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エンドトキシン簡便法とは(エンドトキシン簡便法)

掲載日:2024年9月26日更新
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エンドトキシン簡便法とは

PET薬剤は、注射剤であり、品質試験でエンドトキシン試験法に適合することが求められ、適切なエンドトキシン試験法の実施が必須です。

しかし毎日ロット製造されるPET薬剤の場合、日本薬局方準拠法でのエンドトキシン試験法実施は、コスト負担も大きく、短時間での実施が困難であるケースもあり、完全準拠は現実的ではありません。

一方、現在PET施設で実施されているエンドトキシン試験は、そのほとんどの施設で結果の信頼性が確保できない方法で実施されています。

そこで、分子イメージング戦略会議の下、メーカーと共同で院内製造PET薬剤用のエンドトキシン簡便法(以下、簡便法)を開発してまいりました。簡便で信頼出来る結果が得られる方法の開発を目標として、検量線保存の可能性を検討しました。結果、2013年6月に、この簡便法の基本骨子であります「保存検量線利用の妥当性」に関する論文が学会誌「核医学」に掲載されることとなりました。

エンドトキシン簡便法とは

エンドトキシン簡便法は、日本薬局方準拠で試験を実施すると毎日12本のシングルテストが必要になるところを、適切な保存検量線の利用により信頼性を維持しながら4本で実施可能とする方法です(下図)。

論文掲載検討結果では、検量線を保存利用しても、99.9%以上の確率(923/924)で真値の75-125%の範囲(FDAが提唱していた試験成立条件)の結果が得られることが確認されました。

この結果より、一定のプロトコルで保存検量線を作成し、一定のプロトコルで測定を行えば、保存検量線を使用しても信頼出来る結果が出ることが強く示唆されました。

簡便法

​核医学会が提唱するエンドトキシン簡便法

保存検量線を作成する。

3日間、3濃度(0.01-0.1-1 EU/mL)のエンドトキシン溶液(各n=2)とNC(陰性コントロール、n=2)を測定。

(保存検量線の必要条件)

  1. 保存検量線はライセート試薬のロットごとに作成する。
  2. 測定日毎の検量線の相関係数が -0.980以下であること、かつ、3日間測定した全点を用いた検量線の相関係数が -0.980以下であること。

毎回の測定で以下の検体を測定する。

  1. PC(0.1 EU/mLのエンドトキシン溶液)n=1
  2. PPC(0.1 EU/mLとなるようにエンドトキシンを添加した薬剤溶液)n=1
  3. 薬剤溶液 n=2 (合計4本を測定)

(試験が有効になるには・・・)

  1. PCの濃度換算値が0.075-0.133 EU/mL
  2. PPCの濃度換算値から、薬剤溶液の濃度換算値を差し引いた値が0.05-0.2 EU/mLである。

試験が有効である時、薬剤溶液の濃度換算値がエンドトキシン規格値未満であれば合格。

  • ライセート試薬のロットごとに保存検量線を作成する
  • 保存検量線の妥当性を示す(例えば相関係数の絶対値を規定するなど)
  • 測定操作はプロトコルに厳密に従って行う
  • 毎回の測定条件の妥当性を示す(例えばPCの回収率を規定するなど)


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