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量子科学技術でつくる未来 認知症の超早期診断(連載記事 全8回)

掲載日:2024年3月27日更新
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連載企画「量子科学技術でつくる未来」(第66回ー第73回)について

量子科学技術研究開発機構が進める事業や研究開発を広く一般の方にご紹介するため、2021年5月から日刊工業新聞の「科学技術・大学」面にて毎週木曜日に「量子科学技術でつくる未来」を連載しました。

「認知症の超早期診断」に関する連載(第66回ー第73回)では、認知症の次世代診療実現に向けた画期的な診断技術の開発や、健康を真に享受できる「こころ」の在り方を追求する脳科学アプローチについて紹介しました。ぜひご覧ください。

認知症の超早期診断 第66回
異常たんぱく質蓄積検出 脳の働き解明「より良く生きる」

アルツハイマー病をはじめとする認知症は、その前段階を含めると罹患者数は全国で1,000万人を超えると推定される。罹患者が多い理由の一つは、有効な治療法が確立していないことであり、早期に発見し治療する戦略が望まれるが、現時点では早期診断法も未確立である。

量子科学技術研究開発機構(QST)では、認知症を超早期に診断し、治療へと導く量子技術の開発に取り組んでいる。(続き→

次世代の認知症診療ワークフローイメージ

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 部長 樋口 真人(ひぐち・まこと)

■日刊工業新聞 2022年10月13日(連載第66回)異常たんぱく質蓄積検出 脳の働き解明「より良く生きる」

認知症の超早期診断 第67回
ヘルメット型PET開発 脳画像検査の切り札に

ポジトロン断層撮影(PET)は、形の変化が現れる前の機能的な異常を、いち早くポジトロン(陽電子)を使って画像化する。これは、形を画像化するCTやMRIとは全く異なる大きな特徴であり、いまやPETはがん診断に不可欠な検査法となった。一方、認知症においては、発症機序と関連する脳内の異常タンパク質の画像化に強みを発揮しているものの、低い解像度が課題であった。(​続き→

ヘルメット型PET装置による従来型PETの課題解決

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医学・医療部門 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部 次長 山谷 泰賀(やまや・たいが)

■日刊工業新聞 2022年10月20日(連載第67回)ヘルメット型PET開発 脳画像検査の切り札に

認知症の超早期診断 第68回
PET薬剤 指標可視化 認知症検査 手軽な時代に

アルツハイマー病などの認知症では、神経細胞が機能異常を起こし死に至ることで、物忘れや運動障害、精神症状などの多彩な症状が出現する。認知症では、脳の中で特定のタンパク質が構造的に異常となり凝集体を形成する。タンパク質は凝集することで正常な機能を喪失する。また異常タンパク質凝集体は、凝集の過程で脳内の神経細胞にダメージを与え、細胞死を引き起こすと考えられている。(続き→

図・写真

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 上席研究員 佐原 成彦(さはら・なるひこ)

■日刊工業新聞 2022年10月27日(連載第68回)PET薬剤 指標可視化 認知症検査 手軽な時代に

認知症の超早期診断 第69回
脳画像で認知症AI自動診断 スコア算出 鑑別に一役

認知症の大半は、脳の中に異常なタンパク質が蓄積する神経変性型の認知症で占められ、アルツハイマー病(主に記銘力障害を呈する)、前頭側頭葉変性症(変性部位により人格変化や言語・運動障害など多彩な症状を呈する)、レビー小体型認知症(物忘れのほかに、幻視、体の動きがぎこちなくなるなどのパーキンソン症状を伴う)の3大認知症からなる。前頭側頭葉変性症には進行性核上性麻痺という、体の動きの障害を伴う認知症が含まれる。(続き→

疾患毎の生体内タウ蓄積を定量測定して分類したパターンから個人の集積値をスコア化

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 研究員 遠藤 浩信(えんどう・ひろのぶ)

■日刊工業新聞 2022年11月3日(連載第69回)脳画像で認知症AI自動診断 スコア算出 鑑別に一役

認知症の超早期診断 第70回
画像・血液BMを一体化 PET検査の欠点補完

アルツハイマー病(AD)をはじめとする多様な認知症疾患を正確に診断するためには、客観的なバイオマーカー(BM)が必要であり、脳に蓄積する疾患特異的な異常たんぱくを画像化できる陽電子(ポジトロン)断層撮影(PET)検査は、病理診断の代替にもなりうる最も精密なBMである。しかし、PET検査は、検査施設が限定・低効率・高価などの欠点があり、低コスト高スループットの血液BMがPET検査の欠点を補完しうると考えられている。(続き→

QSTで施行可能な血液・画像バイオマーカーを統合した包括的な認知症診断・層別化システムのイメージ

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 医長 徳田 隆彦(とくだ・たかひこ)

■日刊工業新聞 2022年11月10日(連載第70回)画像・血液BMを一体化 PET検査の欠点補完

認知症の超早期診断 第71回
脳回路の働き点検・修理 人工受容体で神経活動調整

私達の脳は、1,000億を超える神経細胞が網目のように繋がって複雑な回路をつくり、情報をやりとりして「記憶する」「話す」など普段の生活を支えている。一方、その回路の働きが悪くなると、うつ病のようなこころの不調を生じることがある。そのため脳の回路が正しく動作しているか点検し、必要となる場合修理する技術が求められている。(続き→

脳回路を画像化して操作する技術のイメージ

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 上席研究員 南本 敬史(みなみもと・たかふみ)

■日刊工業新聞 2022年11月17日(連載第71回)脳回路の働き点検・修理 人工受容体で神経活動調

認知症の超早期診断 第72回
「前向き」な人生サポート 脳フィットネスで鍛える

量子科学技術研究開発機構(QST)が取り組む「認知症早期診断」達成の先にある、高齢者が「老い」や「死」を意識する状況下においては、特にQOL(Quality of Life生活の質)が重要となってくる。人生最後の瞬間までよりよく生きるには何が必要かという課題解決のために、QSTでは、科学技術振興機構(JST)が推進するムーンシット目標9「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会の実現」の中で、「逆鏡の中でも前向きに生きられる社会の実現」を目指した科学技術開発を展開する。(続き→

「前向き」を読み取り、促す技術の開発

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部 上席研究員 山田 真希子(やまだ・まきこ)

■日刊工業新聞 2022年11月24日(連載第72回)「前向き」な人生サポート 脳フィットネスで鍛える

認知症の超早期診断 第73回
PETで脳機能可視化 認知症患者の困りごと代弁

困っている人を見ると助けたいと思い、困っている事が分かれば、何とかする手立てを考える。しかし、何に困っているのかが分からない、困っているかどうかも分からないと、医療さえ患者さんに届かないことがある。特に、認知症など、高次脳機能に関連する病態がある場合、本人自身では症状の説明が難しいことが多く、困っている内容を周囲に伝えることも難しい。(続き→

ヘルメット型PET装置と脳のPET画像

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部 主幹研究員 高橋 美和子(たかはし・みわこ)

■日刊工業新聞 2022年12月1日(連載第73回)PETで脳機能可視化 認知症患者の困りごと代弁


全ての連載

2021年5月より2023年8月まで、日刊工業新聞にて連載した全ての記事をまとめた冊子です。

量子科学技術でつくる私たちの未来 2021-2023

次のシリーズが掲載されています。

  • フュージョンエネルギー
  • 超省エネスマホ
  • 量子メス
  • 標的アイソトープ治療
  • 全自動インフラ検査
  • 未来のクルマ
  • 人口光合成でCO2を削減
  • 量子スマートセル
  • 認知症の超早期診断
  • 物質の機能を可視化
  • 被ばく防護と医療
  • 光による量子制御
  • 量子デバイスに囲まれる生活
  • 最先端研究を身近に届ける

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