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高崎量子技術基盤研究所

プレス発表

掲載日:2023年5月19日更新
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ナトリウムの可視化で明らかになった多様な耐塩性 -アズキ近縁種の多様な耐塩性が超耐塩性作物送出に道を拓く-

(2023年3月8日発表)

農研機構は、量子科学技術研究開発機構(以下、量研)、筑波大学及び東京大学と共同で、耐塩性のアズキ近縁種4種について塩水にさらした際の植物体中のナトリウムの分布を可視化し、4種がそれぞれ異なる分布を示すことを明らかにしました。このことから、これら4種は異なる耐塩性機構を持つことが示唆されました。本成果は、複数の耐塩性の組み合わせによる超耐塩性作物の創出を通じて淡水資源不足の解決に貢献することが期待されます。

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材料の種類によらず電子スピン波を観測できる新手法を構築-さまざまな半導体における超並列演算処理へ期待-

(2023年1月23日発表)

東北大学大学院工学研究科の齋藤隆仁氏(研究当時、博士後期課程在籍)、好田誠教授(量子科学技術研究開発機構・量子機能創製研究センター グループリーダー)らの研究グループは、ピーター・グリュンベルグ研究所(ドイツ)およびヴィクトリア大学(ニュージーランド)と協力して、半導体における電子スピン波の電気的な検出に初めて成功しました。

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光を99.98%以上吸収する至高の暗黒シート

(2023年1月18日発表)

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 物理計測標準研究部門 応用光計測研究グループ 雨宮 邦招 研究グループ長、清水 雄平 主任研究員、光放射標準研究グループ 蔀 洋司 研究グループ長と、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学部門 越川 博 主幹技術員、八巻 徹也 研究企画部長は、漆類似成分のカシューオイル黒色樹脂の表面に微細な凹凸を形成して光を閉じ込めることで、可視光の99.98%以上を吸収する「至高の暗黒シート」を開発しました。

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干ばつを生き抜くイネの戦略 ~RIイメージング技術で初めて捉えた根の水分に対する応答~

(2023年1月18日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所プロジェクト「RIイメージング研究」の三好悠太主任研究員と河地有木プロジェクトリーダーらは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(理事長 久間和生氏)作物研究部門作物デザイン開発グループの相馬史幸研究員と宇賀優作グループ長らと共同で、干ばつに見舞われたイネが水を求めて地中深くに伸ばした根に選択的に炭素栄養を送ろうとする生命活動を、映像として捉えることに世界で初めて成功しました。

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生物・植物見えてきた!土の中のミラクルワールド:根圏 ~植物の根と微生物が土の中で繰り広げる営みを観る~

(2020年6月11日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所プロジェクト「RIイメージング研究」の尹永根主任研究員と河地有木プロジェクトリーダーらは、環境科学技術研究所(理事長 島田義也)の海野佑介研究員、北海道大学(総長 名和豊春)大学院農学研究院の信濃卓郎教授、農業・食品産業技術総合研究機構(理事長 久間和生、以下 農研機構)北海道農業研究センターの中村卓司グループ長らと共同で、これまで目では見ることができなかった、地中の根が積極的に土と微生物に働きかけて周辺の生育環境を最適化して養分を獲得しようとする生命活動を、量子技術を活用した新しい観察手法により、画像としてとらえることに世界で初めて成功しました。

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照射技術深層学習を用い、粒子線照射即発X線実測データから正確な線量画像の生成に成功 ~粒子線がん治療への応用に期待~

(2020年6月4日発表)

名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻の 山本 誠一 教授、矢部 卓也 大学院生、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所の 山口 充孝 主幹研究員、河地 有木 プロジェクトリーダー、兵庫県立粒子線医療センターの 赤城 卓 博士、University of California, Davis(カリフォルニア大学デービス校)の Chih-Chieh Liu(チー・チェ リュー)博士、国立台湾大学のHsuan-Ming Huang(シュアン・ミン ファン)教授は、粒子線がん治療に用いる炭素線注1)を照射したときに生じる即発X線画像注2)に対して、深層学習(注3)を用いることにより、正確な線量画像注4)を生成することに成功しました。

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照射技術植物は、弱いガンマ線でも積極的に反応して変異の発生を抑制し、DNAを守る―モデル植物シロイヌナズナへの長期間照射試験で発見!―

(2020年3月10日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫。以下「量研」という。)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所放射線生物応用研究部プロジェクト「イオンビーム変異誘発研究」の長谷純宏上席研究員らは、1時間あたり1mGy程度の弱いガンマ線にも植物が積極的に反応して変異の発生を抑制し、DNAを守っていることを発見しました。

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材料・物質電子スピンを自在に操ることができる積層材料の開発に成功- 日常生活の情報化を支える超高記録密度・省エネ磁気メモリの実現に大きく前進 –

(2019年12月3日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」)量子ビーム科学部門の李松田主任研究員、境誠司プロジェクトリーダーらは、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(機構長 山内正則)物質構造科学研究所の雨宮健太教授、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長 橋本和仁)の桜庭裕弥グループリーダーらとの共同研究により、電子スピンを使った情報処理に重要な、電子スピン1)の向きを揃える性能とスピンの向きを保つ性能のそれぞれに最も優れるホイスラー合金2)とグラフェン3)からなる積層材料の開発に成功しました。この新しい材料により電子スピンの自在な操作が可能になることで、超高記録密度で省エネな磁気メモリ4)の実現など、日常生活の情報化を支える情報技術の発展に新たな道が拓かれることが期待できます。

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照射技術群馬県オリジナルの輸出用清酒酵母ができました!~県産清酒の輸出拡大を目指します~

(2019年11月27日発表)

群馬産業技術センターと量子科学技術研究開発機構(量研)は、共同研究により、海外輸出に適した清酒酵母の開発に成功しました。

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医学・医療世界初・ナノサイズのpHセンサーを実現-生命の謎にダイヤモンドで迫る-

(2019年9月24日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫。以下「量研」という。)量子生命科学領域 次世代量子センサーグループの藤咲貴大氏(京都大学大学院工学研究科博士後期課程学生)・五十嵐龍治グループリーダー、量子生命科学領域 物質量子機能化グループ・兼・量子ビーム科学部門半導体照射効果研究グループの小野田忍上席研究員・大島武グループリーダー、および量子生命科学領域 白川昌宏領域研究統括(京都大学教授)らは、京都大学と共同で、生命現象や細胞内環境を精密計測するための超高感度センサーとして注目される「ナノ量子センサー」を発展させ、ナノサイズのリアルタイムpHセンサーを初めて実現しました。

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腫瘍の正しい位置に放射線照射ができているかリアルタイムで確認 ~ 粒子線がん治療の現場での応用に期待 ~

​(2019年8月8日発表)

名古屋大学大学院医学系研究科の 山本 誠一 教授、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所の 山口 充孝 主幹研究員、河地 有木 プロジェクトリーダー、兵庫県立粒子線医療センターの 赤城 卓 博士らの研究チームは、新しく開発した放射線画像化装置を用い、粒子線がん治療に用いる炭素線の飛跡を照射中にリアルタイムで画像化することに成功しました。

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新たな高性能画像診断機器である「医療用コンプトンカメラ」を開発し、世界で初めての臨床試験に成功 ―PET薬剤とSPECT薬剤の同時計測・画像化に成功―

​(2019年7月24日発表)

群馬大学重粒子線医学推進機構(群大)の中野 隆史 特別教授らの研究グループは、量子科学技術研究開発機構(量研)の河地 有木 プロジェクトリーダーらの研究グループ、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)の高橋 忠幸 教授および宇宙航空研究開発研究機構(JAXA)渡辺 伸 助教らのグループとの共同研究により、医療用コンプトンカメラの開発を進めてきました。この度、世界で初めてとなる臨床試験を行い、人体に投与した2種類の核医学診断薬剤(18F-FDG(PET薬剤)と 99mTc-DMSA(SPECT薬剤))が特定臓器に集積している様子を同時に可視化することに成功しました。

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診断や創薬における微量検体の分析性能が数10倍に!―マイクロ流路チップの一括積層技術を開発―

​(2019年6月25日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」という。)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所先端機能材料研究部の大山智子主任研究員・田口光正プロジェクトリーダーとフコク物産株式会社(代表取締役社長 木部美枝、以下「フコク物産」という。)は共同で、微量検体の分析等に有効なマイクロ流路チップを同時に何枚も貼り合わせる量子ビーム加工技術(一括積層技術)を開発し、「多段積層マイクロ流路チップ」を実現しました。様々な分析機能を持つ複数のマイクロ流路チップを組み合わせることができるため、例えば1つの積層チップで複数の項目を検査することができるようになるなど、疾患診断や薬効評価のスピードが格段に向上します。また、1つの積層チップの中で分離・収集などの処理を繰り返すこともできるため、検体中にごく少量含まれる特定の細胞や成分を高い精度で検出することも可能です。「多段積層マイクロ流路チップ」は量産が可能であり、画像診断や生検などによる数日がかりの検査でも発見が難しい病気を、わずかな血液だけで数分のうちに診断できるようになるといった未来が期待できます。

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ダイヤモンド中に室温で動作するNVセンターの3量子ビット化を実現―有機化合物イオンビームにより量子コンピュータに不可欠な多量子ビット形成技術を開発―

​(2019年6月13日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」)量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所の春山盛善大学院課程研究員(群馬大学大学院理工学府博士後期課程学生)(研究当時)・小野田忍主幹研究員・大島武プロジェクトリーダーらは、国立大学法人群馬大学(学長 平塚浩士)大学院理工学府の花泉修教授・加田渉助教ら、早稲田大学(総長 田中愛治)理工学術院の川原田洋教授、谷井孝至教授、国立大学法人筑波大学(学長 永田恭介)磯谷順一名誉教授、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長 橋本和仁)機能性材料研究拠点の寺地徳之主席研究員らとの共同研究により、室温で動作する量子ビット1)として注目されている窒素・空孔(NV)センター2)を集積し、世界で初めてNVセンターの電子スピン3)のみから成る3量子ビット化に成功しました。

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世界最小のダイヤモンド量子センサーの作成に成功-細胞や分子のわずかな変化をとらえる超高感度センサーとして期待-​

​(2019年5月31日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫。以下「量研」という。)量子生命科学領域の白川昌宏領域研究統括(京都大学教授)、同・次世代量子センサーグループ寺田大紀氏(京都大学大学院工学研究科博士後期課程学生)・五十嵐龍治グループリーダー、および物質量子機能化グループ小野田忍主幹研究員・大島武グループリーダーらは、瀬川拓也ファビアン博士(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)、アレクサンダー・I・シャメス博士(ネゲヴ・ベン=グリオン大学、イスラエル)、大澤映二取締役社長((株)ナノ炭素研究所)および京都大学と共同で、生命現象や細胞内環境を精密計測するための次世代ツールとして期待される、世界最小の5ナノメートルのダイヤモンドで高感度な量子センサーの開発に世界で初めて成功しました。

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完全バイオマス由来の有機ハイブリッド材料の合成に成功しACS Sustainable Chemistry & Engineeringにて発表した研究論文がSupplementary Journal Coverとして採択

​(2019年5月22日発表)

今回、群馬大学の重点支援プロジェクトである「Sメンブレン・プロジェクト」の材料科学研究において、群馬大学大学院理工学府の覚知亮平助教と、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)高崎量子応用研究所の瀬古典明プロジェクトリーダー、大道正明主任研究員らの研究グループは、完全バイオマス由来の有機ハイブリッド材料の合成に成功しました。本成果はアメリカ化学会(ACS)が出版するACS Sustainable Chemistry & Engineeringに研究論文として公刊されるとともに、掲載当月の評価の高い研究内容として、Supplementary Journal Coverに採択されました。

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全ての光を吸収する究極の暗黒シート- 世界初!高い光吸収率と耐久性を併せ持つ黒色素材 -

(2019年4月24日発表)

国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)物理計測標準研究部門【研究部門長 藤間 一郎】応用放射計測研究グループ 雨宮 邦招 研究グループ長、井邊真俊 研究員、光放射標準研究グループ 蔀 洋司 研究グループ長と、国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構【理事長 平野 俊夫】(以下「量研」という)量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 越川 博 主任研究員、八巻 徹也 上席研究員は、微細な表面構造であらゆる光を吸収する、究極の暗黒シートを開発した。

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体温において心臓が効率良く拍動するメカニズムの一端を解明

(2019年4月23日発表)

早稲田大学大学院先進理工学研究科博士後期課程(研究当時)の石井秀弥(いしいしゅうや、現東京慈恵会医科大学博士研究員)、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構主任研究員の大山廣太郎(おおやまこうたろう)(兼 JSTさきがけ研究者)、中部大学生命健康科学部助教の新谷正嶺(しんたにせいね)、東京慈恵会医科大学准教授の福田紀男(ふくだのりお)、ならびに早稲田大学名誉教授の石渡信一(いしわたしんいち)の研究グループは、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)、と大阪大学の研究者たちと共同で、筋収縮機能の温度特性を評価する顕微解析法を構築し、心臓が体温において効率的に拍動できるメカニズムの一端を解明しました。

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がん治療効果の予測と向上に役立つ指標遺伝子を発見!―全遺伝子の発現量変化を測定し、α線治療薬に特異的に応答する4遺伝子を特定―

(2019年2月28日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所の坂下哲哉上席研究員・大島康宏主任研究員・横田裕一郎主幹研究員、慶應義塾大学先端生命科学研究所(所長 冨田勝)の荒川和晴准教授・河野暢明特任講師らは共同で、α線がん治療薬211At-Mabg(アスタチン211-メタアスタトベンジルグアニジン)1)の治療や診断の新たな指標となる遺伝子候補を世界で初めて発見しました。

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放射線に強い細菌の謎に迫る~放射線により生じたDNAの傷を治すタンパク質の機能を解明~

(2018年11月28日発表)

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」という)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所の安達基泰プロジェクトリーダーらのグループは、放射線に強い細菌の中に含まれ、その強さの鍵となるタンパク質について、分子の立体構造とその機能発揮に重要な役割を果たすアミノ酸を世界で初めて明らかにしました。放射線で傷ついた遺伝子を修復するタンパク質を原子レベルで正確に捉えたものであり、放射線障害やがん化抑制の医療への貢献が期待されます。

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東京工業大学と量子科学技術研究開発機構が包括連携協定を締結~東工大にQSTの量子科学技術産学協創ラボ開設~
Society5.0を先導し、SDGsの達成を支援する次世代量子センサにフォーカス

(2018年7月12日発表)

東京工業大学(学長:益一哉、以下「東工大」という。)と量子科学技術研究開発機構(QST)(理事長:平野俊夫、以下「量研」という。)は、平成30年7月12日付で量子科学技術に関する研究と社会実装を加速することを目指して包括的な連携協定を締結しました。量子コンピュータ、量子暗号通信、複雑な一分子の分子構造を直接見ることができる固体量子センサといった量子科学技術は、世界的に注目を浴び、非常に活発に研究開発が進みつつある技術です。量子科学技術は新たな価値創出・産業創生の重要な基盤技術へと発展し、さらには持続可能な開発目標(SDGs)2030アジェンダ達成を支援すると期待されています。

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放射線照射により生じる水の発光現象の機序を解明、シミュレーションでも発光現象を評価可能に~新しい発光現象を利用した“高精度放射線イメージング機器”開発に期待~

(2018年6月28日発表)

名古屋大学大学院医学系研究科の山本誠一教授、小森雅孝准教授は、兵庫県立粒子線医療センターの赤城卓博士、山下智弘博士、タンペレ工科大学のトイヴォネン博士、量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所の山口充孝主幹研究員、河地有木プロジェクトリーダーと共同で、放射線照射による水の発光現象の発光機序を明らかにしました。炭素線照射による水の発光波長分布を求める実験を行い、得られた分布から、水の発光はチェレンコフ光のもとになっている発光であることを明らかにしました。

本研究成果のポイント

  • これまでに放射線が水中で微弱光を発することを発見し、発光が線量と一致することを明らかにしましたが、その発光機序は不明でした。今回、炭素線注1)照射による水の発光波長分析から、水の発光はチェレンコフ光注のもとになっている発光であることを明らかにしました。
  • この水の発光現象は全く新しい現象であるため、これまで物理学の分野で信頼されて使われているコンピュータシミュレーションにも組み込まれていませんでしたが、粒子線照射で生じる水の発光現象をシミュレーションに追加し、放射線照射による水の発光量を正しく評価することを可能にしました。
  • これらの研究成果によって、放射線照射による水の発光機序が明らかになり、さらにコンピュータシミュレーションで水の発光を正しく計算できるようになったため、今後、この現象を利用した機器開発が飛躍的に発展するものと期待されます。

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保水性能を有する生物試料用マイクロチップを開発 ~微小生物の動きを抑えて生きたまま長時間観察できる麻酔要らずの夢のチップ~

(2018年6月14日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長平野俊夫、以下「量研」という。)とBiocosm株式会社(代表取締役平塚哉)は共同で、高い保水性能を有する生物試料用PDMSマイクロチップを開発し、5月24日付けで日本国特許「生物試料用マイクロチップ」(特願2018-099452)の出願を行いました。

本研究成果のポイント

  • 培養細胞や微生物、微小動物などを生きたままの状態で長時間培養または麻酔なしで収容保定するための高い保水性能を有するPDMSマイクロチップの開発に成功。
  • チップの厚さをイオンマイクロビームが透過可能な1ミリ以下とすることで、ヒットしたイオンの正確な検出と照射後の生物試料の観察を可能に。
  • 限られたスペースでの各種微小生物の長時間観察などにも広く応用可能。

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細胞をつかまえる小さな「水たまり」を開発 ―細胞を1つ1つ捕捉・培養する先端医療用デバイスの実現へ―

(2018年5月28日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所先端機能材料研究部の大山智子主任研究員・田口光正プロジェクトリーダーらは、生体材料のポリジメチルシロキサン(PDMS)に電子線を照射して、わずかピコリットル(1兆分の1リットル)レベルの「水たまり」が作れる長期間安定な親水性表面を持つ凹構造を作製し、細胞1個を任意の場所・形状に簡単につかまえる技術を開発しました。

本研究成果のポイント

  • 細胞がくっつきやすく逃げ出しにくい極小の「水たまり」を、生体材料(ポリジメチルシロキサン)に電子線を照射するだけで簡単に作製することに成功した。
  • 「水たまり」は細胞を1細胞レベルで任意の場所・形状に捕捉することができるため、迅速かつ低コストな診断や創薬に役立つことが期待される。

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なぜ不凍タンパク質は氷が成長するのを阻止できるのか -優れた凍結制御物質をデザインするヒントに-

(2018年5月8日発表)

国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長中鉢良治】(以下「産総研」という)生物プロセス研究部門【研究部門長田村具博】兼産総研・東大先端オペランド計測技術オープンイノベーションラボラトリ【ラボ長雨宮慶幸】津田栄上級主任研究員、同部門近藤英昌主任研究員、西宮佳志主任研究員らと、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構【理事長平野俊夫】(以下「量研」という)量子ビーム科学研究部門【部門長 茅野 政道】安達基泰上席研究員らは共同で、氷結晶に似た水分子のネットワークが不凍タンパク質(AFP)の表面に形成されていることを発見した。

本研究成果のポイント

  • 不凍タンパク質の表面に氷結晶に似た水分子ネットワークができていることを発見
  • 氷の成長を止める力はネットワークが正四面体型の水分子クラスタを含むときに最大になる
  • 新たな人工凍結制御物質の開発への貢献に期待

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磁性絶縁体を用いてグラフェンのスピンの向きを制御 ―スピントランジスタの実現に向け前進―

(2018年4月4日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)量子ビーム科学研究部門の境誠司上席研究員、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長 橋本和仁)先端材料解析研究拠点の山内泰NIMS特別研究員、国立大学法人筑波大学(学長 永田恭介)数理物質系の山田洋一講師、慶應義塾大学(塾長 長谷山彰)理工学部の安藤和也准教授らは、グラフェン回路を用いたスピントランジスタの実現にかかせない電子スピンの向きを制御する新技術の開発に成功しました。

本研究成果のポイント

  • 電流が流れない絶縁性の磁性体を用いてグラフェンのスピンの向きを制御することに成功。
  • スピン偏極を制御する技術の開発により、「グラフェン」回路を用いた高速・省エネルギーの「スピントランジスタ」実現に向け前進。

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リチウム内包フラーレンの電子の振る舞いを初めて解明 ~次世代有機半導体材料としての応用に道を拓く~

(2018年3月16日発表)

国立大学法人筑波大学 数理物質系の山田洋一講師らは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の境誠司上席研究員、東北大学の權垠相准教授、イデア・インターナショナル株式会社の笠間泰彦らと共同で、次世代材料として期待されるリチウム内包フラーレンの電子状態を分子レベルで直接観察し、その詳細な解析に成功しました。

本研究成果のポイント

  • リチウム内包フラーレンを「塩」(Li+@C60[PF6-])の状態で昇華し金属表面に吸着させ、直接観察することで精密な電子状態解析に初めて成功しました。
  • フラーレンに内包されるリチウムは「一価の陽イオン」の状態を保つこと、印加する電圧により電荷を制御できることなどを明らかにしました。
  • 本成果は、リチウム内包フラーレンを利用した次世代有機半導体材料の実用化に道を拓くものです。

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放射線照射により生じる水の発光が線量を反映することを確認 ~新しい“高精度線量イメージング機器”への応用に期待~

(2018年2月20日発表)

名古屋大学大学院医学系研究科の山本誠一教授、小森雅孝准教授、矢部卓也大学院生は、名古屋陽子線治療センターの歳藤利行博士、量子科学技術研究開発機構(量研)高崎量子応用研究所の山口充孝主幹研究員、河地有木プロジェクトリーダーと共同で、粒子線照射で生じる水の発光が、照射する放射線の線量を反映することを実証しました。

本研究成果のポイント

  • 陽子線が水に与える線量と類似の分布を画像したものと実際の線量分布との間にわずかな違いがあったが、これは即発ガンマ線が水中で発光することによるものであることを明らかにした。
  • 陽子線やX線による水の発光が、放射線のエネルギーに対して直線的に増加することも明らかにしました。
  • この発光が不純物や温度の影響をほとんど受けないことも併せて確認しました。

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DNA損傷の複雑さを決める極低エネルギー電子の新たな役割を解明 ~放射線照射により生体の遺伝子情報はどのように変質するのか~

(2018年2月16日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄)原子力基礎工学研究センターの甲斐健師研究副主幹らは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)の渡邊立子上席研究員ら及び東京農工大学(学長 大野弘幸)の鵜飼正敏教授との共同研究により、放射線照射による突然変異の誘発や発がんの主要な原因となる遺伝子情報の変質に関する新たなプロセスをシミュレーションにより解明しました。

本研究成果のポイント

  • 生体への放射線照射により発生する二次電子が及ぼすDNA分子の損傷プロセスは未だに解明されておらず、シミュレーションによる予測が切望されていた。
  • 独自に開発した動的モンテカルロシミュレーションコードを用いた解析で、DNA損傷の複雑化を促進させる極低エネルギー二次電子の役割を解明した。
  • 放射線により突然変異やがんを誘発する初期要因の解明を目指した研究への貢献が期待できる。

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粒子線治療に役立つ新たなビーム可視化法を開発~目に見えない陽子線や重粒子線の到達位置をオンタイムで画像化~

(2018年2月15日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長平野俊夫、以下「量研」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所プロジェクト「RIイメージング研究」の山口充孝主幹研究員と河地有木プロジェクトリーダーらは、群馬大学(学長 平塚浩士)、名古屋大学(総長 松尾清一)と共同で、粒子線がん治療に用いられる陽子線および重粒子線治療ビームが到達する位置を、オンタイムで鮮明に画像化できることを初めて実証しました。

本研究成果のポイント

  • 粒子線の治療ビームの到達位置をオンタイムで鮮明に画像化できることを実証。
  • 最新の粒子線がん治療に用いられる微弱な治療ビームでも利用可能

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メチル化によるヒストンタンパク質構造変化の初観測 ~DNA損傷修復機構の解明とエピジェネティック創薬の進展に期待~

(2017年12月13日発表)

国立大学法人広島大学放射光科学研究センター(以下、「HiSOR」という)の泉雄大助教、松尾光一准教授、生天目博文教授、谷口雅樹名誉教授と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子ビーム科学研究部門の藤井健太郎上席研究員、横谷明徳上席研究員らの研究チームは、HiSORの放射光円二色性分光装置を用いて、DNA二重鎖切断損傷修復機構に関わる9番目のリジン残基がトリメチル化したヒストンタンパク質H3(以下、単に「トリメチル化H3」という)の溶液中の構造を調査し、その構造がメチル化していない通常のH3とは大きく異なることを発見しました。この構造変化は、DNA損傷修復の過程において不可欠な現象であると予想されます。

本研究成果のポイント

  • DNA損傷修復を始め、様々な細胞内の機能に関わるヒストンタンパク質H3の溶液中の構造が、たった一つのアミノ酸残基のメチル化により大きく変化することを
    発見
  • 放射線などの環境ストレスによって生じるDNA損傷の修復機構の全容解明に寄与
  • ヒストンの修飾制御により薬効を得るエピジェネティック薬の開発進展に大きく貢献すると期待

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華麗な花びら「かがり弁」の輪ぎく3品種を開発しました ~ブライダルなど輪ぎくの新たな需要を開拓します~

(2017年11月24日発表)

愛知県農業総合試験場と国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(以下「量研という。)は、共同で珍しい花びらを持つ輪ぎく3品種を開発し、本日付けで種苗法に
基づく品種登録出願を行いました。
本品種は、花びらが華やかな雰囲気を醸し出すことから、ブライダルなど祝い事への利用が期待されます。

本研究成果のポイント

  • 花びらの先端には複数の突起があり、「かがり弁」と呼ばれる珍しい形です。
  • 各品種の花色は、白色、赤紫色、黄色の3色です。
  • 12月から3月にかけて、きれいな「かがり弁」になることから、この時期の出荷が適しています。日持ちは従来の輪ぎく品種と同程度で、2週間以上観賞が
    可能です。
  • 華やかなイメージの花であることから、祝い事やフラワーアレンジメントなどに適しています。

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量研が企業とのアライアンス事業を開始~産業界の課題解決に向け、複数企業と連携~

(2017年11月13日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫。以下、量研)は、産業界に存在する技術的課題を解決し、そのブレークスルーによって当該業界にイノベーションを創出するため、量研と特定分野の企業“群”が共同で研究開発を行うアライアンス事業を準備計画してきました。この度本年度において参加が予定されていた延べ20社の民間企業と1つの研究開発法人の参加申し込みが完了しましたので、これをアライアンス事業の開始と位置づけ、ご報告申し上げます。本年度に開始したアライアンスは、以下の3つですが、本発表を機に、より多くの企業、大学・研究機関が参加されることを期待しています。

本成果のポイント

  • 特定の分野に技術やノウハウ、大型の施設・設備を擁する量研が、複数の企業とタッグを組み、業界に存在する技術的課題を解決するための事業を開始した。
  • 機能性材料の開発、精神・神経疾患治療薬の開発、MRI1)と新規造影剤開発の3つの分野でアライアンス事業を開始。大手企業20社が参加し、イノベーション
    創出が期待される。

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放射線環境中のセラミックスがもつ自己修復能力の発見 ~セラミックスの表面を観察する新しい手法による成果~

(2017年10月30日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄、以下「原子力機構」という。)原子力基礎工学研究センターの石川法人研究主幹らと、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫、以下「量研」という。)高崎量子応用研究所の田口富嗣上席研究員は、特定のセラミックスが放射線に強い理由を探るために、高エネルギー重粒子線を照射したセラミックスに形成される数ナノメートルの大きさの超微細組織を観察する新しい手法を開発しました。

本研究成果のポイント

  • 高エネルギー重粒子線が照射されたセラミックスの表面に形成される超微細組織(数ナノメートルの大きさ)の新しい観察手法を世界に先駆けて開発した。
  • 超微細組織を観察した結果、特定のセラミックスがもつ自己修復能力が示唆された。
  • 自己修復能力のメカニズムの解明が進めば、宇宙や原子炉等の強い放射線環境におけるセラミックスの利用拡大が期待できる。

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ガンマ線の光渦を発生させる手法を発見 ~新しい同位体分析や非破壊検査技術への応用が期待される~

(2017年7月10日発表)

国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長中鉢良治】(以下「産総研」という)分析計測標準研究部門【研究部門長野中秀彦】放射線イメージング計測研究グループ平 義隆 研究員、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 分子科学研究所【所長川合眞紀】(以下「分子研」という)加藤 政博 教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構【理事長 平野俊夫】(以下「量研」という)東海量子ビーム応用研究センター早川岳人上席研究員らは、円偏光高強度レーザーと高エネルギーの電子の衝突(レーザーコンプトン散乱)によって、渦状の形状を持つガンマ線が生成されることを理論計算により見出した。

本研究成果のポイント

  • 高エネルギーのガンマ線渦を生成できる条件を理論計算によって検討
  • 円偏光の高強度レーザーと電子ビームの衝突によりガンマ線渦を生成する手法を発見
  • 新しい同位体分析や非破壊検査技術への応用に期待

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イオンビームが植物の染色体構造をがらりと変えることを発見 ~植物ゲノムはしなやかに進化を目指す~

(2017年6月15日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所放射線生物応用研究部 プロジェクト「イオンビーム変異誘発研究」の坂本綾子上席研究員らは、東京理科大学理工学部、松永幸大教授、藤本聡研究員らと共同で、モデル植物であるシロイヌナズナにイオンビームを照射し、ひとつの染色体のうちの3分の1が別の染色体に挿入されている突然変異植物の作出に成功しました。

本研究成果のポイント

  • イオンビームにより、植物の染色体に劇的な構造変化が生じることを実験的に証明した。
  • 構造変化を起こした植物は正常に生長して種(たね)も出来るが、元の植物とは交配しにくくなり、別の種(しゅ)のような性質を持つ。
  • 本成果は、遺伝的に独立した種(しゅ)の作成や遺伝子資源の拡散防止などへの応用が期待される。

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超極微量試料の化学構造を決定できる量子センシングNMR

(2017年6月2日発表)

国立大学法人筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター 磯谷順一名誉教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所(以下「QST高崎研」という)小野田忍博士、住友電気工業株式会社アドバンストマテリアル研究所 角谷均博士らは、シュツットガルト大学・マックスプランク研究所(ドイツ)Jörg Wrachtrup教授のグループとの共同研究により、ダイヤモンドの単一のNVセンターという室温動作・ナノ空間分解能を持つ量子センサを用いた量子センシングNMRを開発し、20ゼプトリットルの検出体積から、1Hおよび19FのNMRのそれぞれにおいてケミカルシフトの観測に成功しました。

本研究成果のポイント

  • 従来のNMRの11桁も少ない超極微量試料からのNMR(核磁気共鳴)信号を、ダイヤモンド結晶中の量子センサを用いて室温・常圧で検出しました。
  • 15N核スピンをメモリとして用いて周波数分解能を上げ、NVセンターを用いた室温ナノNMRでは初めてケミカルシフトを観測することに成功しました。
  • 本研究チームが開発した特殊なダイヤモンド結晶の薄膜を使用することで、高感度センサと高磁場測定を実現しました。

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世界最軽量「手のひらサイズ580g」医療用ガンマ線可視化カメラを開発 ~世界初・生体マウスのマルチアングル撮影、多色高精度3D画像を短時間で撮影可能に~

(2017年5月18日発表)

早稲田大学理工学術院の片岡淳(かたおかじゅん)教授らの研究チームは、大阪大学、量子科学技術研究開発機構、浜松ホトニクス株式会社と共同で、ガンマ線を可視化する世界最軽量の小型カメラ(重量580グラム)を開発しました。さらにこのカメラを用いて、3種の異なる放射性薬剤を投与した生体マウスの3D同時分子イメージングにも世界で初めて成功しました。

本研究成果のポイント

  • 世界最軽量、「手のひらサイズ580g」のガンマ線可視化カメラを開発
  • 世界初、生体マウスをマルチアングルで撮影。多色かつ高精度な3D画像を短時間で撮影
  • ガンマ線を見る新しい目の創出、次世代分子イメージングの新たな可能性に期待

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光子と光子の相互作用の検証方法を提案-量子電磁力学が20世紀に予測した現象の理解が期待される-

(2017年5月15日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)・関西光科学研究所のジェームズ・コーガ上席研究員と高崎量子応用研究所東海量子ビーム応用研究センターの早川岳人上席研究員は、20世紀から続く物理学の問題の一つである光子と光子の相互作用を検証する方法を理論計算によって見つけ出し、新しい実験手法を提案した。

本研究成果のポイント

  • 20世紀に予言され現在も未解明の問題である光子と光子の合体や散乱などの相互作用の一つのデルブリュック散乱を選択的に計測できる条件を理論計算で求め、
    新しい実験方法を提案した。
  • 世界で建設中の高輝度レーザーコンプトン散乱ガンマ線によって検証が期待される。

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世界に先駆けた技術を用いて、酸化亜鉛に放射線を照射すると強磁性が現れるしくみを解明-次世代デバイスの開発に向けた分析技術の有用性を実証-

(2017年4月25日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所先端機能材料研究部 プロジェクト「陽電子ナノ物性研究」の前川雅樹主幹研究員らは、量研が世界に先駆けて開発した技術である「陽電子ビーム磁性空孔分析技術1)」を使い、これまでメカニズムが不明であった、磁性を持たない半導体の酸化亜鉛2)に放射線を照射すると強磁性3)が現れるという現象は、その原因が、結晶中の亜鉛原子の欠損部分に生じた電子スピンの偏り4)であることを初めて解明しました。これは、次世代デバイスの開発に向けた分析技術の有用性を実証するものです。

本研究成果のポイント

  • 量研が世界に先駆けて開発に成功した技術(陽電子ビーム磁性空孔分析技術)を用いて、放射線の照射で酸化亜鉛に強磁性が現れるしくみを解明。
  • 本手法は、次世代デバイスと注目されるスピントロニクスデバイス5)の開発や、強磁性半導体材料の特性評価などに役立つことが期待される。

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粒子線の“リアルタイム見える化”を実現する新手法~飛跡に沿って発生する制動放射線に着目~

(2017年3月28日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研機構」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所 プロジェクト「RIイメージング研究」の山口充孝主任研究員と河地有木プロジェクトリーダーらは、群馬大学(学長 平塚浩士)、名古屋大学(総長 松尾清一)、名古屋陽子線治療センター(センター長 溝江純悦)、早稲田大学(総長 鎌田薫)と共同で、粒子線がん治療に用いる陽子線の飛跡を、陽子線が水中を通り過ぎるときに瞬時に発生する放射線の計測によって“リアルタイム見える化”する方法を考案し、その実証に世界で初めて成功しました。

本研究成果のポイント

  • 粒子線を制動放射線による“リアルタイム見える化”する新たな手法を考案。
  • 本手法を実際の陽子線がん治療装置を用いて実証。

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世界最高濃度の室温量子スピンを有するダイヤモンド結晶の作製により、理論的に存在が予測されていた「時間結晶」の室温観測に成功

(2017年3月9日発表)

国立大学法人筑波大学(以下「筑波大学」という)知的コミュニティ基盤研究センター 磯谷順一名誉教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所(以下「QST高崎研」という)小野田忍博士、住友電気工業株式会社アドバンストマテリアル研究所角谷均博士らは、ハーバード大学(米国)、ウルム大学(ドイツ)、プリンストン大学(米国)、カリフォルニア大学バークレー校(米国)などのグループとの共同研究により、室温での離散的時間結晶(Discrete Time Crystal)の生成を実験により実証することに成功しました。

本研究成果のポイント

  • ダイヤモンド結晶中のNVセンターの高濃度化により、強い相互作用と不規則性をあわせもつ、106個程度の電子スピンの集団を作製しました。
  • 非平衡状態での存在が理論的に予測されていた「離散的時間結晶」の室温での観測に成功しました。
  • 新しい物質相の存在が実証されたことは、量子コンピューティング、量子計測、量子シミュレーションに重要な、量子多体系のダイナミックス制御への
    マイルストーンとなります。

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高効率な水素製造を可能にするイオン交換膜型ブンゼン反応器を開発-高温熱を利用しCO2フリー水素を製造する膜分離新ISプロセス実用化の第一歩-

(2017年3月2日発表)

芝浦工業大学(学長 村上雅人。以下「芝浦工大」)の野村 幹弘 教授、今林 慎一郎 教授、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野 俊夫。以下「量研機構」)の八巻 徹也 上席研究員、澤田真一 主任研究員らは共同で、熱化学反応で水から水素を製造するISプロセスの高効率化が期待されるイオン交換膜型ブンゼン反応(以下「膜ブンゼン反応」)方式の実用化を目的とし、新たに開発したイオン交換膜と電極触媒を用いた反応器を開発し、目標とする反応条件での実験に成功しました。

本研究成果のポイント

  • 高温熱を利用しCO2フリー水素を高効率に製造する膜分離新ISプロセスの実用化に必須となるイオン交換膜型ブンゼン反応器の開発に成功。
  • 水素イオンを効率的かつ選択的に透過するイオン交換膜を開発。
  • イオン交換膜型ブンゼン反応器の大幅な省電力となる陽極電極触媒を開発。

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使用済燃料中パラジウム-107の存在量を世界で初めて実測-試料に近づかずに高純度パラジウムを分離し正確に測定-

(2017年2月3日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:児玉敏雄、以下「原子力機構」という。)原子力科学研究部門原子力基礎工学研究センター分析化学研究グループの浅井志保研究副主幹らと、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長:平野俊夫、以下「量研機構」という。)高崎量子応用研究所の佐伯盛久研究主幹らは、原子力発電で使用された燃料(使用済燃料)から高純度のパラジウムを分離し、パラジウム-107(107Pd)の存在量を世界で初めて測定しました。

本研究成果のポイント

  • 使用済燃料中に存在する放射性核種パラジウム-107の量を世界で初めて測定レーザーを利用して高純度パラジウムを遠隔で分離することに成功。
  • 分離操作時の被ばくや汚染を大幅に低減する新しい分離法として期待。

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がん診断と治療の両方に適した放射性銅67の大量・高品質製造法の開発に成功 ―加速器で作る中性子が新たな診断・治療薬開発に道を拓く―

(2016年12月28日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研機構」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所東海量子ビーム応用研究センター プロジェクト「加速器中性子利用RI生成研究」の須郷由美上席研究員、橋本和幸上席研究員、永井泰樹研究員(大阪大学名誉教授・東京工業大学名誉教授)、および、株式会社千代田テクノル(代表取締役社長:山口和彦)の川端方子研究員、佐伯秀也技術員、佐藤俊一技術員らは共同で、がんの診断と治療の両方に役立つことが長年期待されてきた放射性銅67(Cu-67)を、加速器で作る中性子を利用することにより大量かつ高品質で製造する技術を世界に先駆け開発しました。

本研究成果のポイント

  • 30年以上にわたりがん診断・治療用薬剤への応用が期待されてきたにもかかわらず製造が困難であった放射性銅67(Cu-67)について、加速器で作るエネルギーの
    高い中性子を利用した実用的製造法を世界で初めて開発した。
  • さらに、Cu-67そのものが大腸がんに顕著に集積する性質も持つことをマウス実験により発見した。
  • 開発した製造法はCu-67以外の放射性核種の製造にも応用が可能であり、がん診断・治療の将来を支える基盤技術として大いに期待される。

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ラグビーボール型に変形した原子核のハサミ状振動の全体像を明らかに ―30年の謎を解明し、原子核の構造・性質の統一的理解に道筋―

(2016年9月12日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫)量子ビーム科学研究部門のクリストファー・エンジェル主任研究員らのグループは、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄)核不拡散・核セキュリティ総合支援センター、米国エネルギー省(ローレンス・バークレー国立研究所等)と共同で、ラグビーボール型に変形した原子核をもつタンタル原子核(Ta-181)の振動をガンマ線を透過させて高精度で観測することに成功し、これまで知られていなかった原子核のハサミ状振動の全体像を明らかにしました。

本研究成果のポイント

  • 「エネルギーを変えられるガンマ線」を用いて、原子核の陽子と中性子の塊が「ハサミ状」に動く振動を高精度に測定。振動の励起から減衰までの全体像を
    明らかにした。
  • 異なるエネルギーのガンマ線を放出し振動が減衰する、未知であったプロセスを発見した。

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量子情報技術を担う新材料「グラフェン」のスピンを操る―次世代の高速・省エネルギー情報システムの実現に道筋―

(2016年7月22日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長平野俊夫)量子ビーム科学研究部門の境誠司上席研究員、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長橋本和仁)先端材料解析研究拠点の山内泰NIMS特別研究員、国立大学法人筑波大学(学長永田恭介)数理物質系の山田洋一講師らは、グラフェン内部の電子のスピンの向きを、磁性酸化物を用いて制御できることを発見しました。これは、電子デバイスの飛躍的な高速・省エネ化を可能にするスピントロニクス3)などの量子情報技術4)にグラフェンを応用する際に鍵となる技術で、今日のエレクトロニクスが抱える性能限界や電力消費の問題の解決に繋がります。

本研究成果のポイント

  • 電子のスピンの向きをデジタル情報として扱う量子情報技術において、スピンを伝える「導線」となる新材料「グラフェン」内部の電子スピンの向きを磁性酸化物
    により制御できることを発見。
  • この発見は、最先端の量子ビーム技術であるスピン偏極ヘリウム原子ビーム技術によりグラフェン内部の電子スピンを高感度に検出することで実現。
  • 次世代高速・省エネルギー情報システムのための高機能スピントロニクスデバイスの実現に道筋。

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がん細胞を狙い撃ちするα線放出核種を標識した新しい治療薬剤を開発―アスタチン-211がん治療薬剤による褐色細胞腫の大幅な縮小に成功―

(2016年6月13日発表)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫、以下「量研機構」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所の石岡典子上席研究員・大島康宏主任研究員・渡辺茂樹主幹研究員、量研機構放射線医学総合研究所の東達也部長・脇厚生室長・吉永恵一郎チームリーダー・辻厚至チームリーダー・永津弘太郎サブチームリーダーらは共同で、悪性褐色細胞腫を標的とした治療薬剤211At-MABG(メタアスタトベンジルグアニジン)の製造に成功し、これがマウスに移植した褐色細胞腫に対して高集積し、さらに腫瘍を大幅に縮小できることを世界で初めて明らかにしました。

本研究成果のポイント

  • 加速器によるα線放出核種アスタチン-211(211At)1)の効率的な製造に成功
  • これにより悪性褐色細胞腫2)のがん治療薬剤候補211At-MABG(メタアスタトベンジルグアニジン)3)の製造に成功し、有効性を確認
  • 異なる専門性を持つ機関統合によって実現した量研機構ならではの研究成果

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パーキンソン病発症につながる「病態」タンパク質分子の異常なふるまいを発見-発症のカギとなるタンパク質の線維状集合状態の形成過程解明の手がかりに-

(2016年4月21日掲載)

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(理事長 平野俊夫。以下「量研機構」という。)量子ビーム科学研究部門高崎量子応用研究所東海量子ビーム応用研究センターの藤原悟上席研究員・松尾龍人主任研究員、大阪大学(総長 西尾章治郎)大学院医学系研究科の望月秀樹教授・荒木克哉医師、鳥取大学(学長 豊島良太)八木寿梓助教、J-PARCセンター(センター長 齊藤直人)柴田薫研究副主幹、総合科学研究機構(理事長 西谷隆義)山田武研究員らは共同で、中性子準弾性散乱1)装置を用いて、パーキンソン病の発症と密接に関係する脳内のあるタンパク質の動きを分子レベルで調べ、このタンパク質同士が線維状に集合した状態で異常なふるまいを示すことを世界で初めて発見しました。

本研究成果のポイント

  • パーキンソン病の発症に関係する脳内のタンパク質の動きを、中性子を利用した最先端の分析技術を用いて分子レベルで測定
  • 病発症のカギとなる、タンパク質同士が線維状に集合した状態の異常なふるまいを発見
  • パーキンソン病発症の仕組み解明の手がかりとなることに期待

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機能性食品の開発に新たな道筋 ~植物種皮のアントシアニン蓄積を支配する遺伝子をイオンビームで発見~

(2015年11月26日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」という。)原子力科学研究部門量子ビーム応用研究センターイオンビーム変異誘発研究グループの北村智研究主幹らは、イオンビームを利用して、元のシロイヌナズナと比較してアントシアニンの蓄積の仕方が変化した変異体を作り出し、この解析から植物種子の皮(種皮)でアントシアニンの蓄積を支配する遺伝子を世界で初めて発見しました。

本研究成果のポイント

  • 植物色素や抗酸化物質として重要なアントシアニンの蓄積が異常なシロイヌナズナの変異体をイオンビームで作出
  • 変異体解析によって、種皮のアントシアニン蓄積に必須の遺伝子を世界で初めて発見
  • 種子の成分改良による機能性食品の開発に繋がると期待

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原子力機構高崎研のイオンビーム育種技術支援が民間の花の新品種作出に貢献

(2015年6月1日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」)は、文部科学省の「先端研究施設共用促進事業」等)による「明日を創り、暮らしを守る量子ビーム利用支援事業」)において、原子力機構高崎量子応用研究所(以下「高崎研」)のイオン照射研究施設(TIARA)等を駆使した先進的量子ビーム技術の産業分野への利用拡大を進めています。このたび、海部苗木花き生産組合連合会(愛知県)、有限会社精興園(広島県)、及び横浜植木株式会社(神奈川県)の三つの民間団体・企業は、本事業の支援により、それぞれ保有するアイビーゼラニウム、キク及びサルビアの品種からイオンビーム育種を用いてそれらの新品種の作出に成功し、販売に至りました。

本研究成果のポイント

  • 原子力機構高崎研におけるイオンビーム育種により、新たな特徴が付加された新品種作出に成功
  • 文部科学省の「先端研究施設共用促進事業」により、新規の民間団体・企業ユーザーが専門家の利用支援を受けたことによる成果

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放射線がん治療の副作用低減に新たな道筋 ~放射線が当たっていない細胞で起こる「バイスタンダー効果」の特徴を見出すことに成功~

(2015年5月7日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄、以下「原子力機構」)は、放射線が当たっていない細胞で起こる「バイスタンダー効果」が、ガンマ線や重粒子線などの放射線の種類によらず、細胞内で合成された活性な窒素化合物である一酸化窒素が引き金となって、かつその合成量に応じて起こることを世界で初めて明らかにしました。

本研究成果のポイント

  • 細胞集団の一部にガンマ線や重粒子線を当て、当たっていない細胞の増殖能力を調査
  • どちらの放射線でも一酸化窒素の合成量に伴い増殖能力が低下することを世界で初めて発見
  • 放射線がん治療の副作用を低減する新手法の開発につながる

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ヨシはなぜ塩水でも育つのか ~根の中でナトリウムを送り返す動きをポジトロンイメージングで観ることに世界初成功~

(2015年4月23日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究センター植物RIイメージング研究グループの藤巻秀リーダー、鈴井伸郎研究副主幹、ならびに東京農業大学 応用生物科学部 生物応用化学科の樋口恭子教授、丸山哲平氏(当時同大大学院生)らは、放射線を利用した画像化技術(植物ポジトロンイメージング技術)を使い、塩分による害を引き起こすナトリウムがイネとヨシの内部を動く様子を画像化し、ヨシは一旦根の中に吸収したナトリウムを、根の先端に向かって常に送り返して排除していることを世界で初めて明らかにしました。

本研究成果のポイント

  • イネ科のヨシが高い塩分濃度に耐えられる仕組みを探究
  • 放射線を利用した画像化技術により、ヨシの根にナトリウムを排除する動きが常にあることを初めて発見
  • 将来、塩分の高い条件でも栽培可能なイネの作出につながることを期待

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非磁性体の電子スピンを“ありのまま”で観測 ~非磁性体の電子スピンを“ありのまま”で観測~

(2015年4月13日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄。以下「原子力機構」という)量子ビーム応用研究センター先端機能材料創製研究ディビジョン スピン偏極陽電子ビームグループの河裾厚男リーダーらは、同グループが開発したスピン偏極陽電子ビームを用いて、電流を流した非磁性体中の電子スピン配列現象をビスマスと銀の接合デバイスで直接観測することに初めて成功しました。

本研究成果のポイント

  • スピン偏極陽電子ビームを使ってビスマス(Bi)と銀(Ag)の接合デバイスに電流を流した際に生じる電子スピン配列を初めて観測
  • スピントロニクス材料研究における陽電子ビーム手法の有用性を実証

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放射線で加工した樹脂が学校教材に -原子力機構の「放射線橋かけ技術」を活用した形状記憶樹脂を製品化-

(2015年2月12日発表)

株式会社サンルックス(代表取締役社長 長谷 仁。以下「サンルックス」という)は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 松浦祥次郎。以下「原子力機構」という)と共同で、放射線橋かけ技術を活用して作製した形状記憶樹脂を、放射線の作用を理解するための学校実験教材として初めて開発し、製品化することになりました。

本研究成果のポイント

  • 原子力機構の放射線橋かけ技術を活用した形状記憶樹脂を開発
  • 放射線作用を理解するための学校実験教材として製品化

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包括的核実験禁止条約(CTBT)に係る高崎希ガス観測所、東アジア沿岸国初の認証(お知らせ)

(2015年1月9日発表)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 松浦祥次郎、以下「原子力機構」という。)が高崎量子応用研究所内に設置し運用している放射性核種監視観測所(高崎観測所)において、2014年12月19日に包括的核実験禁止条約機関準備委員会(以下、「CTBTO」という。)から希ガス観測所として東アジア沿岸国で初めての認証を得ました。2011年の福島第一原発事故の影響等により認証作業が延期されていましたが、今般、核実験監視のための技術要件を満足する国際監視制度の施設としてCTBTOによる評価を経て認証されたものです。我国の監視観測施設の認証は本認証をもって全て完了し、国内監視体制が確立しました。なお、高崎観測所は、粒子状放射性核種に関する観測所としては、2004年に既に認証を得ています。

本研究成果のポイント

  • CTBT高崎観測所において核実験監視に係る技術要件が達成され、CTBT機関準備委員会(ウィーン)により希ガス観測所として東アジア沿岸国初の認証を取得
  • 本認証により我国の監視観測施設の認証は完了し、国内監視体制が確立
  • CTBT国際検証体制の強化、アジア地域の核実験監視能力向上に貢献

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セシウム除去用給水器「クランセール®」の販売開始 -被災地区の復興の推進に向けて安心して水を利用できる環境に-

(2014年7月1日発表)

倉敷繊維加工株式会社(クラボウグループ、取締役社長:青山克己。以下「倉敷繊維加工」という。)は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故(以下「福島第一原発事故」という。)により被災した地域の飲み水の安心を確保し、早期の復興を促進するため、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(理事長:松浦祥次郎。以下「原子力機構」という。)の保有する電子線グラフト重合技術1)により共同開発したセシウムを選択的に吸着できる捕集材を組み込んだ家庭用給水器「クランセール®」を製品化しました。

本研究成果のポイント

セシウム捕集材を組み込んだ家庭用給水器の商品化と販売

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莫大な表面積を持つ世界一細いタンパク質の“ひも”の形成に成功!! -さまざまな酵素を自由に固定し、超高感度診断素子の実現へ-

(2014年4月25日掲載)

大阪大学大学院工学研究科 大道正明博士(当時、現在:阿南工業高等専門学校)、関修平教授、林高史教授らからなる研究グループは、日本原子力研究開発機構 麻野敦資博士、杉本雅樹博士、および阿南工業高等専門学校、東北大学と共同で、たった一つの粒子が引き起こす化学反応を利用して、長さや太さをnmレベルで自由に制御した世界で最も細いタンパク質の“ひも”を形成し、この莫大な表面に酵素を固定することで超高感度を有する疾患診断などに応用可能な新しいタンパク質ナノ材料の形成に成功しました。本研究成果は、2014年4月28日(英国時間)に英国Nature Publishing GroupのNature Communication誌のオンライン速報版で公開されます。

本研究成果のポイント

  • タンパク質のみから形成された超微細な“ひも”の形成に成功
  • 太さと長さの比(アスペクト比)が1000に達し、長さの完全にそろった“ひも”を均一に形成
  • “ひも”の表面に酵素を自在に固定し、その活性を維持
  • “ひも”の莫大な表面積を生かした高感度検出技術に適用可能

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全反射高速陽電子回折法「TRHEPD法」の高度化により究極の表面構造解析が可能に

(2014年4月21日掲載)

日日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)先端基礎研究センターの河裾厚男研究主幹のグループと高エネルギー加速器研究機構(以下「KEK」)物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授、名古屋大学の一宮彪彦名誉教授らのグループの共同研究および共同利用研究(研究代表:原子力機構・深谷有喜研究副主幹)により、KEKの高強度低速陽電子ビームを高輝度化して、TRHEPD(Total Reflection High-Energy Positron Diffraction, 全反射高速陽電子回折)法の高度化を実現しました。この手法をシリコン結晶の(111)表面に適用して、その表面超高感度性を実証しました。本研究成果は、応用物理学会がInstitute of Physicsを通じて出版するApplied Physics Expressに2014年4月9日にオンライン公開されました。

本成果のポイント

  • 高輝度高強度陽電子ビームを用いたTRHEPD法の高度化を実現
  • 本手法をシリコン結晶にて検証し、最表面に露出した原子のみからの回折パターンが得られることを実証
  • 最表面及び表面近傍における原子の配列を正確に測定できる手法として、材料設計など、材料科学への貢献に期待
  • 高強度低速陽電子ビームでしか達成できなかった技術の開発、実証、実用化

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被災地域の復興の推進に向けた給水器の開発

(2014年3月27日掲載)

日本原子力研究開発機構と倉敷繊維加工株式会社は、福島第一原発事故により被災した地域の飲み水の安心を確保し、早期の復興を推進するため、セシウムを選択的に吸着できる繊維状の捕集材を開発しました。(平成24年11月7日発表済)今般、これを充填した家庭用給水器のモニター試験を、福島県双葉郡川内村の協力を得て1年間行い、十分なセシウム捕集性能があるという結果を得ることができました。

~ 福島県双葉郡川内村で実施したセシウム除去用給水器のモニター試験結果について ~

電子線グラフト重合の技術により共同開発したセシウム捕集材を活用し、セシウムを取り除くことができる家庭向けの給水器を製作しました。平成25年3月から、この給水器を井戸水や沢水を飲用水として利用する川内村の家庭で1年間実際にご使用頂き、セシウムの除去効果を確認するモニター試験を行った結果、取り付けた給水器に水を通すことにより、セシウムが確実に取り除かれることを実証できました。

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ダイヤモンドを用いて量子コンピュータの実現に不可欠な量子エラー訂正に成功

(2014年1月30日掲載)

筑波大学の磯谷順一名誉教授と日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門半導体耐放射線性研究グループの大島武リーダーらは、ドイツとの共同研究により、室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功しました。

量子情報デバイスの実用化・量子コンピューティングの実現に前進

室温での固体量子ビットの量子エラーの訂正に世界で初めて成功したことで、量子コンピュータに必須の「エラー訂正」をしながら計算というエラー耐性を多量子ビットへ拡張可能となりました。これにより、実用的な固体量子情報ディバイスの開発への道が開けました。

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高い細胞接着性を持つ生体に優しいプラスチックの開発に成功

(2013年12月12日掲載)

日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門環境材料プロセシング研究グループの大山智子任期付研究員は、早稲田大学理工学術院の大島明博客員准教授、鷲尾方一教授、大阪大学産業科学研究所の田川精一招聘教授らと共同で、集束イオンビームを使うことにより、局所的に細胞接着性の高い部分を持つ生体に優しいプラスチックの開発に成功しました。

~ 集束イオンビームを使って医療材料の微細加工に新しい道 ~

集束イオンビームを利用して熱に弱いプラスチックを微細加工する技術を開発し、細胞接着性を局所的に制御した生体に優しいプラスチックの開発に成功しました。この成果は、医療やバイオ研究に用いる生体親和性材料の創製技術として期待されます。

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反射高速陽電子回折法によりシリセンの構造決定に成功

(2013年11月21日掲載)

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所の兵頭俊夫特定教授らのグループと日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センターの河裾厚男主幹グループ、および東京大学物性研究所の松田巌准教授による共同研究おび共同利用研究は、結晶最表面の原子配置を精度よく決定できる反射高速陽電子回折法を用いて、銀単結晶表面上に形成したシリコンの原子1層からなる“シリセン”の構造を調べました。その結果、炭素原子1層からなる平面状の層からなるグラフェンと異なり、凹凸のある構造(バックリング構造)であることを初めて実験的に確認しました。

~ 世界最高強度の陽電子ビームを用いてシリコン新素材の構造が明らかに ~

輝度を増強した高強度エネルギー可変単色陽電子ビームによる反射高速陽電子回折法(RHEPD)を用いて、銀単結晶表面上に作ったシリセンの構造を決定でき、陽電子ビームを用いた回折法が様々な物質最表面の構造決定に有効な手段として多方面の応用が期待されます。

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世界最高のスピン偏極率をもった陽電子ビームの開発に成功

(2013年5月17日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構先端基礎研究センターのスピン偏極陽電子ビーム研究グループは、陽電子線源にゲルマニウム-68を用いて世界最高のスピン偏極率(47%)をもつ陽電子ビームの開発に成功しました。

~ 電子スピンの新たな検出法の開発に道筋 ~

加速器を使って陽電子線源(ゲルマニウム-68)を生成し、高いスピン偏極率をもった陽電子ビームの開発に成功しました。これにより、スピントロニクス材料中の電子スピンの挙動解明に期待されます。

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群馬県の新しい吟醸用清酒酵母ができました!

(2012年12月10日掲載)

群馬県立群馬産業技術センター(群馬産業技術センター)と日本原子力研究開発機構(原子力機構)は、共同研究により、吟醸酒製造に適した新たな清酒酵母の開発を進めてきましたが、原子力機構が開発した新しい育種法(イオンビーム育種技術)で作り出した多数株の中から、従来の酵母にはない「甘い香り」をもつ新酵母を選び出しました。

~ 群馬県の新しい吟醸用清酒酵母ができました! ~

2000株以上のイオンビーム照射酵母から、香り成分の生成量を指標に選抜を進めました。選抜した優良株35株(候補)について、群馬産業技術センターで白米60kg規模の試験醸造を3年間にわたり実施し、十分な醸造適性がある1株を最終的に絞り込みました。

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水中の放射性セシウム除去用カートリッジを製品化

(2012年11月7日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 鈴木篤之。以下「原子力機構」という。)と倉敷繊維加工株式会社(クラボウグループ、取締役社長 青山克己。以下「倉敷繊維加工」という。)は共同で、水中の放射性セシウムの除去用カートリッジを製品化。

~ 電子線グラフト重合技術により高性能セシウム捕集材の開発に成功 ~

電子線グラフト重合技術により、水に溶けている放射性セシウム(以下「セシウム」)だけを選択的に吸着できる捕集材の開発に成功し、倉敷繊維加工は、この捕集材を充填したカートリッジを製品化しました。

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イオンマイクロビームを用いたリチウムイオン電池内部のリチウム分布の高分解能可視化に成功

(2012年10月02日掲載)

学校法人光産業創成大学院大学(理事長晝馬明(ひるま あきら)、以下、「光産創大」)と国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 鈴木篤之(すずき あつゆき)、以下、「原子力機構」)は、リチウムイオン二次電池(以下、「リチウムイオン電池」)の電極材料内部のリチウムの空間分布を、イオンマイクロビーム装置を用いて世界最高の分解能で可視化することに成功。

~ イオンマイクロビーム分析技術により、リチウムイオン二次電池電極材料内部のリチウム分布を1マイクロメートルレベルの高い空間分解能で可視化 ~

粒子線励起ガンマ線放出(PIGE)元素分析法と呼ばれる技術を用い、リチウムイオン電池における電気の担い手であるリチウムイオンの分布を、従来の解像度を大幅に超えるマイクロメートル(以下、「µm」)レベルの解像度で直接観察する手法を確立しました。

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NaI(TI)スペクトロメーターでのセシウム134と137を個別に定量する簡便な手法の開発

(2012年6月22日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構【理事長 鈴木篤之、以下「原子力機構」という】は、国立大学法人東京大学【総長 濱田純一、以下「東京大学」という】、公立大学法人秋田県立大学【学長 小間篤、以下「秋田県立大学」という】と共同で、放射性セシウムの測定に広く利用されているタリウムヨウ化ナトリウムシンチレーションスペクトロメーター(以下、NaI(Tl)スペクトロメーターという)と表計算ソフトを用いて、食品や土壌などに含まれるセシウム134とセシウム137を区別して定量する簡便な手法を開発。

~一般的な表計算ソフトと安価で広く用いられているNaI(Tl)スペクトロメーターを用いてセシウム134とセシウム137を個別定量する手法を開発~

NaI(Tl)スペクトロメーターによる測定データの解析方法について研究を進め、これまでとは異なる方法で解析することにより、精度良くセシウム134とセシウム137の濃度を別々に算出できることを見出しました。この新しい解析方法は一般的な表計算ソフトで行えるため、NaI(Tl)スペクトロメーターを導入している多くの現場で、費用をかけずにセシウム134とセシウム137を個別に定量することが可能であり、現場の測定者自身の手によって、分析の信頼性を一層高めることができるようになります。

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高分子系材料・機器の耐放射線性データベースを整備

(2012年6月01日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構【理事長鈴木篤之、以下「原子力機構」】は、高い放射線環境下で進められる東京電力株式会社福島第一原子力発電所の廃炉に向けた作業を支援するため、これまで原子力機構等が実施した高分子系材料・機器の耐放射線性試験等の結果878件を収録した「高分子系材料・機器の耐放射線性データベース(Database of Radiation Resistance on Polymer Materials and Equipments : DRRPME)」を整備、公開。

~廃炉作業現場で使われる材料・機器の耐放射線性の評価検討に貢献~

本データベースには、高分子材料423件、機器・部品223件、油脂・塗料103件、有機複合材料129件が収録されており、高分子系材料や機器の名称、分類、放射線の種類等による検索ができるよう設計されており、放射線環境下で試験された高分子系材料や機器にはどのような種類があるのか、あるいはそれらがどの程度の放射線量に耐えるのか、といった情報を簡単な操作で取り出すことができます。

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小さながんも見逃さない新しいRI薬剤を開発

(2010年6月21日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長:岡崎俊雄、以下、原子力機構)、及び国立大学法人群馬大学(学長:高田邦昭、以下、群馬大学)は、新たに開発したがんのPET診断用薬剤76Br-MBBG(メタブロモベンジルグアニジン)により、粟粒ほど微小な褐色細胞腫を画像上に鮮明に映し出すことに成功。

76Br-MBBGを用いて褐色細胞腫のPETによる画像化に成功~

76Br-MBBGをPET診断に用いれば、褐色細胞腫だけでなく神経芽細胞腫も検査することができるので、これらのがんの早期発見に威力を発揮し、早期治療による克服につながることが期待できます。

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環境負荷低減、コストダウンに貢献できるイオン交換繊維の実用化に成功

(2010年6月10日掲載)

野村マイクロ・サイエンス株式会社(代表取締役社長 千田豊作)は、倉敷繊維加工株式会社(取締役社長 則永正好)、 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(理事長 岡崎俊雄 以下「原子力機構」)との共同研究で、半導体、フラットパネルディスプレー(FPD)製造工程に使用される薬液・スラリーから、母液成分を変化させることなく通液させるだけで、選択的に金属を除去できるモジュール(商品名:メトレート®)の実用化に成功。

~半導体、フラットパネルディスプレー製造工程に使用されるあらゆる薬液から選択的に微量金属を除去~

メトレート®はあらゆるpH領域の薬液・スラリーだけでなく、半導体用接着剤に使用される水溶性高分子や半導体用有機材料の合成プロセスで使用される溶媒、さらには、レジスト剥離用の有機溶剤など、様々な工業溶液に含まれる金属だけを除去することができます。

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「国立大学法人群馬大学と国立研究開発法人日本原子力研究開発機構との連携協力に関する協定」の締結について

(2010年3月05日掲載)

群馬大学及び日本原子力研究開発機構双方の有する研究施設、研究成果、人材等を連携活用し、相互の研究及び人材育成の充実を図ることを目的に協定締結。

~連携の具体的な内容~

(1)共同研究等の推進、(2)技術交流を含む研究者の相互交流、(3)人材育成の推進及び相互支援、(4)研究施設・設備の相互利用、(5)その他、本協定の目的遂行上必要な事項の連携協力活動を行う。

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水系反応による高効率の新しい放射線加工技術を開発

(2010年1月25日掲載)

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長 岡崎俊雄 以下「原子力機構」)と倉敷繊維加工株式会社(取締役社長 則永正好)は、反応効率の優れたエマルショングラフト重合法で金属を高速に捕集できる布を開発。

~従来の2000倍高速に金属を除去できる材料の開発に成功~

原子力機構は、放射線加工技術である放射線グラフト重合に工夫を凝らし、有機溶媒を使用せず環境にも優しい水を用いる「エマルショングラフト重合」を考案し、微量の金属を除去できる材料を従来の1/10以下の放射線量で合成する技術を開発しました。そして、原子力機構と倉敷繊維加工株式会社は、実用的な金属除去材料の共同開発に成功しました。

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新しい色素を持つ芳香シクラメンをイオンビームで創成

(2009年12月21日掲載)

埼玉県農林総合研究センター(所長 金本伸郎)、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(理事長岡崎俊雄)、及び国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(理事長 堀江 武)は、芳香シクラメン品種にイオンビームを照射し、その後代においてシクラメン属に存在しなかった、デルフィニジンを主要色素とする赤紫色の芳香シクラメンを世界で初めて作出することに成功。

~赤紫色の新品種のシクラメンの作出~

今回創り出した品種は、今までになかった新しい花色を持つ芳香シクラメンとして直接実用が可能であるばかりでなく、交雑によって他のシクラメンに本色素を導入したり、さらには、この品種に突然変異をもう一度起こして青色の芳香シクラメンを作出することも夢ではなく、新しい遺伝資源として極めて有用なものです。

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