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量子科学技術でつくる未来 量子メス(連載記事 全10回)

掲載日:2024年3月27日更新
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連載企画「量子科学技術でつくる未来」(第29回ー第38回)について

量子科学技術研究開発機構が進める事業や研究開発を広く一般の方にご紹介するため、2021年5月から日刊工業新聞の「科学技術・大学」面にて毎週木曜日に「量子科学技術でつくる未来」を連載しました。

革新的な小型重粒子線治療装置として研究開発中の量子メスに関する連載(第29回ー第38回)では、量子メスの装置開発や重粒子線がん治療の臨床研究について解説しました。ぜひご覧ください。

※新聞掲載版は各リンク先(日刊工業新聞HP)をご参照ください。

※日刊工業新聞社の承諾を得て掲載しております。
※新聞連載記事とは内容が一部異なる場合があります。

量子メス第29回
切らずに日帰りがん治療、「健康長寿社会」一翼担う

近年、がん治療は大きく進歩しているが、依然日本の疾病死亡率で第一位を占めている。さらに、超高齢化社会に突入し、心身ともに自立して健康的に生活できる健康寿命の延伸が重要な課題となっている。そのため、患者の身体的・社会的負担が少なく、治療後の生活の質が高いがん治療法が求められている。(続き→

量子メスのイメージ

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 物理工学部 部長 白井 敏之(しらい・としゆき)

■日刊工業新聞 2022年1月13日(連載第29回)切らずに日帰りがん治療、「健康長寿社会」一翼担う

量子メス第30回
シンクロトロン加速器、小型化で広く普及

量子科学技術研究開発機構(QST)は、重粒子線がもつ、がん細胞への高い殺傷効果と正常組織の損傷が少ないという特徴を活かし「日帰りがん治療」の実現を目指した、量子メスプロジェクトを進めている。 重粒子線がん治療では、炭素イオンを体内深くのがんに到達させるために、高いエネルギー(速度)まで加速する必要がある。(続き→)

小型化された量子メス超伝導シンクロトロン加速器と従来型装置の比較

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 物理工学部 主任研究員 水島 康太(みずしま・こうた)

■日刊工業新聞 2022年1月20日(連載第30回)量子メス シンクロトロン加速器小型化で広く普及

量子メス第31回
超伝導回転ガントリー照射装置、患者の負担軽減

重粒子線がん治療は、X線や陽子線に比べ、炭素線がんもつ高い生物学的効果と線量集中性を活かし、副作用が小さく放射線抵抗性のがんに対しても有効な治療法である。X線や陽子線がん治療は、回転ガントリー照射装置を使い、患者に対し360度任意の角度から照射する。(続き→

回転ガントリー照射装置の小型化の変遷 図・写真

執筆者:両性生命科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科研究所 物理工学部 重粒子運転室 室長 岩田  佳之(いわた・よしゆき)

■日刊工業新聞 2022年1月27日(連載第31回)超伝導回転ガントリー照射装置、患者の負担軽減

量子メス第32回
レーザー駆動でイオン加速 革新的小型化の実現目指す

この連載で紹介しているように、炭素イオンを用いた重粒子線がん治療は、がん細胞の殺傷効果がおよび治療後の生活の質が高いがん治療法である。その一方で、治療装置特に加速器の巨大さが、治療の普及を妨げる大きな原因となっている。(続き→

レーザーによる高エネルギーイオンビーム加速の模型図

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 光量子科学研究部 高強度レーザー科学研究グループ 上席研究員 榊 泰直(さかき・ひろなお)

■日刊工業新聞 2022年2月3日(連載第32回)レーザー駆動でイオン加速 革新的小型化の実現目指す

量子メス第33回
正常組織へのダメージ抑制 イオンの組み合わせ 放射線量・RBE最適化

重粒子線がん治療で用いられる炭素イオンは、がんの位置で集中的にエネルギーを放出し、細胞殺傷効果が高いという特徴をもっている。そのため、正常な臓器へのダメージが低く抑えながら、がんにダメージを集中することが出来る優れた治療法である。(続き→)

膵臓癌に対するマルチイオン(ヘリウム、炭素、ネオン)治療の模式図

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 物理工学部治療ビーム研究開発グループ グループリーダー 稲庭 拓(いなにわ・たく)

■日刊工業新聞 2022年2月10日(連載第33回)正常組織へのダメージ抑制 イオンの組み合わせ 放射線量・RBE最適化

量子メス第34回
重粒子線がん治療広く適用 安全性・効果・期間で優位

重粒子線がん治療は、高い線量集中性と高い生物効果をあわせ持つ安全で有効性の高いがん治療法である。1994年に放射線医学総合研究所(現量子科学技術研究開発機構)が炭素イオンによる治療を開始してから27年。現在では、QST病院では年間800名前後の、QST病院も含めた国内7つの施設では年間3000名以上の重粒子線がん治療が行われている。(続き→)

執筆者:量子科学技術研究開発機構 QST病院 病院長 辻 比呂志(つじ・ひろし)

■日刊工業新聞 2022年2月17日(連載第34回)重粒子線がん治療広く適用 安全性・効果・期間で優位

量子メス第35回
重粒子線治療専用装置、治療以外にも利用 生命誕生・進化解明に挑む

放射線としてX線が発見されてから120年あまり。X線について数多の研究が行われ、現代社会での人々の生活に様々な形で関わっている。1930年代になると重粒子線が原子核物理研究に使われ始めたが、医学利用には大型加速器が必要となるため1970年代まで待つ必要があった。(続き→)

図・写真

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所物理工学部・研究統括 下川 卓志(しもかわ・たかし)

■日刊工業新聞 2022年2月24日(連載第35回)重粒子線治療専用装置、治療以外にも利用 生命誕生・進化解明に挑む

量子メス第36回
重粒子線治療の臨床加速 最適化・併用法で適応拡大

量子科学技術研究開発機構QST病院では、量子メスにおいて、より高度化した重粒子線がん治療を提供するため、主に2つのテーマで重粒子線治療の臨床研究を進めている。臨床研究とは患者さんに事前に十分な説明を行い、新規治療法の有効性や安全性を検証する研究の事である。続き→

新たな重粒子線治療戦略概要

執筆者:量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部 部長 小藤 昌志(ことう・まさし)

■日刊工業新聞 2022年3月10日(連載第36回)重粒子線治療の臨床加速 最適化・併用法で適応拡大

量子メス第37回
重粒子線で不整脈治療 非がん疾患に適応広げる

1994年に放射線医学研究所(現量子科学技術研究開発機構:QST)が重粒子線治療を開始して以降、一貫してがんを対象疾患とした研究開発を進めてきた。その成果として、骨軟部腫瘍や前立腺癌など多くの疾患が保険適用となり、標準治療の一つとなっている。続き→

心臓に対する重粒子線照射の線量分布図

執筆者:量子科学技術研究開発機構 QST病院 治療診断部長 若月 優(わかつき・まさる)

■日刊工業新聞 2022年3月17日(連載第37回)重粒子線で不整脈治療 非がん疾患に適応広げる

量子メス第38回
正常組織のがん化リスク検証 重粒子線治療後の発生少なく

これまでの連載で、量子科学技術研究開発機構(QST)が進める炭素イオンを用いた重粒子線がん治療の有用性を紹介してきたが、重粒子線も含めすべての放射線には正常な細胞をがん化する側面がある。​続き→

 炭素イオン線の正常組織への線量とがん化効果

執筆者:量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所 放射線影響研究部 グループリーダー 今岡 達彦(いまおか・たつひこ)

■日刊工業新聞 2022年3月24日(連載第38回)正常組織のがん化リスク検証 重粒子線治療後の発生少なく


全ての連載

2021年5月より2023年8月まで、日刊工業新聞にて連載した全ての記事をまとめた冊子です。

量子科学技術でつくる私たちの未来 2021-2023

次のシリーズが掲載されています。

  • フュージョンエネルギー
  • 超省エネスマホ
  • 量子メス
  • 標的アイソトープ治療
  • 全自動インフラ検査
  • 未来のクルマ
  • 人口光合成でCO2を削減
  • 量子スマートセル
  • 認知症の超早期診断
  • 物質の機能を可視化
  • 被ばく防護と医療
  • 光による量子制御
  • 量子デバイスに囲まれる生活
  • 最先端研究を身近に届ける

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