2026年7月23日から7月24日まで北海道大学で開催された第16回核融合エネルギー連合講演会にて、那珂フュージョン科学技術研究所 炉工学基盤研究開発部RF加熱開発グループ 染谷 諒(博士研究員)が「若手優秀発表賞」を受賞しました。

若手優秀発表賞
那珂フュージョン科学技術研究所
炉工学基盤研究開発部RF加熱開発グループ
染谷 諒(博士研究員)
(発表内容)
発表件名:ミリ波吸収率測定と光線追跡計算によるRFダミーロードの熱負荷分布解析
・電子サイクロトロン加熱/電流駆動(ECH/CD)装置に不可欠なRFダミーロード(RFDL)について、内部の熱流束分布と反射パワー、及び温度上昇分布を予測する計算手法を開発し、実験結果との比較によってその妥当性を実証しました。
JT-60SAでは、ジャイロトロンで1MWのミリ波を発生させ、プラズマへ入射することでECH/CDを行います。ジャイロトロンは出力を段階的に上げる「調整運転」が必要であり、その際には生成したミリ波の照射先としてRFDLを使用します。RFDLは内壁にミリ波吸収材料を備えた容器状の機器で、入射されたミリ波を吸収する役割を担います。しかし実際には数%(数十kW)のミリ波が反射してジャイロトロン側へ戻り、装置効率を低下させるという課題があります。
本研究では、高性能なRFDLの開発を目的として、16万本の光線をCADモデル内で追跡する光線追跡計算を実施しました。各光線が壁面に衝突する際、事前実験で取得したミリ波吸収材料の反射率データを用いて熱流束を計算することで、RFDL内部の熱流束分布と反射パワー、及び温度上昇分布の評価に成功し、実験結果と良好に一致することを確認しました。
本手法により、従来は製造後の試験によって初めて評価されていたRFDLの性能を、設計段階で予測できるようになりました。ミリ波反射率に加え、温度上昇分布や応力分布を計算することで、機器が破損しないかを事前に評価することも可能です。これにより、開発コストと期間を抑えながら、より高性能なRFDLの開発が可能となり、ECH/CDシステム全体の効率向上への貢献が期待されます。
(個人コメント )
・この度は若手優秀発表賞を受賞することができ、大変嬉しく光栄に存じます。本賞は、ご指導・ご協力いただいた共著者の皆様ならびにグループ員の皆様のお力添えの賜物であり、心より感謝申し上げます。この受賞を励みに、今後も一層研究に精進してまいります。
