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学会製造基準準拠のQ&A(よくある質問2.管理総則・一般管理について)

掲載日:2024年9月26日更新
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学会製造基準準拠のQ&A

2.管理総則・一般管理について

質問一覧

Q1:管理を行うための書類には、どんな書類が必要でしょうか?
Q2:施設に、管理総則にあるような人員が揃えられないのですが、どうすればよいでしょうか?
Q3:各責任者にはどのような資格が求められますか?
Q4:自施設の人員を管理総則の役割に割り振る時のコツは何でしょうか?
Q5:製造部門責任者や品質部門責任者、出荷可否決定者等が不在の場合はどうすれば良いですか?責任者を複数人指名することは可能ですか?
Q6:外部からの派遣職員を責任者(製造部門責任者・品質部門責任者・出荷可否決定者等)にしても良いですか?
Q7:教育訓練について、最低必要なものは何ですか?自施設で行っているものではだめですか?
Q8:教育訓練は、自施設で実施する場合、誰が実施すれば良いのでしょうか?
Q9:教育訓練実施記録には、講師の名前も受講者として記録して良いのでしょうか?
Q10:教育訓練の受講は施設長や製造管理者まで必要ですか?
Q11:出荷可否決定者や製造部門責任者、品質部門責任者等の教育訓練は誰が行うのですか
Q12:部外者の立ち入りになぜ教育訓練が必要なのでしょうか?
Q13:部外者の一時立ち入りの際は、どのように教育訓練を行えば良いのですか?
Q14:職員の力量はどうやって認定するのでしょうか?
Q15:資格認定は無菌操作認定だけでよいですか?
Q16:無菌操作認定を判定する職員は、外部の講習や認定を受ける必要がありますか?また、そのような講習や認定はどこでやっているのでしょうか?
Q17:3回の製造試験で製造したPET薬剤が無菌であれば、その結果を無菌操作認定の判定として使用しても良いですか?
Q18:文書管理は、紙で行うと膨大になるので、電子ファイルのままではだめでしょうか?
Q19:様式を電子ファイルでやりとりしても良いでしょうか?
Q20:図面とはどのようなものを保管するのですか?
Q21:手順書は、マニュアルがあるので、作成しなくてもよいですか?
Q22:機器接続PC内にデータが蓄積しています。業者による清掃や、機器の点検の報告書もあるのですが、このままでは、いけないでしょうか?
Q23:変更実施後の旧文書も全て回収・保管しておかなければならないのですか?
Q24:署名押印を省略したいのですが、どこまで省略可能でしょうか?
Q25:記録の際、誤って記載したなどの修正では、必ず年月日や修正理由まで入れなければならないのですか?
Q26:登録発行日と承認日の違いは何ですか?
Q27:どの程度の変更になると、変更管理として書類作成しなければならないのでしょうか?
Q28:使用する原材料や、試験検査用の試液等を別のメーカーに変えたいのですが、変更実施計画書は必要ですか?
Q29:自己点検のチェックリストはどのように作れば良いのでしょうか?
(最低必要なことは何か?核医学会のHPで探せない等)
Q30:逸脱とはどのようなものを指すのですか?また、その重さはどう判断するでしょうか?
Q31:バリデーション実施の必要性について、最低何について実施が必要なのですか?
Q32:1年ごとのバリデーションや点検は必要でしょうか?
Q33:洗浄バリデーションは必須ですか?
Q34:機器のOQ・点検頻度は何を基準に決めるのでしょうか?
Q35:校正を自施設で行っても良いでしょうか?
Q36:機器の校正は、有効期限内(1年以内)に実施していくと次第に前倒しになってしまいますが、期限切れになっても毎年行うメンテナンス期間中に実施することは可能ですか?

Q&A

Q1:管理を行うための書類には、どんな書類が必要でしょうか?

A1:管理総則には、本文以外にPET薬剤製造施設の組織体制及び各責任者の任命表を別紙で添付します。一般管理基準書には、教育訓練、品質情報及び回収処理、文書管理、変更管理、自己点検管理、逸脱管理、バリデーション・ベリフィケーション、キャリブレーションと言った書類が必要です。

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Q2:施設に、管理総則にあるような人員が揃えられないのですが、どうすればよいでしょうか?

A2:限られた人数で施設管理を行うには、職務を兼任することはやむを得ません。その場合には、職務内容に応じて気持ちを入れ替えて実施する必要があります。例えば、教育訓練責任者と品質部門責任者を兼任している場合、教育訓練責任者の承認欄には教育訓練責任者として、品質部門責任者の承認欄には品質部門責任者として署名します。また、品質部門と製造部門の責任者を兼務することはできないので、注意しましょう。

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Q3:各責任者にはどのような資格が求められますか?

A3:品質部門及び製造部門の責任者、出荷可否決定者については、当該業務に精通した人物が担当することが望ましいでしょう。また、病院内組織の立場上、製造施設の管理者等に管理職員が任命される場合がありますが、実態にマッチしない責任者を配置すると、製造管理をする上で辻褄が合わないケースも生まれます。例えば、薬剤部長を品質管理責任者に任命した場合、日々のPET薬剤製造でのタイムリーな承認が出来ないことが容易に想定できます。その点を注意して責任者を任命する必要があります。

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Q4:自施設の人員を管理総則の役割に割り振る時のコツは何でしょうか?

A4:限られた人員を様々な役割に振り分けると、どうしても1人で何役も兼務する必要が出てきてしまいます。書類の承認に時間がかかる立場の職員(病院長や薬剤部長等)の兼務は避けた方がスムーズに進みますが、施設によってはそのようにせざるを得ないところもあるでしょう。その場合は、代行者(代理承認者)を設けることで対応が可能になります。製造管理者と製造部門責任者以外の責任者については、品質部門の職員を任命することにより、管理がスムーズになります。

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Q5:製造部門責任者や品質部門責任者、出荷可否決定者等が不在の場合はどうすれば良いですか?責任者を複数人指名することは可能ですか?

A5:職員の不在に備えて、代行者(代理承認者)を複数人設置しておくと良いでしょう。特に出荷可否決定者については、不在だと出荷が出来なくなりますので、代理承認者は必須です。

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Q6:外部からの派遣職員を責任者(製造部門責任者・品質部門責任者・出荷可否決定者等)にしても良いですか?

A6:施設職員と同様に従事しているのであれば、責任者に任命しても問題ありません。

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Q7:教育訓練について、最低必要なものは何ですか?自施設で行っているものではだめですか?

A7:導入教育訓練と定期教育訓練については必ず実施しましょう。自施設で実施しても、外部の訓練に参加しても、どちらでも構いません。自施設で実施する教育訓練に、外部から講師を呼んでも良いでしょう。

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Q8:教育訓練は、自施設で実施する場合、誰が実施すれば良いのでしょうか?

A8:自施設で教育訓練を実施する場合には、該当する内容を熟知した職員(例:製造部門責任者や品質部門責任者等)が実施すると良いでしょう。

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Q9:教育訓練実施記録には、講師の名前も受講者として記録して良いのでしょうか?

A9:自施設内の講師の場合には、講師名も受講者として記録して構いません。

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Q10:教育訓練の受講は施設長や製造管理者まで必要ですか?

A10:導入教育訓練については、施設長も含めたPET薬剤製造施設の全職員が受講することが望ましいです。製造管理者については、PET薬剤製造施設を統括する立場ですので、その他の教育訓練も受講する方が良いでしょう。

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Q11:出荷可否決定者や製造部門責任者、品質部門責任者等の教育訓練は誰が行うのですか?

A11:出荷可否決定者や製造部門責任者、品質部門責任者等は、既にPET薬剤製造の経験が十分ある職員が任命される場合が多いので、施設内で「責任者となるための教育訓練」を規定する必要はありませんが、外部で実施している研修等に参加するのも良いでしょう。ただし、施設内で実施する導入教育や定期教育、臨時教育訓練等は他の職員と同様に受講・記録する必要があります。

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Q12:部外者の立ち入りになぜ教育訓練が必要なのでしょうか?

A12:PET薬剤製造施設はほとんどの場合、クリーンルームを有します。そのため、クリーンルームへの入退室方法や振る舞いなどについて、教育を受ける必要があります。

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Q13:部外者の一時立ち入りの際は、どのように教育訓練を行えば良いのですか?

A13:衛生管理区域の入退室手順についてのテキストを事前に作成しておくと便利ですが、ない場合には登録された職員が同行して入退室手順を説明しながら立ち入ることで対応が可能です。一時立ち入りの教育訓練を実施した旨の記録も残しましょう。

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Q14:職員の力量はどうやって認定するのでしょうか?

A14:職員の力量評価の手順は、各施設で規定するものですが、あらかじめチェック項目を設けて習熟度を確認すると良いでしょう。資格認定を実施する場合には、判定基準を明確化した手順書を作成し、認定試験を行います。

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Q15:資格認定は無菌操作認定だけでよいですか?

A15:学会の製造施設認証で必要としている資格は、培地充填試験による無菌操作認定のみになります。

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Q16:無菌操作認定を判定する職員は、外部の講習や認定を受ける必要がありますか?また、そのような講習や認定はどこでやっているのでしょうか?

A16:無菌操作認定を判定する職員が無菌操作に関して習熟度が高いのであれば、必ずしも外部の講習や認定は必須ではありません。施設内で無菌操作について熟知している職員がいない、自己流で実施しているが自信がない、という場合には、量研機構で行っている実習にご参加いただく事も可能です。

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Q17:3回の製造試験で製造したPET薬剤が無菌であれば、その結果を無菌操作認定の判定として使用しても良いですか?

A17:無菌操作認定は、ワーストケースを想定した培地充填試験で確認する必要があり、培地を使用したシミュレーションによる結果でなければなりません。

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Q18:文書管理は、紙で行うと膨大になるので、電子ファイルのままではだめでしょうか?

A18:電子ファイルで管理しても構いませんが、改ざんされないよう電子署名や変更履歴の記録が適切に行われるシステムを使用する必要があります。そのようなシステムを導入できない場合は、少なくとも紙で印刷した原本を1部作成し、様式は電子ファイルで管理すると良いでしょう。

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Q19:様式を電子ファイルでやりとりしても良いでしょうか?

A19:生データの値を電子ファイルに打ち込み、印刷したものを承認することも可能ですが、転記ミスには十分注意しましょう。電子署名による承認や履歴の改ざんが不可能なシステムを導入可能であれば、全て電子ファイルでやり取りすることも可能ですが、コンピュータシステムのバリデーション(CSV)が必要となります。

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Q20:図面とはどのようなものを保管するのですか?

A20:衛生管理区域の見取り図や空調配管図等は、製造基準管理書類です。いつでも閲覧できるよう、適切に保管しましょう。

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Q21:手順書は、マニュアルがあるので、作成しなくてもよいですか?

A21:マニュアルは機器の操作のためのリファレンスです。実際に機器・装置を使用して作業をする場合、その作業毎に方法の相違があり、それを記述したものが手順書になります。そのため必ず手順書が必要となります。

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Q22:機器接続PC内にデータが蓄積しています。業者による清掃や、機器の点検の報告書もあるのですが、このままでは、いけないでしょうか?

A22:紛失のおそれや、改ざんを否定出来ないシステムの場合には、直ちに紙に印刷したものを原本として保管するようにしましょう。また、文書管理手順書に、管理の方法と手順を記載し、それに則り管理しましょう。

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Q23:変更実施後の旧文書も全て回収・保管しておかなければならないのですか?

A23:回収した旧文書は原本1部のみを保管し、写しは廃棄しても構いません。保管期間は一般管理基準書の文書管理に規定しておきましょう。

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Q24:署名押印を省略したいのですが、どこまで省略可能でしょうか?

A24:ゴム印等を使用した記名押印や簡易署名を用いることは可能です。また、日付印に職責名

 例:製造管理者なら(製造管)、製造部門責任者であれば(製造責)など、を入れた印鑑を作成し、登録しておくと便利です。
​      見本:品質保証責任者の日付印

          品質保証責任者の日付印

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Q25:記録の際、誤って記載したなどの修正では、必ず年月日や修正理由まで入れなければならないのですか?

A25:面倒かもしれませんが、修正年月日と修正理由は記載しましょう。これらの記載がないと、いつ、どのような経緯で修正が行われたのか不明となってしまいます。改ざん防止のためにも、正しく修正記録を残しましょう。

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Q26:登録発行日と承認日の違いは何ですか?

A26:学会製造基準管理文書は、承認された(承認日)後に教育訓練が行われ、文書を登録して初めて有効(登録発行)となります。たとえ承認された文書であっても、教育訓練を経て登録発行されていなければ、使用することができません。

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Q27:どの程度の変更になると、変更管理として書類作成しなければならないのでしょうか?

A27:学会製造基準管理書類の変更に関わるものは、全て変更記録を作成する必要があります。

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Q28:使用する原材料や、試験検査用の試液等を別のメーカーに変えたいのですが、変更実施計画書は必要ですか?

A28:基準書や手順書内に記載されている原材料や標準品等の変更であれば、変更実施手続きが必要です。規格値が大きく変わるなど、品質に影響を及ぼす可能性がある場合には、事前評価も必要となります。

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Q29:自己点検のチェックリストはどのように作れば良いのでしょうか?
(最低必要なことは何か?核医学会のHPで探せない等)

A29:自己点検を行う際には、学会製造基準に従った製造管理を実施できているかどうか確認する必要があるので、学会製造基準で規定されている項目を基にチェックリストを作成するのが簡便でしょう。製造施設認証監査の際に用いる監査チェックシートは、学会製造基準を網羅するように作成されているので、日本核医学会ホームページ量子科学技術研究開発機構外のページが開きます)で公開されている監査チェックシートをそのまま使用することも可能です。

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Q30:逸脱とはどのようなものを指すのですか?また、その重さはどう判断するでしょうか?

A30:品質に影響を与える可能性がある現象全てを逸脱とします。例えば承認された手順と異なる作業を行った、品質試験の結果が不適合だった、人為的ミスで製造できなかった、施設設備の異常等が該当します。起こる可能性のある逸脱の軽重はあらかじめ決めておきますが、判断が難しい場合は逸脱管理責任者と製造管理者が判断します。

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Q31:バリデーション実施の必要性について、最低何について実施が必要なのですか?

A31:施設内で新規PET薬剤の臨床提供を開始する前には、製造工程のバリデーション(3ロット試験)の実施が必要です。また、最終生成物をHPLCで分取する工程がある場合には、洗浄バリデーションが必要となりますが、合成装置メーカー等で洗浄法のバリデーションが既に実施されている工程を用いる場合には不要です。その他、試験検査法でバリデーションが必要な項目もあります。

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Q32:1年ごとのバリデーションや点検は必要でしょうか?

A32:日常的に製造を行っているPET薬剤において、1年間で変更が行われず、品質検査において逸脱も発生せず安定的に供給できていれば、必ずしもバリデーションを毎年実施しなくても良い場合があります。設備・機器の適格性評価(IQ/OQ)や点検、校正についてはメーカー推奨期間で実施します。

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Q33:洗浄バリデーションは必須ですか?

A33:PET薬剤の最終生成物をHPLCで分取する場合など、製造ラインの汚染や原材料の混入がPET薬剤の品質低下に影響を及ぼす可能性がある場合には、洗浄バリデーションが必須となります。合成装置メーカーが洗浄バリデーションを行っている場合や、使い捨てカセットを使用する場合には必要ありません。

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Q34:機器のOQ・点検頻度は何を基準に決めるのでしょうか?

A34:設備・機器の適格性評価(IQ/OQ)や点検、校正についてはメーカー推奨期間で実施します。メーカー推奨期間がなければ、1年に1回以上の頻度でOQ・点検・キャリブレーションを実施しましょう。PET薬剤製造エリアの定期メンテナンスの時期に合わせて行うと忘れないでしょう。校正ラベルの使用期限には、1年後+1か月程度の余裕を持たせると良いでしょう。

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Q35:校正を自施設で行っても良いでしょうか?

A35:基準となる標準品や標準基を購入することで、自施設で校正可能な機器もあります。おんどとりやインキュベータなら標準温度計、天秤なら標準分銅、キュリーメーターなら標準線源を使用する校正手順書を自施設で作成して実施することが可能です。

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Q36:機器の校正は、有効期限内(1年以内)に実施していくと次第に前倒しになってしまいますが、期限切れになっても毎年行うメンテナンス期間中に実施することは可能ですか?

A36:有効期限が切れた機器を使用して製造したPET薬剤を臨床提供しないのであれば構いません。臨床提供してしまった場合には、逸脱管理に従って処理をします。メンテナンスを毎年同じ時期に実施するのであれば、あらかじめ有効期限に余裕(校正実施日から1年+1か月程度)を持たせておくと良いでしょう。

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