2022年11月22日から11月25日まで富山国際会議場で開催された第39回プラズマ・核融合学会年会にて、量子エネルギー部門 那珂研究所 先進プラズマ研究部 先進プラズマモデリンググループ 成田絵美（主任研究員）が、「若手学会発表賞」を受賞しました。
若手学会発表賞
量子エネルギー部門 那珂研究所
先進プラズマ研究部 先進プラズマモデリンググループ
成田 絵美（主任研究員）
（発表内容）
発表件名：機械学習を利用した半経験的乱流輸送モデルの拡張と汎用性の検証
・核融合出力を決定づけるプラズマの温度と密度の予測には、熱や粒子の流束を算出する輸送モデルが用いられます。本研究では、機械学習モデルの一種であるニューラルネットワークモデルを用いて熱と粒子の流束を無矛盾かつ効率的に求める輸送モデルDeKANISの改良を行いました。ニューラルネットワークモデルがカバーするプラズマ変数の領域を拡張しつつ、流束の大きさを決める乱流飽和モデルに乱流を抑制する帯状流の衝突による減衰効果を取り入れています。この改良により汎用性が改善し、ITERの初期プラズマを想定したシミュレーションにDeKANISを用いることが可能になりました。DeKANISを用いてITERの初期プラズマの温度分布を予測することで、支配的な輸送過程を明らかにすることができました。また、信頼性の高いジャイロ運動論コードによる予測結果の検証も行なっています。
（個人コメント ）
・この度はプラズマ・核融合学会年会 若手学会発表賞を受賞することができ、大変嬉しく光栄に存じます。この研究は共著や炉心プラズマ研究チームの方々からご指導とご支援を頂きながら進めており、大変感謝しております。今回の受賞を励みに、輸送物理の研究により一層精進して参ります。
参考サイト：一般社団法人 プラズマ・核融合学会