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先進プラズマ研究開発

JT-60SA統合試験運転 | コイル、ついに超伝導状態に!

掲載日:2023年7月31日更新
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JT-60SA装置のドーナツ形状の周囲方向に並べられたトロイダル磁場コイルは、超伝導コイルです。全部で18本あり、ドーナツ状のプラズマを形成するために必要な基本的磁場を形成する最重要なコイルです。このコイルはニオブチタンからなる金属でできたコイルで、7月26日に-264℃(5K)に到達し、電気抵抗がほぼゼロに下がり超伝導状態となったことが確認されました。また同じニオブチタンから作られたプラズマの位置・形状の安定に使用する6本の平衡磁場コイル(最大直径12 m)についても超伝導状態に遷移しました。

中心ソレノイドは装置の中心に設置された円筒状の超伝導コイルの一つです。プラズマを着火しプラズマ中に電流を流すのに使います。そのプラズマ中の電流は、超高温まで加熱されたプラズマの閉じ込め性能に直結するものです。このコイルはニオブスズからなる金属でできています。磁場がかかっていない状態で、-255℃(17K)で超伝導状態に遷移します。7 月22日に同温度に達し、電気抵抗がほぼゼロに下がり超伝導状態になったことが確認されました。

これらの超伝導コイルによって、JT-60SAでは長時間のプラズマ生成が可能となります。現時点でJT-60SAは世界最大の超伝導トカマク装置です。

一方、プラズマを閉じ込める真空容器では内壁についた不要な不純物を除去するために200℃に加熱するベーキングを継続しています。