力勾配の低減、回転変換分布の制御 | 解析計算(理想MHD)、及び数値計算(2階線形常微分方程式に対する固有値問題、Shooting法) |
9 | 彌政、坂本 | TRIAM−1Mにおけるプラズマ位置制御に対するニューラルネットワークの応用 | ニューラルネットワークをリアルタイムで使用すること。また、そのために必要なニューラルネットワークの構造最適化を行うこと。 | トカマクプラズマ | 位置検出の精度 (~数mm) | フィードバック制御に必要とされる時間 (~100µs) | フィードバック制御 | ニューラルネットワーク | |
10 | 浅川、山口 | WT3におけるECCDによる鋸歯状振動抑制 | 電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)により磁気軸近傍の電流分布を制御する。 | トカマクプラズマ | 鋸歯状振動の反転半径(~数cm) | 鋸歯状振動の周期(1ms)~電流拡散時間(10ms) | 抵抗性キンク不安定性・磁気リコネクション | 磁気軸近傍の電流密度を減少させることで安全係数を増加させ、プラズマ内部から安全係数q=1面を無くした。 | アプローチ:局所的な電子サイクロトロン電流駆動 測定法:軟X線断層再生システム |
11 | 竹入 | LHDにおけるNBI長時間加熱とNBI単独プラズマ生成 | 各プラズマパラメータが数秒周期で20秒にわたって振動している点。 | ヘリカル系 NBI加熱 長パルスプラズマ | 振動している範囲は全プラズマ空間 (~数10cm) | 1~3s | 現状不明(粒子のアウトワードフロー?) | 現状不明(低密度動作?高入射電力?) | まず、プラズマパラメータ間の相関を調べる。モデル等は今後の課題。 |
12 | 渡部 | RFP,ULQプラズマにおける波動励起実験と小型電流駆動源の開発 | 不安定性の成長による揺動の高揚が配位の形成に必要な電場を作り出している。しかし揺動を介したエネルギーの損失も同時に発生し、プラズマのエネルギー閉じ込めは悪い。 | 低q領域でのトロイダル電流駆動系プラズマ(逆磁場ピンチプラズマ:RFP、極低qプラズマ:ULQ) | q分布に依存する。ULQの場合は有理面近傍。(単一有理面近傍でのシングルモード)RFPの場合はプラズマ全体。(多数の有理面でのマルチモード)~数cm | MHD緩和時間(~100kHz) | 電流駆動型不安定性(m=1 kink mode) | ポロイダル電流駆動による電流密度分布の制御外部波動を励起することによる不安定性の制御 | ダイナモ効果の理解を深めること。 |
13 | 後藤、中村 | GAMMA10におけるAlfven Ion Cyclotron不安定波動の励起と軸方向 閉じ込めへの影響 | 宇宙プラズマにも存在するAlfven Ion Cyclotron(AIC)不安定性。開放端型装置を利用したプラズマ粒子の直接計測 。 | 磁場に垂直及び平行方向に温度非等方度のあるプラズマ | AIC波の波長の数倍程度(~1m) | AIC波の成長時間(数10µs)波-粒子相互作用もそのくらいの時間スケールと考えられます。(イオンサイクロトロン周期の数10倍) | 温度非等方度及びベータ値 | 非等方度を少なくするプラズマ加熱 (ICRF加熱の共鳴位置をミラー磁場中央から遠くする等) | 磁気プローブやマイクロ波反射計による磁場揺動計測 反磁性ループによる温度非等方度の見積り 磁力線に沿って流出するイオンの計測 荷電交換中性粒子計測 |
14 | 岩崎 | 熱パルス伝播における速い応答 | 拡散過程に加え長距離相関をもつ非局所輸送が存在するという新たな視点から過渡輸送現象をとらえようとする点。 | 高温プラズマ(特に過渡輸送現象) | プラズマ半径(~m) | 拡散時間の1/10から1/100程度(~ms) | 非線形長距離相関あるいはトロイダル効果 | 長距離相関モデルを用いた数値シミュレーション | |
15 | 松本 | 内部崩壊現象における自己生成径電場のシミュレーション | プラズマ中の密度勾配の存在自体が 径方向電場の成長を促すことを示した点。 従来のMHD流体シミュレーションでは予測し得ない上記の結果を粒子シミュレーションによって示した点。 | トカマクを模擬した円柱プラズマ。q=1面を持つ正磁気シア配位。 | r=a/2上付近のq=1面による内部キンクモード。(摂動ベクトルはa/2の幅がある)半径10cm程度のプラズマ。 | 時間スケールはアルフベン時間のオーダー。内部崩壊から電場の非線形発展まで、10アルフベン時間程度。 シミュレーション全体は10µs程度。内部崩壊現象自体は数µs程度。 | 電流駆動。(密度勾配はあるが、低ベータなので 圧力駆動はほとんど寄与しない) | 平衡状態の密度勾配の強さ(密度勾配の大小により、 鋸歯状振動の内部崩壊発生時における径電場の非線形成長の度合いが変化する。) | ジャイロ運動論モデルによる並列計算機を用いた粒子シミュレーション。 |
更新日 01.12.5
名前 Exp.Division